《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》幕間①屋上での攻防劇
使い慣れた屋の逃走ルート。
スキルによって強化された歩行。
獣人獨特の野生を殘した能力。
だが、それらを兼ねそろえてもまだ、ベルトの方が速い。
――――そのはずだった。
しかし、両者の差は埋まらない。
それどころか、徐々に広がりつつある。
理由は単純。先ほどベルトがけた腹筋への強打だ。
その一撃が呼吸をし、ベルトからスタミナを激しく消費させている。
「このままなら……逃げ切れるにゃ」
逃走劇の末、張り詰めた張の中で不意に笑みをこぼした獣人。
しかし――――
「待ちなさい!」
凜とした聲が響いた。
獣人は「こ、ここに來て、新しい追跡者かにぁ?」と聲の主を直視する。
すると、そこにあり得ないものを見た。
馬である。
真っ直ぐ走ることなどめる要素もない屋伝いの凹凸高速バトル。
そこに白馬に乗ったが背後から近づいてきたのだ。
「にゃ……にゃあああ!?」と恐怖の悲鳴をあげて加速する獣人。
しかし、白馬は――――
いや、白馬に騎乗しているシルフィドも負けてはいない。
もはや、馬と言うよりも山巖を駆け上がっていくガゼルのようなき。
その見事な手綱さばき……
見る者が見れば、シルフィドが持つ特殊な≪騎乗スキル≫と白馬自が有している≪スキル≫に気づくだろう。
だが、追われる獣人にしてみたら恐怖の対象でしかない。
壁の側面に張り付く壁走りも、重力に逆らって垂直の壁を駆け昇っても――――
背後には白馬がいる。
「あれ、幻獣とか、そういう類の生きじゃにゃいのか……」
獣人の心が折れていく。
彼とて無盡蔵のスタミナがあるわけではない。
白馬に追われる揺からか、呼吸のれも普段より激しい。
(も、もうだめにゃ……このままお縄に…)
彼は観念した。 そのまま足を止める
常習犯とはいえ、犯罪が立証できるのは今回の現行犯のみ……
2、3日、牢にれられ、それからお金を払って……
しかし、その時、脳裏に人影がよぎる。
それが折れかけた彼の心を――――勇気を振り絞らせる。
「ここで……アタイが捕まったら、誰が……」
立ち止まった彼にシルフィドは馬の速度を落として……
「アタイは……」
「?」
「アタイは……獣人は屈しないにゃ!」
獣人の手には砂。
それを目潰しとしてシルフィドに叩き込む。
「なっ! 卑怯な!」
予測外の反撃。シルフィドは視界が閉ざされた。
両目に涙を流しながらも瞳を開く。
すると、飛翔してくるがあった。
屋瓦。
獣人が瓦を強引に剝がし投擲したのだ。
シルフィドは反的に剣を抜こうとする。だが――――
「しまった!」
その腰に剣はない。ドレス姿に合わせて、武裝は解いていた。
迫り來る瓦、もはや回避は間に合わぬ。
シルフィドが手にしたのは肩に紐をかけていた小れハンドバック。
長年、嵐の豪雨に耐えるように作られた瓦。
それに対抗するには、小れの耐久力では比べにならない。
(軌道をずらし、直撃さえしなければ……)
そう思っての、咄嗟の行。
しかし、分厚い瓦をなぎ払った瞬間、小れからするはずのない甲高い金屬音が鳴り響いた。
「なっ!」と目を見開いて驚くシルフィド。
「にゃ!」と確信めいた攻撃を防がれた獣人も同じように驚く。
シルフィドは、ゆっくりと視線を獣人から外し、小れの中を確かめる。
部にはベルトから送られたプレゼント。
投擲用のナイフがっていた。 それがシルフィドを救ったのだった。
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