《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》新メンバー募集

「う~ん、どうしたものか」とベルトは機に座り唸っていた。

人工都市オリガス 第五迷宮での戦いから3ヶ月。

平穏な薬屋生活と剣呑な冒険者生活を両立させていたベルト・グリムであった。

しかし、そんな生活は長く続かないというのは世の中の常というものである。

冒険者ギルドからの依頼……というよりも強制指令。つまり、魔王絡みの案件が來たのだ。

『東のダンジョンに魔王軍の痕跡が確認された。ただちに向い、魔王軍の殘黨を討伐を』

依頼書を弄りながら「殘黨ね」とため息をつく。

世間では魔王復活は匿されている。

例えば、第五迷宮の戦いだと、部の狀況が外部へ伝わる手筈になっていた。

しかし、冒険者ギルドの介があり魔王軍との戦闘は世の中に隠された。

最も、初めから冒険者ギルドは魔王軍が第五迷宮に潛んでいる報があったからできた事なのだろうだが……

それは兎も角、今回は東のダンジョンだ。

第五迷宮とは違って、本格的なダンジョン攻略になる。

それが今回、機に向って「う~ん う~ん」とベルトを悩ませている問題だ。

……パーティが組めない。

まさか、毎回メイルを抱きかけてダンジョンを攻略していくわけにはいかない。

例えば、し前にマリアの私兵団にった獣人の――― ミケラエル。

を斥候にして、前衛はシルフィド。自分は狀況に合わせて、斥候、前衛、後衛の護衛と役割を変え、回復要員のメイル。後衛にシン・シンラのような魔法職がいれば……

完璧なのだが……しかし、現時點では ベルトとメイルの2人組パーティ。

今、ベルトが紙に書いているのは、ギルドに提出するパーティメンバー募集のお知らせのチラシだった。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

ギルドの近場にある飲食店にベルトとメイルはいた。

早速、パーティメンバー募集をギルドに申請して、応募者への面接を行う事にしたのだ。

けれども……

「……本當に1人も來ないな」

「義兄さん、流石にSSランク冒険者が募集條件では人は集まらないのではないでしょうか?」

「そうだな。西のダンジョンの時に、SSランク冒険者と流を……」

「あの時は、みなさんを置き去りにしていきましたからね」

「……」

ギルドから勇者救出の特別指令ミッション発

西のダンジョン30層でけなくなった勇者たち。彼らの救出作戦にギルドが考えたのはベルトを中心として大人數のSSランク冒険者を投。後衛のサポートにもSランク冒険者を起用した大規模ダンジョン攻略作戦。

それを無視してベルトはメイルと2人で高速攻略を行った。

もしかしたら、SSランク冒険者たちはベルトへ悪い印象を持っているのかもしれない。

飲食店の扉が開いた。反的に2人は來店者を目で追った。

間違いなく冒険者の風貌。長い槍のような武を肩に擔いで……近づいてきた。

「あんた等がパーティ募集しているのか」

ベルトは頷いた。すると男は手を差し出し、名乗った。

「俺の名前はノリス。 キルト・D・ノリスだ」

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