《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》勧のお斷りを続けて
「貴方が私の新機関所屬の冒険者1號になるのです!」
どーんと指をベルトに指し、キメ顔でマリアは言った。
「すまんが、それは無理だ」
「……え?」
斷られると思っていなかったのだろう。
マリアは呆然したかと思うと、クシャクシャと泣き出しそうな顔になった。
ついさっきまでの凜とした面影はない。
「いや、待て! 泣くな。俺にも理由があるんだ。これを見てくれ」
ベルトは元に手をれ、ペンダントを見せた。
いや、正確には紛失しないようにペンダントに加工した冒険者ライセンスだ。
「な、泣いてなんかいません。それより、これがどうしたと言うのです? ただのライセンス……え?」
冒険者ライセンスとは、冒険者ギルドは発行している冒険者である事の証明書だ。
そこに氏名はもちろん、様々な報が書かれている。
もちろん、冒険者としてのランクも書かれていた。
「SSSランク? そんな……このSSSランクとして認められているのは世界で5人だけ……」
「そうだ。俺は勇者の……」
「貴方が、勇者カムイさまなのですね!」
「……え?」
「お會いできて栄ですわ。でも、話に聞いていたよりも……その……老けてますね」
余計なお世話だ。ベルトは、心の中で悪態をつきながら否定した。
「いや、違う。俺はカムイ本人じゃない。勇者のパーティの……」
「なるほど、アルデバランさまですね。それなら、イメージにぴったりですわ」
「お前、俺が『超前衛戦士』みたいな肩書きを持っているように見えるのか?」
「あら、違うのですか? 殘りはシン・シンラ……いえ、マシロさま」
「あんた、わざとやってるだろ?」
「酷いですわ。私がベルトさんをからかうなんて……」
「やっぱり、俺の名前を知ってるじゃないか!」
「えぇ、先ほどご自で名乗っていましたから」
「……」
「そう言えばそうだったな」とベルトは片手で頭を抱えた。
「でも何が問題なのですか? SSSランク冒険者が冒険者ギルドを離れ、新機関にったとなれば世界はしばかり混するでしょうが、それだけの問題でしょ? むしろ、それを聞いて私はますます勧したくなったのですが?」
「目的のためなら世界の混すら構わない……か。貴族さまの特権意識ってやつか。でもなぁ――――」
ベルトは震える右手を見せた。
「それは――――」と流石のマリアも絶句する。
「戦爭の後癥さ。今の俺にSSSランクに見合う実力はない」
「そんな……だって先ほどの戦いでは……」
「オーク程度ならまだ勝てるさ。でも、制限時間がある。全力で戦えるのは10分くらいだ。……いや、それも徐々に短くなっている」
「……」とマリアは黙り込む。
世界で5人だけのSSSランク冒険者。その1人が引退間際まで弱化しているという事実。
それが広がれば世界のパワーバランスすら崩しかねないほどの報だ。
大人びたであれ、知るには重過ぎるほどの……
「では顧問ではどうしょう?」
「ん? なんの話だ?」
「新機関の顧問ですよ。戦闘訓練などの指導者を……月に2回ほどの契約でSランク冒険者の年収2倍ほどで……」
その條件には心が揺さぶられた。
でも、やっぱり斷った。
馬車の修理が終わると、臨時の護衛という形で近くの町まで乗せてもらえる事になった。
その間、マリアから勧は続いたのだが、のらりくらりと避けながら……
「ついに町についてしまいましたわ」
マリアは見て気の毒になるほど、肩を落としていた。
「ベ、ベルトさまは、この町に暫くは滯在されるのでしょうか?」
「ん? いや、実は俺の生家が近くなんだ。そこでゆっくりしてから、再就職を……ってなんだ? その顔は?」
「いえいえ、まだ私にもチャンスがあるとわかったので安心しました。これからもよろしくお願いします」
「これから? よろしくお願いします?」
「えぇ、ずっと話していた新機関。ここに設立予定地なのです」
「……ということは?」
「はい、これからもよろしくお願いしますね?」
マリアは何かを確認するかのように語尾へ疑問符をつけた。
どうやら、頻繁に俺を訪ねてくるつもりらしい。
【書籍化・コミカライズ】誰にも愛されなかった醜穢令嬢が幸せになるまで〜嫁ぎ先は暴虐公爵と聞いていたのですが、実は優しく誠実なお方で気がつくと溺愛されていました〜【二章完】
『醜穢令嬢』『傍若無人の人でなし』『ハグル家の疫病神』『骨』──それらは、伯爵家の娘であるアメリアへの蔑稱だ。 その名の通り、アメリアの容姿は目を覆うものがあった。 骨まで見えそうなほど痩せ細った體軀に、不健康な肌色、ドレスは薄汚れている。 義母と腹違いの妹に虐げられ、食事もロクに與えられず、離れに隔離され続けたためだ。 陞爵を目指すハグル家にとって、侍女との不貞によって生まれたアメリアはお荷物でしかなかった。 誰からも愛されず必要とされず、あとは朽ち果てるだけの日々。 今日も一日一回の貧相な食事の足しになればと、庭園の雑草を採取していたある日、アメリアに婚約の話が舞い込む。 お相手は、社交會で『暴虐公爵』と悪名高いローガン公爵。 