《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》致命的な一撃

「いえ、そんな必要はないですね。なぜなら、レオンよりも先に貴方が死ぬのだから!」

諸手突き――――ラインハルトは両手から兇爪を突きばしてく。

ベルトはバックステップで躱す。

さらに追うラインハルト。右足を踏み出すと同時に右腕を上から振り下ろす。

しかし、ベルトの速度の方が速い。

「ならば……」とラインハルトは左足を踏み出すと右足を蹴り上げた。

  その足にも禍々しい爪が生えている。そして、下がるベルトよりも疾い蹴りだ。

だが、ベルトは下がらなかった。

足を止め――――否。

むしろ前進。

迫り來る蹴りを掌底で橫から弾くと――――

ラインハルトの顔面にフルスイングで拳を叩き込んだ。

その威力はラインハルトを地面に叩き付けた。

地面に叩きつけられた球ボールを連想するように、フワリと浮かぶラインハルトのに追い討ち。

ベルトは両手の指を組んで、1つの巨大な拳を作ると腹部へと叩き込んだ。

その強打をけてラインハルトは――――

「がはっ!?」とき聲をらす。

再び地面と衝突したラインハルトは口を大きく開いて、赤いをばら撒いた。

臓へ尋常ではない圧力がかかり、大きなダメージとなったのだろう。

そのまま倒れて痙攣をしているラインハルトに対してベルトは――――

「なぜ、お前がラインハルトの格好なんかに変裝しているのかは知らないが……お前がやった事は殺人未遂だ。大人しく憲兵の元で法の裁きをけろ」

その言葉にラインハルトは言葉を出そうとする。

だが、今だに呼吸もままならない狀態ではをばら撒くの限界だった。

それでも、それでも立ち上がり……大量の吐で地面を染めながらも――――

「私は――――俺はラインハルトだ。 魔獣將軍ラインハルト本人だ!」

それは矜持がなし得たのか。野生の雄たけびが如く咆哮。

一方のベルトは――――

「うるさい」

文字通り一蹴するかのように強烈な右上段回し蹴り(ハイキック)を叩き込んだ。

ラインハルト……本日、3度目のダウン。

これにて決著。

……そう思われた。

しかし、ラインハルトは立ち上がってきた。

ノロノロとしたきはゾンビを連想させるが、ベルトの印象も「まるでゾンビみたいにしつこいな」というものだった。

≪毒の付加ポイズン・エンチャント≫

を麻痺させる毒をで製造。ゆっくりとベルトへ向ってくるラインハルトへ――――叩き込んだ。

どんなにタフだろうが、これほどのダメージに加え、麻痺付加の一撃。

まる1日は立ってこれないだろう……そうベルトは診立て――――

「そんな攻撃が効くものか!」

ラインハルトは倒れなかった。 かつ、攻撃を仕掛けてくる。

ただ腕を振るうだけのシンプルな攻撃。 しかし、虛をつかれたベルトは咄嗟に避けられない。

「むっ!?」とギリギリでガードする。

なぜ、≪毒の付加ポインズン・エンチャント≫が効かない?

そう疑問に思ったのが隙になったのか、ラインハルトの姿を見失う。

「……見失う? 馬鹿な! 正面にいたじゃないか!」

ベルトには珍しい揺の聲。それもそのはずである。

なぜなら、ベルトはその現象を知っていたからだ。

より正確に言うならば――――ベルトは、そのスキルの使い手である。

≪暗殺遂行アサシネーション≫

ベルトの背後。

足元の影が変化して人の……いや、ラインハルトの姿へ変わる。

そして、ベルトの背後を取ったラインハルトは、続けてスキルを発させながら、腕を振るった。

そのスキルとは――――

≪致命的な一撃クリティカルストライク≫

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