《獻遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな人ごっこ~》「好きって言われると、我慢できない」1
シャワーヘッドから滴る雫が音を立てた。
足先が冷たくなり再び座り込むと、スカートに隠れた膝を呆然と見つめる。
清澄くんはかっこよくて、優しくて、の扱いに慣れている。
引く手あまたで、の子が苦手だなんて謙遜でしかなかったのだろう。
し考えればわかるものだったのに、私は馬鹿だ。
勝手に期待して、盛り上がって、そして騙されたような気分になっている。
清澄くんは人のようにれ合おうと言っただけで、人になろうなんてひと言も言っていない。
私が勝手に、勘違いしただけなのだ。
「今から會社の人が來るんだ。頼むから帰ってくれ」
「近くでふたりで遊んだから、久しぶりに清澄の家に泊まろうと思って。會社の人も一緒でいいよ。ちゃんと接待してあげる」
「清ちゃんの會社の人ならサービスするよぉ」
接待……サービス……。
聞こえてくるワードがアダルティでドキリとする。
會社の人もえてなんて、私には考えられない友関係だ。
「馬鹿か。ほら、ホテル代出してやるから。行けよ」
「やだーイケメン。お酒買ってこよっと」
「清ちゃんみんなでホテルで飲もうよぉ」
「お前ら日本語通じねえの?」
……私、なんでこんなことしてるのかな。
もう、ここで出ていこうか。
邪魔してすみませんって謝って、三人で出掛けるなり始めるなりしてもらった方がいい。
私がいるから、清澄くんはいにのれなくなっているのだろうから。
「……ねえ、清ちゃん。ここにれてる?」
「はぁ!?」
それは私のことだろうかとギクリとしたが、それとも他にもたくさんいるのではとさらにが痛くなる。
「部屋、前來たときより綺麗だよね。家事するとか言って世話焼くうざーい、家に上げてるんじゃない?」
「そんなんじゃねぇよ。俺だって掃除に凝るときもあるんだよ」
「清澄ぃ。アンタさっきまで誰かとワイン飲んでたでしょ。グラスがふたつ濡れてるんだけど」
「勝手にキッチンるなよ!」
私がいたことに勘づいてる。
なんて鋭い人たちだろう。
聲しか聞こえないけど、自信に満ち溢れて、清澄くんにワガママが言えて、おそらく相當人ななのではないかと思う。
清澄くんだって突然訪ねてきた彼たちを完全には邪険にできていないし。
「怪しい……。清くん、彼できたのぉ?」
「だからいねぇって」
「彼できたならどうして私たちに報告ないわけ?  清澄に相応しいかどうか品定めしてあげるって。アンタ貞なんだから」
「あーーー!  待て麗奈!  言うな!」
──ん?
なんだろう、聞き間違いかな。
「清ちゃんの貞をつまんないに盜られたらやだなぁ。私たちが姉弟じゃなかったらもらってあげるのにぃ」
「凜花……頼むから、その言葉を出さないでくれ……」
「ん?〝貞〟?  だって本當のことだもん。大丈夫、誰にも言ってないよ」
「そうそう。アンタが前戯から先に進めない貞くんだってことは、清澄とお姉ちゃんたちのでしょ?」
その後ケラケラというたちの笑い聲が飛びうが、清澄くんの聲は聞こえなくなった。
この人たち、清澄くんの姉弟なの?
……いや、というか、それよりも。
清澄くんが貞?
なにかの間違いでしょう?
だってあんなにの子の扱いが上手で、気持ちよくしてくれて、パーフェクトなのに。
エッチができない理由なんてひとつもないと思うのだが。
「……ねぇ、清澄。これなに?  誰の?」
「はっ?」
「ソファの下に落ちてるパンティよ!  どういうこと!? 」
えっ。
「えー!?  やだ清ちゃん!  本當に貞卒業しちゃったの!?」
私は慌ててスカートを押さえると、スースーと風が通り抜けた。
しまった、私のだ。
焦って隠れたからすっかり忘れていたけれど、まだパンツを履いていなかった。
しかも今日は気合いをれた一著で、ワインレッドでレースの面積が小さいもの。
お姉さんたちに見られるのは恥ずかしい。
「ち、違う、待」
「まだあったかい。清澄、なにか隠してない?」
「はどこにいるの? 清ちゃん」
「帰したって!  もういねぇよ!  とりあえずそれ返せ!」
やばい!
とりあえず早くパンツを私に戻してもらって、履きたい。
これじゃあ大事な人質を取られているようなもので、お姉さんたちにパンツを返してもらわないと帰ることもできない。
ひとりきりのバスルームは寒かったはずが慌てすぎて暑くなり、水を浴びて頭を冷やしたいくらいだ。
そのとき、高い位置に掛けられたシャワーヘッドから水が一滴したたり落ち、私のつむじにピチャンと落ちる。
「ひゃっ」
思わず聲が出て、私は凍り付いた。
つむじに落ちた水がまるで汗のようにこめかみに垂れてくる。
賑やかだったドアの外も、急に靜かになった。
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