近代アスリート……それも格闘技系のについて、近代ではこのような考えがある。

素早く、瞬発力を有したきを優先するならば

の中心に近いほど、筋は大きく、前腕やふくらはぎなどの末端に近づくほど細く。

逆に長距離長時間の運、持久を優先するならば

末端部分こそ、太く――――

の中心部の筋は大きく力強い。ならば、そこから肩口、上腕、前腕と生み出された力を連させる効率を重視する。

閑話休題まで、もうし待ってもらいたい。

なぜこの様な話を挾んだのか？　思い出してほしい。

最初に冥界でベルトが戦った冥王は老人の姿だった。

つまり――――　自らのを自由自在に変化できるのだ。

ならばやるだろう。　人構造上、最も戦闘に適して変を――――

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そのは異形である。

の中心部である筋と腹筋は大きく膨れ上がり、風船のような球になる。

四肢へと繋ぐの付けは、とにかく大きい。

肩、つまり三角筋は背筋と一化して丸太が生えているように見える。

そして、上腕二頭筋と上腕三頭筋を通り、前腕部分になると極端に細く――――指先になると、矢の先のように尖っているだった。

足も同じだ。

さらに弱點である頭部を衝撃から守るように、背筋と三角筋が首と同化いる。

これが人類が目指す、究極と運。　つまり――――

化けが現れた。

その化けと対峙しながらもベルトは

「そいつは、冥界では見せなかった変だな」

「あぁ、どっかの誰かが原因で、しばらく人間界を見せられる事になったからな。人の強さを學んだのさ。　特に闘技場でお前と戦った奴」

「なるほど、『不破壊』を參考にしたのか……いや間違った學びだと思うが？」

「失禮だな。　まぁいいさ、人間の進化をけれない舊人類もいて當然だ」

「そうかい？　それじゃ……」

「……あぁ、始めよう」

それが開始の合図になる。

確かに冥王のきは速い。

速度においてベルトは人類最速クラス。

そのベルトが即座に防戦一方に追い込まれた。

弾く……夢の世界で再現されたベルトの相棒、『サウザウンド・オブ・ダガー』を振り回し、冥王の攻撃を弾く。

しかし、全てを弾き防する事は葉わない。

被弾。

機力維持のため、軽裝の防しか有しないベルト。

僅かなダメージでも、死に至るリスクは大きい。

（速度で負ける。　隙をついてカウンター？　しかし、攻撃が途切れない！）

「どうした！　ベルト・グリムちゃんよおぉ！　格上と戦うのは久々かぁい！？」

「……吠えるなよ。今、お前を倒す計畫を考えてる」

「ふん、吠えてるのはどっちがだ？　だが、良い！　それでこそ貴様だ！」

（――――ッ！　さらに攻撃速度が！　回転數が上がっていく！）

ベルトは自が持つ移スキル。複數持つそれをどう使うか、組み立てていく。

しかし――――

（足りない。≪瞬剎駆≫で攻撃を避け、≪暗殺遂行《アサシネーション》≫で背後に移……それでも、間に合わない。さらに≪疾風雷神≫を組み込んで……）

「はっはっはっ……考えすぎだ！　戦闘中に新たな技を作ろうとするのは悪い癖だ。鍛錬を積んだ無意識の技こそ最速に至り得るのだ」

冥王の腕がベルトのを突く。　――――その直前でベルトは橫回転で避けると同時に反撃。

一歩で間合いを――――近づけない。　手のような手足が行く手を遮る。

しかし――――

「うむ、それでいい。　基本に戻れ。スキルは補助をせよ。させれば――――

最速の道は開かん！」

冥王の連撃。ベルトの視界が攻撃で埋まる。