《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》幕間② かつて天の使いだった者

神の使いである天使への攻撃。

それはありえない景だった。

ベルトの《毒の付加ポイズンエンチャント》をけた天使が苦しんでいる。

――――いや、のたうち回っている。

その怨嗟の聲は人の言葉でなくなり――――

「――――えsdfぐhじこpl@;」

その整った顔は崩れ、涙や鼻水、涎に耳からも謎のが零れ落ちている。

さらには象徴的な純白の羽は、地面を転がるうちに薄汚れていった。

唖然としていたシンラが正気に戻ったのは、その直後だった。

「――――ッ! ベルト! 何をして……早く解毒を……」

しかし、名を呼ばれた本人の反応は――――

「何をしてるだって? ご覧の通りだ!」

苦しみながらも地面に手をつき立ち上がろうとする天使。その手を蹴り払う。

ベルトの打撃で幽である腕は霧散。バランスを崩した天使は顔から地面に落ちた。

「……うむ。やはり、幽だと打撃の効果が薄い・・か」

ベルトが放ったのは、ただの蹴りではない。 彼のスキルである≪致命的な一撃クリティカルストライク≫ の効果によって天使の狀態がフィードバックされる。

「呆けるなよ、シンラ。もうすぐ、毒狀態から回復するぞ」

その聲に混していたシンラも反的に構えなおし、敵・に意識を集中させた。

しかし、シンラがじたのは天使の脅威的な力だった。

天使が持つ≪復元≫と言われる超回復能力はベルトの猛毒からも回復しつつあった。

「fyghじおkpl@;―――― き、き、貴様。 なんなんなん何のつもつもつもりだ???」

「何が、何のつもりだ……だよ!」とベルトの拳は天使の腹部を毆り、霧散させる。

「がッ! ただの人間如きが、俺・に手を出してどうなるかわからないのかッ!」

「おいおい、興しすぎて一人稱が変わってるぞ。それと――――」とベルトは天使に言い放った。

「もしかして、お前――――まだ、自分が天使なんて思ってるんじゃないだろうな?」

ビシッと薄氷がひび割れるような音が聞こえたような気がした。

「何を? 貴様?」

「本當に気づいていなかったのか? 陸クジラに取り付いて、どれくらい周辺の村人を殺した?」

「そ、それは陸クジラが勝手に……」

「なるほど、それで討伐にきた冒険者が殺されるのを食事をしながら楽しんでいたわけか?」

「……本當に? 俺・は……」

「あぁ、怠惰で墮落したアンタは、とっくの昔に墮ちてるんだよ」

「そうか……」と天使は……かつて、天使だった者は、肩を落として地面を見つめる。

それから――――

「昔から不思議だった。神に仕える大天使と言われる方々が、どうして墮ちてしまうのか……」

「応、それで答えは?」

「いかに大天使であろうとも、この快楽に逆らえぬからだ!」

墮天使は顔を上げた。

その瞳には爛々としたが覗いている。

「厳格なる神の法になぜ従わぬとならぬのか? それは、そうせねば―――― 天の使い手ある我がも、ひらり~ひらり~と木の葉の如く――――

ならば、それも自然の――――否。神の摂理。 俺は到った。神の領域に!」

黒い瘴気が墮天使の周囲に立ち上り、その存在は善から悪へと塗り替えていく。

だが、その前に――――

「適當に話を長引かせておいたぞ。もう頃合だろ?」

ベルトの背後から「無論だ」と聲が聞こえる。

両者の會話中、威力を増加させる詠唱を長々と唱え終わったシン・シンラが備えていた。

≪鬼神回教攻≫

そして張り詰められた弓矢の如し、彼の最大攻撃魔法は放たれた。

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