《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》儀式の終著

――― タンッ――― 

カウントが0になると同時にベルトは踏み込んだ。

たった數歩でベルトはトップスピードまで達 する。

さらに歩行のスキル  ≪ 瞬剎駆 ≫ の 発。 

 観客の眼からベルトの姿は大きくブレて―――― 姿を消した。

  観客の一瞬だけ反応が遅れ、

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ ッッッ!?!?」 

理解と同時に歓聲をあげた。 

別にベルトは「本気を出さない」と意味の発言をしたのはブラフだったわけではない。

最初から計畫通り……

ダンジョンの隅から隅まで短時間で調査するため、「 本気で勝つつもりはない」という意味であり、ダンジョンを高速で駆け抜けるのは最初から決めていた事だ。

 さらに加えれれば―――― 

ベルトは勇者パーティの斥候を専門としていた男だ。 

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およそ、人類でベルト以上にダンジョン攻略に長けた者など…… 存在しない。 

(足音の変化?  空…… 落としの數3つ)

(臭い…… 油だ。 駆音が複數。矢だな)

(隠 し 部屋 は 5 つ。  中 には……ダミーの寶2つに 本3つ。 今 は 無視) 

ただ、走り抜けているだけ。  ただ、それだけの事で、ダンジョンの狀態を把握。 正確無比な きでトラップの全てを回避 していく。 

久々になる全力でのダンジョン攻略。  ――――不意にベルトは、勇者パーティで誰かに聞かれた事を思い出 した。

 「どうして、ベルトは隠れた部屋や罠がわかるの?」

  マシロ姫だったか、 シンラだったか、ベルトは思い出せない。   

もしかしたら低確率でアルデバランだったかもしれない。 それに対してベルトの答えは―――― 

「聴覚、嗅覚 味覚」 

そう答えて 酷い顰蹙(ひんしゅく)をかった。 

しかし、ベルト本人にしてみたら、それは事実であり、そうとしか説明できなかった。

僅かに聞こえる機械式罠の起音。 

 それをかすため、あるいは錆びさせないための油の臭い。 さらに大気に撒き散らされた油と冒険者のがベルトの舌を刺激する。

これはベルト本人にも分からない事だが、空気の流れすら把握する皮覚―――― 

つまり、での反応もダンジョン把握能力に一役買っている。

もっとも、隠し部屋の有無は、事前に調べたダンジョンの面積の確認と実地調査の誤差から當たりをつけるという人知れず努力もしている。

だが…… それは今は関係ないことだ。 

「やはり、モンスターの気配はない。魔王軍が隠れているとしたら……最下層か」

ベルトは1階層にいながらも、ダンジョンの奧深くまで把握した。

ただ、特別に分厚い床に覆われて、部がわからない最下層を除いてだ。

ベルトは、更なる加速を行った。  真っ直ぐ、最下層に向って最短距離で最高速でのダンジョン攻略を開始する。 

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

――― 最下層――― 

その階段を降りた時點でベルトは走り続けていた足を止めた。 

先にレオンが著いているはずだ。  道中、いくつか短ショートカットできるようになっていた。 

1階層から最下層まで一気に降りれる仕掛けにも気づいていた。 

そうでないと、いくら儀式とは言え、最上位の闘技者に、それも試合直前でダンジョン攻略をさせないだろう。 ベルトは用心深く、前に出る。  ダンジョン最下層には即死レベルで危険な罠は、ほぼほぼ存在していない。 それを確認してから、最下層の、さらに奧底にあるゴール地點。

 その扉に向って駆けて行く。 

しかし 奇妙な事 がある。

 

……先に待っているであろうレオンの気配がない。 だが、明らかに誰かが先行している痕跡が殘っている。

なぜだ?  レオン以外の人間がいる? 

いや、埃を踏み抜いた足跡は……レオンのものだ。 

ならば、なぜ? ベルトの第六が警戒音を脳に響 かせる。 

そして、終著點の扉が見えてくる。  扉は…… すでに開いている。 

誰がいる?   

ベルトは中にらず、外から様子を窺 った。 

すると――――   

レオンが死んでいた。

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