《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》幕間①逃走の果て 捕縛
「なぜお前がここにいるにゃ!」
導された? あの白馬の追跡は囮?
混。
それも一瞬のみ。すぐに冷靜さを取り戻す。
(まだにゃ、逃げれるにゃ!)
そう思い、獣人はベルトの姿に視線を――――
しかし、獣人は直する。
ベルトはナイフの腹を獣人に向けている。
そして、獣人の背後には太が昇っている。
新品のナイフは日を反して――――眩いが獣人の目を襲う。
――――その瞬間だった。
≪瞬剎駆≫
ベルトがスキルを使用した聲が聞こえた。
野生の第六、後頭部に悪寒が走る。
今度はかわせない。
地面に無理やり伏せられ、を捕縛される。
「にゃ、にゃにをするにゃ! このスケベ! 放せ、放すにゃ!」
それでもなお暴れようとする獣人だったが、彼ができることは首を左右に振ることだけだった。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「この場合はどうするのですか?」
荷を奪われていたを介護していたメイルたちが合流した。
獣人はロープで両手を縛られ、観念したかのように大人しくなっている。
「そうだな。國直轄の憲兵に差し出して、しかるべき処置を……ってのが本來だが……」
ベルトは獣人の顔を見つめた。
「お前、冒険者だろ? それなのに、どうして泥棒業に手を染めた?」
それがベルトには不思議だった。
 なくとも、SSSランクの自分に匹敵する能力。
本職は、おそらく斥候か野伏。
真面目に冒険者ギルドで仕事を請け負えば、決して安からぬ報酬が得られるだろう。
しかし、意外にも獣人の答えは――――
「そんなの簡単な事にゃ。単純に冒険者じゃ食べていけないからにゃ」
そんなはずはないだろう。そう言いかけたベルトの反論を獣人は遮った。
「お前がどれくらいのランクかは知らないにゃ。にゃけども、冒険者ギルドが優遇するのは上位だけにゃ。たまに現れるドラゴン退治にとんでもない懸賞金。華々しい冒険譚のその裏でアタイらみたいな中堅にゃ、そのしわ寄せが來るのにゃ」
「……その話を詳しく」
「知らないのかにゃ? ギルドは上位ランクには危険で地味な仕事を回さないのにゃ」
ベルトは眉を顰めた。
本來なら上位ランクにこそ地味でも危険な仕事を回すべき。
それは當たり前の事のはず……しかし、目の前の獣人は違うと言う。
「どうも、自分たちで作り上げた偶像の英雄様はつまらない依頼で死んでほしくないみたいにゃ。だからアタイ等に無茶をさせて適以上の仕事を押し付ける。正直に言う。アタイは死にたくないにゃ!」
その瞳には涙が混じっていた。
「アタイにだって……守るべき家族が……兄弟がいるんだにゃ……ランクを上げようにも……ギルドへの上納金は年々高くなって……ついには手が……手が出せない金額になってるにゃ!」
「――――ッ」とベルトにも迷いが生じる。
「それでも犯罪は許されない」と正論で毆る事もできる。
「それでも努力すればいつかは報われる」と有りもしない希を植えつける事もできる。
しかし、それは無意味だ。
もしも、彼を救える者がいるのならば、それは彼と同じ憤怒を持つ者。
そして、その資格を持つ者はこの場に1人だけいる。
「ねぇ……貴方」とベルトと獣人の間にってきた人。
その人こそ、冒険者ギルドは破壊しようと企んでいる。
マリア・フランチャイズ
その人だった。
【書籍化・コミカライズ】小國の侯爵令嬢は敵國にて覚醒する