「この結婚に愛はない」と、當初はドライに接してくるローガンだったが……。 「なんだそのボロボロのドレスは。この金で新しいドレスを買え」「なぜ一食しか食べようとしない。しっかりと三食摂れ」 蓋を開けてみれば、ローガンはちょっぴり口は悪いものの根は優しく誠実な貴公子だった。 幸薄くも健気で前向きなアメリアを、ローガンは無自覚に溺愛していく。 そんな中ローガンは、絶望的な人生の中で培ったアメリアの”ある能力”にも気づき……。 「ハグル家はこんな逸材を押し込めていたのか……國家レベルの損失だ……」「あの……旦那様?」 一方アメリアがいなくなった実家では、ひたひたと崩壊の足音が近づいていて──。 これは、愛されなかった令嬢がちょっぴり言葉はきついけれど優しい公爵に不器用ながらも溺愛され、無自覚に持っていた能力を認められ、幸せになっていく話。 ※書籍化・コミカライズ決定致しました。皆様本當にありがとうございます。 ※ほっこり度&糖分度高めですが、ざまぁ要素もあります。 ※カクヨム、アルファポリス、ノベルアップにも掲載中。 6/3 第一章完結しました。 6/3-6/4日間総合1位 6/3- 6/12 週間総合1位 6/20-7/8 月間総合1位
8 88朝起きたら、幼馴染が悪魔に取り憑かれていた件
ごくごく普通な學園生活を送る、 高校1年生、西田 徳馬は 一つだけ誇れる自慢があった。 それは、成績優秀、運動神経抜群、 容姿端麗な宮園 愛花の幼馴染だということ。 いつものように愛花の家のインターホン を押し、愛花の可愛らしい聲で 1日がスタート。ーのはずだったが⁉︎ ☆不定期更新m(._.)m☆ ☆率直なコメントお待ちしております ☆1話1話が短めです(((o(*゚▽゚*)o)))
8 111クラス転移で俺だけずば抜けチート!?
毎日學校でも家でもいじめを受けていた主人公柊 竜斗。今日もまたいじめを受けそうになった瞬間、眩い光に教室中を覆い、気付いたら神と呼ばれる人の前に経っていた。そして、異世界へと転移される。その異世界には、クラスメイトたちもいたがステータスを見ると俺だけチートすぎたステータスだった!? カクヨムで「許嫁が幼女とかさすがに無理があります」を投稿しています。是非見てみてください!
8 53転生王子は何をする?
女性に全く縁がなく、とある趣味をこじらせた主人公。そんな彼は転生し、いったい何を成すのだろうか? ただ今連載中の、『外れスキルのお陰で最強へ 〜戦闘スキル皆無!?どうやって魔王を倒せと!?〜』も併せて、よろしくお願いします。
8 128天下界の無信仰者(イレギュラー)
三體の神が神理(しんり)と呼ばれる法則を作り出した世界、天下界(てんげかい)。そこで人々は三つの神理のいずれかを信仰していた。 そんな神が支配する天下界で、唯一の無信仰者である神愛(かみあ)は生きていた。友達もおらず家族にも見捨てられた神愛。 しかしそんな彼へ少女ミルフィアが現れた。輪廻する運命によって二人は出會い新たな戦いが始まる。 これは新たな神話。 神の秩序を揺るがすイレギュラー、ここに開幕! 神律學園編 入學生としてやってきた無信仰者の宮司神愛。しかしそこは信仰者ばかりの學園だった。クラスメイトからの冷たい対応に孤立する神愛。そんな神愛には唯一の味方であるミルフィアがおり彼女だけが心の支えだった。しかし彼女は奴隷であろうと頑なに譲らない。彼女と友達になろうと神愛は行動するがそれには信仰者である恵瑠や天和、加豪の協力が必要だった。果たして神愛はミルフィアと友達になれるのか? そしてミルフィアの正體とは一體なんなのか? 神律學園編ではキャラクター関係や世界観、設定などを明かしていきます。 慈愛連立編 突然神律學園が襲撃を受ける。それは恵瑠を狙ったゴルゴダ共和國の正規軍だった。なぜ恵瑠が狙われるのか。そして恵瑠に隠された真実とは? 神愛は友を守るために戦う。そこには二千年前から続く天羽(てんは)の悲願と六十年前ある約束をした一人の男の思いがあった。慈愛連立編ではサブヒロインである恵瑠にスポットを當て物語が展開していきます。また作品の歴史を掘り下げキャラクターや物語に厚みを持たせていきます。 またコメントやいいねもぜひぜひお願いします。作者のモチベーションにも繋がりますし數が多いと見栄えがよくなり他の読者にも見てもらえるようになります。「コメントを書くのはちょっとな〜」ていう人はいいねだけでもいいのでぜひ押していってください。
8 102デザイア・オーダー ―生存率1%の戦場―
「キミたちに與える指示は一つだけ。――ボクに従え」機械都市。誰かが初めにそう呼んだ。世界中に突如出現した機械生物【ドレッドメタル】は人類の主要都市を奪い、鋼鉄で構成された巨大建造物『機械都市』へと変貌させた。脅威的な機械生物と戦うために編成された、機械都市攻撃派遣部隊に所屬する小隊指揮長「亜崎陽一」は、特殊な能力を持つ『覚醒者』の少女「緋神ユズハ」と出會い、機械都市東京の奪還を目指していく。超大規模なエネルギー兵器群、超常的な力を行使する覚醒者たち、最先端の裝備を駆使して戦う一般兵。ーーようこそ、絶望に染まった戦場へ
8 123