《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》幕間①しだけ奇妙な甘味処

『甘味処』 

黒い墨で書かれた看板の文字は達筆だった。 

東洋的( オリエンタル)な看板とは裏腹に外観はログハウス。 

ある種、無骨で大膽に積み上げられた丸太の建築。   

その周辺に広がる庭は簡素であれ、自然を連想させる。 

  メイルはなんとなく―――― 

「なにやらエルフが好みそうなお店ですね」

そう口にした。

しかし、 そんな風とは無関心なのか? 「良いからりましょう!」と既にマリアとノエルはドアの前に立っていた。

 「ま、待ってください」とパタパタと足音を立て、メイルに店した2人を 追いかけた。

には、焼いたばかりのパンのような香り。若干、異なるのは、香りに甘味のようなものが混じっているからだろうか?

 

「ちょっと、 これ…… ほ、 本 かしら?」

珍しく、揺を含むマリアの聲。何事 だろうか?と2人は視線を移 してみれば―――― 

『バジリスクの卵(生みたて!)』

『コカトリスの卵( 新鮮おススメ!)』 

『蛇神ナーガラージャの卵(ちょっと贅沢に!)』 

『レットドラゴンの卵(普段とは違う刺激を!)』 

 レジの前に様々な卵が陳列されている。 しかし、どれも モンスターの卵…… それも、普段は中々、出會う事すら困難な種類。

 それが店員の手書きPOPで簡単なメッセージが付け加えられ、希価値に対して、妙に軽薄な印象を與えている。 

 普通に考えたら店主の悪ふざけ。 しかし、この店に慣れたじでベルトが足を踏みれたの見ると…… 

「普通の店…… じゃないみたいね」 

マリアの呟きにメイルとノエルは「ウンウン」と首を縦に振って同意した。

 

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

 店を見渡せば……いた。

ベルトとシルフィドは窓際の席。   メイルたちは2人の死角になるよう離れた席を選択する。  ベルトたちは既に注文を済ませたらしく、なにやら談笑をしている。   

流石にその容まで3人の耳まで屆かない。 

「席の選択を間違えたかもしれませんね」とノエル。

「どうします? もうし近づきますか?」とメイルが提案している最中に店員が注文を取りに來 た。そのため席替えのタイミングを逃してしまう事になる。 

「いらっしゃいませ。 こちらが メニュー になります」   

チョコレートパフェにストロベリーパフェ。 カスタードプディングにシュークリーム。 

東洋的な看板からは連想できないメニューが並ぶ。

しかし、レジ前に置かれたモンスターの卵が使 われているかと思うと、 どれも選ぶのに躊躇がある。   

それを、どうじたのか、店員は――――

「本日のおススメはパンケーキになります」と弾けるような笑顔をみせた。

「―――― そうね。それじゃ、そのパンケーキをお願いするわ」 

 マリアの一言にメイルもノエルも続いた。 

「私もそれを……」

「私も……」

「はい、パンケーキが3つですね。それでは々お待ちください」 

それから、暫くするとテーブルに3つのパンケーキが運ばれてきた。

 想像よりもしだけ大きめのパンケーキ。他には……見た目には、おかしな所はない。 

「それでは、食べる前にコチラのシロップをお使いください」

 コトッとシロップがった容がテーブルに置かれ、店員は店の奧へ戻っていった。

 3人は互いに目を配らせ―――― 

「そ、それはいただきましょうか?」 

「はい、いただきます」 

 しだけ簡易化された食事の祈りをメイルが済ませるのを待ち、3人はパンケーキを口に運んだ。

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