《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》冥王最終討伐戦
守護天使の攻撃。 手にしている武は、天使には相応しくないほどグロテスク。
その獨特の形狀は剣なのか、ハサミなのか?
冥王は、それを認識する事はできない。 できるのは、辛うじて気配を認識するだけ。
だが――――
冥王は片膝を地面につけたかと思うと、黒い泥のようなを拾い上げる。
黒き冥王の領土。その力から剣を錬する。
「そこだ!」と黒い剣を振るう。気配だけを頼りにした剣撃。
「捉えたか? わかるぞ、貴様の位置が!」
それにも関わらず、的確に冥王は天使に剣を振る。
「どうした、反応が遅いぞ? 最も天使が剣の鍛錬をしてるとは思えないがな」
「……」と天使は抗議の聲を上げるが、それを理解する者はいないだろう。
「何をいっているかわからぬ。わからぬから……だったら死ね!」
一方的な防戦。 致命傷は避けているが、天使のに裂傷がる。
「おぉ、見よ。天界で偉ぶる神よ! 貴様の配下のは赤いか!」
まるで歌うかのような冥王の聲。 天敵である天界の存在を一方的に叩きのめしているからこそ出る愉悅か? しかし――――
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「何を1人でやっている?」
その聲は冥王の背後から、そして聲の主――――彼は技名をぶ。
≪致命的な一撃クリティカルストライク≫
エルマの一撃。 冥王には振り返る余裕もなく、背中に打撃をける。
「がっ……ベルトの師か? だが、忘れたか? この男は致命的な一撃クリティカルストライクを破る技を有しているという事を!」
を走り抜ける打撃の衝撃波。それすらコントロールして、拳の再裝填する。
「喰らえ! そして、弟子の技で冥府に墮ちよ!」
≪致命的な一撃返しリバースクリティカルストライク≫
技の打ち終わりで、無防備になったエルマのに叩き込まれて――――否。
それよりも早く、別の衝撃が冥王を襲う。
「私の存在を忘れていましたか?」と言うのカレンだ。
カレンもエルマと同じ技。
2撃目の―――――
≪致命的な一撃クリティカルストライク≫
「ぬっ」と不意を突かれて冥王がきがれる。
そのダメージにより冥王から放たれるはずの≪致命的な一撃返しリバースクリティカルストライク≫は不発。
空振り、宙を切る。 だが、それだけでは終わらない。
「放たれるはずの衝撃はに殘り、不完全な技は自に牙を向きます」
破裂。 冥王の拳に留まっていた衝撃は行き場を無くし、時間差で発した。
「がっ……俺っの、俺の手があぁ!」
「良い聲じゃありませんか。なくとも『俺っち』なんて一人稱を使うよりは――――」
≪二重斷首刀《ギロチンエックス》≫
手刀による高速の斬撃。
「この斬撃……本の剣を遜はない。だが、鍛え抜かれたベルトのを切り裂くには至らないわ」
冥王の手に魔力が通る。
無意識に向けられた技と同じ技――――二重斷首刀《ギロチンエックス》をやり返そうとする。
だが、その手が止まった。
「むっ!?」と冥王を仰け反った。
殺意が首を狙っているのがわかったからだ。 それは不可視の斬撃。
つまり、天使の攻撃。 天使の剣……ハサミが冥王の首を切斷しようと狙う。
「何に気を取られているのですか! このまま短時間で決著をつけますよ! ≪劇毒強化ポイズンブースト≫」
カレンは自らで調合した猛毒を使用。 全を毒に侵される代償に、能力が大幅に向上する。
そして、それはカレンだけではない。
「合わせるぞカレン! ≪劇毒強化ポイズンブースト≫」
エルマも劇毒強化ポイズンブーストを発。短時間決戦を狙う。
カレンとエルマ。発的に強化された2人に挾まれる形になった冥王。
避けれない。
払えない。
けれない。
防できない。
大量の打撃を浴びる冥王。 「このッ!」と魔力を排出する。
魔力をそのまま衝撃波に転換して、2人を吹き飛ばすためだけの急回避。
しかし――――
「くっ! 衝撃波が弾かれた!? あの聖の技か!」
戦闘に參加していないメイル。
彼は、エルマとカレンが劇毒強化ポイズンブーストによる反を抑えるために後方支援の回復魔法を専念していた。
「天使を指揮しながら、連続して回復魔法の使用。さらには的確に防壁……おのれ、最初にしとめるべきは聖だったか!」
焦り。 だが――――
「だが、貴様らができることは俺にだって可能なのだよ!
≪劇毒強化ポイズンブースト≫
お薬、出します!~濡れ衣を著せられて治療院から追放された薬師さんが辺境で薬屋を開きました。極めたポーションは萬能薬と呼ばれて回復魔法を超えるようです~【書籍化コミカライズ企畫進行中】
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