《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》討伐依頼とイレギュラー

瞳を強く瞑り、集中力を高めていくメイル。

杖を槍のように構えている。

やがて――――

ざわざわと森の茂みから緑の影が飛び出してきた。

「はい!」

裂帛の気合を乗せ、共に杖を目標に向けて打つ。

鋭い踏み込み。それにより放たれた杖の先は、対象のの中心を的確に捉えた。

の影の正はゴブリン。

グリーンゴブリンと言われる種類であり、今回の討伐系クエストの対象だ。

メイルの杖は、その細腕に関わらず強烈なもの。ゴブリンを一撃で絶命させていた。

それを見ていたベルトも「むっ……教會の戦闘法か。筋が良い」と賛辭を送る。

「はい、い頃から杖だけは叩き込まれていました」

メイルは顔にパッと花を咲かせて喜んだ。

「今ので10匹目。依頼は30匹討伐だな……もうし、森の奧へ進もう」

そう言い、歩き始めたベルトの橫に「はい」と返事をしたメイルが並んだ。

暫く、襲い來るゴブリンを撃退しながら進むと――――

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「奇妙だな」とベルトは足を止めて呟いた。

「どうかされましたか? お兄さん?」

「今回の依頼は、この森でゴブリンたちの発生率が増えたためだと考えていたのだが……」

「違うのですか?」とメイルはキョトンとした表を見せる。

「ゴブリンの特徴は小柄な、悪賢さ、何よりも統率だ」

「統率? ですか?」

「あぁ、ゴブリンは種族同士で徒黨を組む。特にグリーンゴブリンは、その傾向が強いはずなんだ」

今も、また茂みからゴブリンが無防備に飛び出してきたのをメイルが杖で倒した。

「……また1匹だけですね。それに妙に無警戒といいますか……」

「まるで何かから逃げているみたいだな。一度、町に戻ろう」

そうベルトが黍を返した瞬間だった。

「誰か! 助けてくれ!」

男の聲が聞こえてきた。

それに反応したメイルは、すぐにでも駆け出そうとする。

しかし、ベルトは「待て」と制止させた。

「え? どうしてですか?」

「ここから先は何があるかわからない。俺が先行していくからメイルは警戒を強めて慎重に進め」

≪気配知≫のスキルを発して五を拡張する。

勇者パーティで斥候役だったベルト。 そのベルトの技は世界でも1位2位を爭うレベルだ。

自分が先行してなお、後衛であるメイルの周辺狀態も把握可能な距離。

その確認を行うとベルトは駆け出した。

直ぐに≪気配知≫に反応が起きる。

助けを求めた男の気配だろう。そして、その近場には大きな気配をじる。

「この森の主ボス級モンスターが出現したのか? 道理でゴブリンが森の外へ逃げ出しているわけだ」

やがて、男の姿が見えてくる。

男は冒険者だった。 しかし、冒険者としてはトウが立っている。

いや、俺も言えた義理じゃないな……と、ベルトは苦笑した。

おそらくは……

一線を退いた元Bランク冒険者辺り。お小遣い稼ぎに初心者向け依頼をけて主を遭遇したと言ったじか?

「大丈夫か?」

「おぉ、同業者か? 助かった。おたくのランクは?」

「俺もアンタと同じロートルさ。復帰前のランクなんて、あってないも同じさ」

無事が確認できたこそ、ベルトの軽口だった。

だが男は「……」と沈んだ表。 それですぐに察する。

「仲間がいるのか?」とベルト。

男は頷いた。

「あぁ息子だ。主を見て混しちまって、はぐれちまった」

「……そうかわかった。必ず見つけて連れて帰る」

「頼む! アイツ、初めての依頼だったんだ。 こんなどうしようもねぇ父親みたいになりたいっていうから……」

「大丈夫だ。俺が必ず助けてやる。……ここだけのだが、俺はSSSランク冒険者だ。信じていいぞ」

そう言うと呆ける男を置いて、主の元へ――――

一瞬で唐突した。

それは赤い巨だった。

森の緑に包まれた空間に文字通りの異の赤。

それはを隠さす必要がないという強者の証。

――――レッドトロール―――

その腕には武がある。人間が有す武とは大きく違う。

そこら辺の木を抜き取ったものを片手で持っている。

自然武ナチュアルウェポン

上位のモンスターだけが持つ能力。

自然の木々や鉱にモンスター自が自然と発する魔力が流れ込み、保有するモンスターに填る形狀に変化した。 驚くべき、頑丈さや破壊力をめたが多い。

そこから漂ってくる異臭はの匂い。

「良かった。人のの臭いはしていない。あの男の息子は無事だ」

≪気配知≫でも周辺に人間の反応があることは分かっていた。

しかし、それが男の息子だという保障はなかった。

≪気配知≫でもまでは知できない。

「さて、とりあえず……危険は排除しておくか」

レッドトロールの前にベルトは姿を現した。

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