《たった一つの願いを葉えるために》聖地

「これは…」

「うわ〜」

「すごい」

そこに広がっていたのは、に反して煌めく澄んだ泉。雪のような真っ白な花が一面に咲いていた。この場所だけ、春をじさせるような穏やかな風が吹いていて、魔力も満ちており、聖域という言葉がふさわしかった。

「こんなに綺麗な景、初めて見ました!」

「俺もないな」

「私もないです」

〈今まで誰にも見つからなかった場所だと思われます。ですので、稀な素材があると思います〉

(そいうことか。ありがとう、ナビ)

〈いえ、ですが取りすぎないでくださいね〉

(ああ、わかってる)

「噓!ミッシェル、あれってもしかして霊の涙じゃない?」

「え!あ!本當ですねお嬢様。あれは間違いなく霊の涙ですよ」

「すごい!すごい!霊の涙なんて初めて見ました」

(ナビ、霊の涙って何?)

霊の涙とは、エリクサーと呼ばれる神薬の素材の1つで、すごく稀なんです〉

〈ですが、今ではエリクサーの製作技は失われ、今のこの世界最高の錬金師でも最上級ポーションをつくので一杯なんです。エリクサーは、ごくごく稀にダンジョンで発見されたことがありますが、そのほとんどが國で買い取られて國寶となっています〉

(エリクサーってどのくらいの効果があるの?)

〈効果は、無くなった欠損部位に振りかけると再生できます。飲めば大抵の病気や呪い、狀態異常を回復できます。ただ、霊級以上の呪いを解くことはできません〉

(…それだけ?)

〈確かにマスターは、チート級の化けでなんでも出來ますが、この世界の人たちにとっては十分過ぎるのですよ?〉

(いや、間違ってないが化けって…)

〈化けではないですか。なんですか魔力無限って頭おかしいですよね。いい加減、人間って偽るのやめたらどうですか〉

(気にしてるんだから、これ以上傷を抉らないでくれ!)

〈そんなことより〉

(そんなことなら、なぜディスってきた!)

〈うるさいです、マスター。もちろんマスターの能力ならエリクサーを作ることができますし、そもそも創造のスキルで素材を必要とすることなく創ることが出來ます〉

(確かに化けだった!)

◇◇◇◇

〈先の話と全く関係のないわけじゃないのですが、セーフティゾーンとは、全てがというわけではないんですが、聖域とも呼ばれている場所があります。今回の場所は、まず間違い無く聖域でしょう。そして聖域はある種が棲まう土地でもあります〉

(ある種?)

〈はい。ある種とは神聖種です。霊や聖獣、神獣が棲まう土地です。そしてここは恐らく…マスター、來ました〉

「そのようだな」

アリスとミッシェルの2人で興しながら結晶を眺めてるし離れたところでナビの解説に意識を向けていると、突然、泉の上で景が歪んだ。

どうやら2人は気づいていないようだ。

〈空間の歪みは空間に関するスキルを所持していないと、まず知することは難しいだろう〉

そして、空間が歪んでいた場所に小さなが開いた。そのは、徐々に開いていき、30cmくらいの大きさまで大きくなった。大きくなったからしして、4の小さな生きが現れた。

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