豊かな小國サンルアン王國の宰相の娘にして侯爵令嬢のベルティーヌ。 二週間後の結婚を控えていた幸せなある日、自國が直接関わってはいない戦爭の賠償金の一部として戦勝國に嫁ぐことになってしまう。 絶望と諦めを抱えて戦勝國へと嫁ぐ旅を経て到著したベルティーヌは、生まれてこの方経験したことのない扱いを受ける。 「私はなんのために生まれてきたのか」と放心するが「もう誰も私をこれ以上傷つけることができないくらい力をつけて強くなってやる」と思い直す。 おっとりと優雅に生きてきた侯爵令嬢は敵國で強く生まれ変わり、周囲を巻き込んで力をつけていく。 □ □ □ 小國令嬢の累計アクセス數が2022年3月12日に1千萬を超えました。 お読みいただいた皆様、ありがとうございます。
8 179【書籍化】斷頭臺に消えた伝説の悪女、二度目の人生ではガリ勉地味眼鏡になって平穏を望む【コミカライズ】
☆8/2書籍が発売されました。8/4コミカライズ連載開始。詳細は活動報告にて☆ 王妃レティシアは斷頭臺にて処刑された。 戀人に夢中の夫を振り向かせるために様々な悪事を働いて、結果として國民に最低の悪女だと謗られる存在になったから。 夫には疎まれて、國民には恨まれて、みんな私のことなんて大嫌いなのね。 ああ、なんて愚かなことをしたのかしら。お父様お母様、ごめんなさい。 しかし死んだと思ったはずが何故か時を遡り、二度目の人生が始まった。 「今度の人生では戀なんてしない。ガリ勉地味眼鏡になって平穏に生きていく!」 一度目の時は遊び呆けていた學園生活も今生では勉強に費やすことに。一學年上に元夫のアグスティン王太子がいるけどもう全く気にしない。 そんなある日のこと、レティシアはとある男子生徒との出會いを果たす。 彼の名はカミロ・セルバンテス。のちに竜騎士となる予定の學園のスーパースターだ。 前世では仲が良かったけれど、今度の人生では底辺女と人気者。當然関わりなんてあるはずがない。 それなのに色々あって彼に魔法を教わることになったのだが、練習の最中に眼鏡がずれて素顔を見られてしまう。 そして何故か始まる怒濤の溺愛!囲い込み! え?私の素顔を見て一度目の人生の記憶を取り戻した? 「ずっと好きだった」って……本気なの⁉︎
8 136異世界転生で神話級の職業!死の神のチート能力で転生
冴えない男子生徒である今村優がいるクラスがまるごと異世界転生に!?異世界職業で主人公が選ばれたのは規格外な神話級職業!
8 120最弱の村人である僕のステータスに裏の項目が存在した件。
村人とは人族の中でも最も弱い職業である。 成長に阻害効果がかかり、スキルも少ない。 どれだけ努力しても報われることはない不遇な存在。 これはそんな村人のレンが――― 「裏職業ってなんだよ……」 謎の裏項目を見つけてしまうお話。
8 109不良の俺、異世界で召喚獣になる
あるところに『鬼神』と呼ばれる最強の不良がいた。 拳を振るえば暴風が吹き荒れ、地面を踏めば亀裂が走る……そんなイカれた體質の不良が。 その者の名は『百鬼(なきり) 兇牙(きょうが)』。 そんな兇牙は、ある日『異世界』へと召喚される。 目が覚め、目の前にいたのは――― 「……あなたが伝説の『反逆霊鬼』?」 「あァ?」 兇牙を召喚した『召喚士 リリアナ』と出會い、彼の運命は加速していく―――
8 57S級冒険者パーティから追放された幸運な僕、女神と出會い最強になる 〜勇者である妹より先に魔王討伐を目指す〜
ノベルバのランキング最高10位! 『ラック』というS級幸運の能力値を持った青年ネロは突如、自分のことしか考えていない最強のS級パーティ『漆黒の翼』からの戦力外通報を告げられ、叩き出されてしまう。 そんなネロは偶然にも腹を空かした赤髪の女神(幼女)と出會う。彼女を助けたことによりお禮に能力値を底上げされる。『女神の加護』と『幸運値最強』のネロは授けられた贈り物、女神とともに最強を目指す旅へとーー!! 勇者の妹より先に「魔王」の首を狙うハイファンタジー。 ※第2章辺りから急展開です。
8 177