《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》幕間② 決著 墮天使戦

ベルトの蹴り。

墮天使の頭部はかき消され、は後方に倒れていった。

その景にシンラは――――

「今度こそ……やったのか?」

「……」と無言で答えるベルト。

倒れた墮天使のは、風に霧散されて……

「あぁ、どうやらこれで終わりのようだ」

「――――いや、まだ終わらぬよ!」

の粒子しか殘っていない墮天使のが、近くの巖に集まっていく。

「ベルト! 気をつけろ! あれは、あの巖は……陸クジラの死骸だ!」

巖。そう見えていたのは崩れた陸クジラの

それにの粒子が集まり――――

「あれは食事だ! あの墮天使、陸クジラを食っている!」

食事というよりも侵食。

一瞬で陸クジラの亡骸は消え去り、の粒子は人の形へ変化する。

「まだ、勝負はこれからって奴だな! ……なぁ人間?」

その形狀は、陸クジラの皮のように無骨な巖を連想させる。

背中の羽まで巖だ。

蘇った墮天使に対してベルトは――――

「いや、既に終わっているさ」

「なに?」と墮天使は眉を顰めた。

「俺たち冒険者は天使や悪魔とすら戦ってきた経験がある。お前らは自分のの事を知らないだろうが……」

話ながらベルトが間合いをゆっくりと歩きながら詰める。

「貴様!」と墮天使が拳を振るうが軽く避けたベルトは、拳を添えるようにして墮天使のれる。

「時間をかけてを復元して襲ってくれば、いずれは俺を倒していたかもしれぬ。

……だが、お前らのは幽神に大きく左右されるだ。 他の生を食らって、を変格させ攻撃を続行させようとした時點でお前の敗北は決定している」

互いに著した狀態。再び墮天使が拳を振るう。

だが、それよりも速くベルトは――――

≪致命的な一撃クリティカルストライク≫ 

必殺の一撃を完了させた。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「ただの陸クジラ討伐がとんでもない事になったな」

夜の帳がゆっくりと太を隠していく帰り道。

シンラはベルトに言った。

しかし、ベルトの返答は――――

「あぁ、そうだな」と、どこか素っ気無いものだった。

シンラは、それに何かじるものがあったのだろう。

「ベルトは、どこから天使が絡んでいると気づいてた?」

「……いや、全く」とベルトの答えにシンラはため息とついた。

「天使が出てきた時、全く驚いていなかったのは、いつも通りだったけど……自慢の気配知スキルは発しなかったのか?」

「……」

「それと、正不明の相手に毒を打ち込んだのだって不自然と言えば不自然だ」

「……いや、お前の依頼が辺境で最強の魔退治だったからな」

これにはシンラも頭にが昇る。「お前ッ!」と文句を言おうとしたが、それよりも早くベルトは――――

「この世に天使や悪魔がいる以上、天界には神様ってのが鎮座してるんだろうけど……なくとも、勇者のを手にした魔王よりは強くないだろ?」

「――――ッッッ!」と絶句したシンラは、深呼吸としてから

「それほどまでに今の魔王は強いと思うか?」

そう聞き返した。

「あぁ、強い」とベルトの言葉は反論を許さない斷定口調だった。

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