砂漠のオアシス。

その重要は、いまさら語るまでもないだろう。

しかし、そのオアシスに対してカレンは――――

「それじゃいくわよ――――≪魂喰いソウルイーター≫」

破壊活を行った。

水分は、まるで公園の噴水のように――――いや、それを遙かに超える勢いで水柱が誕生した。

「あぁ、空に虹が綺麗ですね師匠……」

「おい、正気を取り戻せ。お前の姉が行った行為だぞ」

「すいません。今はそっとしておいてください」

エルマとメイルのやり取りは、カレンに聞こえてないようで、彼は非常に満足げですらあった。

「見て見て、メイルちゃんにエルマちゃん！　打ち上げられた水が落ちてきて、まるで砂漠に降り注ぐ雨ね」

呑気な事すら言っていた。しかし――――

「うわぁああああああああ！」と上空から人間の聲がした。

空を見上げれば――――

「え？　に、人間が落ちてきます！　師匠、姉さん！」

「あぁ、わかっている。ここは私に任せろ」とエルマは飛び上がった。

そのまま落下してくる人間をキャッチ。華麗な著地を披した。

「大丈夫ですか？　まだ、子供のようですが……」

エルマの腕の中には小さな影。　確かに子供のように見えるが――――

「いいや、違うぞメイル。コイツは子供じゃないさ。ただ、小柄なドワーフだ」

「ド、ドワーフ！？　……ですか？」

メイルが驚くのも無理はない。

ドワーフの國やエルフの國は、初期の魔王戦爭時に最初に攻め込まれ、各國に散らばり隠れるように暮らしているのが現狀だ。

いや、今は國の復興を目指して――――

どちらにしても他國で見かけるのは珍しい。　しかし、それについてエルマは――――

「いいや、珍しい事じゃないさ」と真っ向から否定した。

「知ってと思うが私がハーフエルフだから……むっ？　知らなかったのか？　おや、言ったはずだが……まぁいい。今はこのドワーフだ」

「――――エルマさんがエルフだったのは聞き捨てなりませんが、確かにドワーフの子……いえ、子供ではないのですね」

メイルは、今も気を失っているドワーフを見る。

確かに、丸々としたは太っていると言うよりも筋の塊。

それに対して、顔はドワーフの代名詞的な髭はない。　そのため、ドワーフとわかっていてもさが目立つ。

「子供じゃないとはわかりましたが、何歳くらいなのでしょうか？」

「まぁ20才くらいじゃないか？　おっ……目を差ますぞ」

ドワーフの青年（？）はもぞもぞとき出して、目を開いた。

キョロキョロと周囲を見渡し、メイルたちに囲まれている事に気づくと――――