《たった一つの願いを葉えるために》迷宮6
打開策が何も思いつかないまま、しばらく攻防が続いたが、やがてデュラハンが痺れを切らし、ギアを上げてきた。
ズバッ!
「があっ!」
どんどんついていけなくなり、脇腹を深く切られる。
くそ、このままだと回復が追いつかなくて死ぬ。なのに、何も思いつかない。
その時、デュラハンの剣が黒いオーラを纏った。そして、今までとは比較にならない速度で向かってきた。
ダメだ、防げないッ!
ズバンッ!
「ぐあっ!」
速度についていけず、背後から袈裟斬りに切られた。
〈マスター!〉
(…どうした)
〈先の攻撃でスキル[全狀態異常無効]が封印されました!〉
ここに來てさらに追い討ちがかけられる。デュラハンが何か魔法を放ってきた。
「くっ!…なんだこれ!」
デュラハンが魔法放ったのと同時に視界が歪み、頭がクラクラしてくる。
〈マスター、デュラハンの闇屬の狀態異常魔法です。狀態回復魔法を発します〉
(頼む……ナビ、今の魔力でアレをやるにはどのくらいもつ)
〈恐らく、10秒くらいです。マスター、それはあまりにも危険です〉
(これしかない。失敗しても死ぬし、やらなくても死ぬ。功しても倒せるとは限らないが他に方法がない。……やるしかねぇ)
「“タイムストップ”」
ユニークスキルの[時空間魔法]で一定領域の時間を止めた。しかし、魔力消費量がすごく多く、時間を止めている間は干渉出來ないというデメリットもある。
付與魔法を使い、剣に[集束]の特を付與する。
〈殘り8秒です〉
剣に向かって神級魔法〈デストラクション・シュヴェルツェ〉を発する。剣に付與された[集束]の効果で、本來広範囲にわたって放たれる、殲滅のが集束していく。
〈殘り5秒です〉
ありったけの魔力を注ぎ込んだ魔法は、圧倒的な魔力の渦となり、徐々に集束していく。しかし、付與魔法のLVが低いせいで、神級魔法のあまりの凄まじさに集束するのに時間がかかる。
〈殘り3秒〉
そこで、[魔力支配]で魔力のコントロールをして集束の手助けをする。そのおかげでなんとか間に合った。
〈1秒〉
「行くぞ、デュラハン!」
停止していた時間がき出したのと同時に剣を振るう。
「くらえぇぇぇぇ!」
デュラハンは突然のことに反応が遅れた。
キーーーーン!
そんな澄んだ音が聞こえた後、辺り一面がまばゆいに飲み込まれていく。
【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~
舊タイトル:「え? 僕の部下がなにかやっちゃいました?」ハズレギフトだと実家を追放されたので、自由に辺境開拓していたら……伝説の村が出來ていた~父上、あなたが尻尾を巻いて逃げ帰った“剣聖”はただの村人ですよ? 【簡単なあらすじ】『ハズレギフト持ちと追放された少年が、”これは修行なんだ!”と勘違いして、最強ギフトで父の妨害を返り討ちにしながら領地を発展させていくお話』 【丁寧なあらすじ】 「メルキス、お前のようなハズレギフト持ちは我が一族に不要だ!」 15歳になると誰もが”ギフト”を授かる世界。 ロードベルグ伯爵家の長男であるメルキスは、神童と呼ばれていた。 しかし、メルキスが授かったのは【根源魔法】という誰も聞いたことのないギフト。 「よくもハズレギフトを授かりよって! お前は追放だ! 辺境の村の領地をくれてやるから、そこに引きこもっておれ」 こうしてメルキスは辺境の村へと追放された。 そして、そこで國の第4王女が強力なモンスターに襲われている場面に遭遇。 覚悟を決めてモンスターに立ち向かったとき、メルキスは【根源魔法】の真の力に覚醒する。【根源魔法】は、見たことのある魔法を、威力を爆発的に上げつつコピーすることができる最強のギフトだった。 【根源魔法】の力で、メルキスはモンスターを跡形もなく消し飛ばす。 「偉大な父上が、僕の【根源魔法】の力を見抜けなかったのはおかしい……そうか、父上は僕を1人前にするために僕を追放したんだ。これは試練なんだ!」 こうしてメルキスの勘違い領地経営が始まった。 一方、ロードベルグ伯爵家では「伯爵家が王家に気に入られていたのは、第四王女がメルキスに惚れていたから」という衝撃の事実が明らかになる。 「メルキスを連れ戻せなければ取りつぶす」と宣告された伯爵家は、メルキスの村を潰してメルキスを連れ戻そうと、様々な魔法を扱う刺客や超強力なモンスターを送り込む。 だが、「これも父上からの試練なんだな」と勘違いしたメルキスは片っ端から刺客を返り討ちにし、魔法をコピー。そして、その力で村をさらに発展させていくのだった。 こうしてロードベルグ伯爵家は破滅の道を、メルキスは栄光の道を歩んでいく……。 ※この作品は他サイト様でも掲載しております
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