《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》閉ざされたベルトの神世界

白い空間。 果ては見えない伽藍

そこに男が立っていた。 男の名前はベルト・グリム。

しかし、男は1人だけではなかった。 もう1人が向かい合っている。

その男もベルト・グリム……なくとも同じ格、同じ容姿……おそらく強さも同格。

ゆっくりと両者《ベルト》は間合いをつめて行く。

先手 ベルト・グリム。 初弾はいきなりの

≪致命的な一撃クリティカルストライク≫

一撃を持って戦いを終わらせるために放たれた一撃。しかし――――

後手 ベルト・グリム。

≪致命的な一撃返しリバースクリティカルストライク≫

かつて、大魔王シナトラすら葬り去った一撃。 に打ち込まれた衝撃する自分の支配下として拳に再裝填する魔技。

それを目前の相手――――ベルト・グリムに打ち込む。

だが、それもダメージにならない。 互いに衝撃をコントロールする技を持った者同士……

2人のベルトは互いに、相手ので手を添える。

衝撃はグルグルと互いのを移する。 それだけではなく、った瞬間に新たな≪致命的な一撃クリティカルストライク≫を打ち込む。

――――否。打ち込み続ける。

そうすれば、どうなっていくか? 衝撃の大きさは2人のよりも大きく……まるで破裂寸前の風船のように――――臨界點を超えた。

衝撃は逃げ場を失い、それでも唯一見つけた力の方向は両者の接地面。 両足を通って地面へ避難。

だが、膨れ上がった巨大な衝撃に地面は耐えきれるはずもなく――――

白い伽藍の空間。 それが破壊された。

もしも、ここが平素の場所だとしたら、星が割れていただろう。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

「かぁ! イメージトレーニングで星まで破壊しちゃうかベルトちゃん!」

「……いや、お前いつまでいるの?」

「ひどッ! ベルトが俺っちの心臓を食べたからじゃん!」

軽薄。 どこか軽い口調の男。

だが、その男の正はベルトに心臓を食べられた男……冥界の王である冥王本人である。

「ベルトちゃん、急に眼を閉じるから瞑想的な? この夢の空間に閉じ込められたから神に変調が起きないように瞑想してたのかな? って思ったら、星壊してて超ウケるわぁ」

「……ウザっ!」とベルトにしては珍しい呟き。

やはり、この事態は彼にとっても神の並行がれているのかもしれない。

「まぁ、俺もベルトちゃんも不老不死なんだし、慣れていた方がいいよ? 孤獨ってやつにな!」

「孤獨って、俺の目の前に騒がしい奴がいるじゃないか」

「おや? 俺っちがいるだけで孤獨じゃないって? もしかして、それ口説いてるの? やだぁ……殘念だけど専門なんだ」

「殘念だが、奇遇だな俺もだ」

「はっはははは……で? どうすんのこの狀態?」

「……どうする? どうするとは?」

「大魔王に負けて、夢の世界で修業って言えば聞こえは良いけど、外のベルトちゃん瀕死だよ? 俺の力がないとマジ即死クラスで」

「俺は死なないって言ったのはお前だろ? それに俺はいずれ目を覚ます」

「あー はいはい、それまで相棒が狀況をかしているって? しちゃってるね!」

「信頼してるんだ。 そうじゃないと相棒に選ばない」

「はぁ、ラブラブだわ。 でも、お前って既婚者じゃん!」

「……勝手にだ、ラブラブだって言ってるのはお前だけだろ」

「そうやって奧さんにも構ってないだろ? 俺も嫁から離婚屆を叩きつけられて冥界から出て行った事があってさぁ」

「それ、神話なみに長くなるなら、またの機會にしてくれないか?」

「はいはい、修行頑張ってね……そうだ!」

「……まだ何か?」

「どうせ、暇だから――――久々に手合わせしない?」

冥王は、それまでと違って獰猛な笑みを見せた。

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