《獻遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな人ごっこ~》「好きって言われると、我慢できない」3
家族は仲良しな方がいい。
それが、いつ、ある日突然に、壊れてしまうかわからないのだから。
昨日まで笑い合えていたのに、小さなきっかけからまともに話せなくなったりすることだってある。
崩れてしまった関係は簡単には取り戻せない。
それがどんなに寂しくて、後悔することなのか、清澄くんは知っているのかな。
ここでお姉さんたちを追い出して、本當にいいのかな。
「清澄くん」
「ん?」
「お姉さんたち、久しぶりなら泊まってもらった方がいいんじゃないかな。私とはまたいつでも會えるんだから」
「えっ、ちょっと待って」
ハンドバッグを肩にかけてソファから立ち上がると、清澄くんは慌てて手を握って引き留めようとするが、私はその手を一度握り返してから離した。
「清澄くんは家族にも、會社の人にも、みんなに好かれててすごいよ」
私もそうなりたかったけど、できなかった。
「莉?」
「私が弱いから清澄くんが代わりに言い返してくれることが多かったよね。でも私なんかより、清澄くんの好きな人たちを大切にした方がいいと思う」
「……莉も大切だよ。麗奈と凜花はいつもこんなじだし、姉弟なんだからいつでも會える。でも莉のことは、今帰したくない」
「私は今帰っても、なにも変わらないから大丈夫だよ」
今さら清澄くんになにをされても嫌いになんてなれないし、好きな気持ちは変わらない。
ひとりぼっちの家に著いてちょっぴり寂しい気分になるだけだ。
清澄くんに會えるのを楽しみにしていたお姉さんたちがそんな思いをするのなら、帰るのは私でいい。
「私はこれで失禮します。今日はいなかったことにしてください」
三人へ一杯の笑顔を浮かべ、軽く會釈をして玄関へ足を進めると、麗奈さんと凜花さんが私の前へと進み出た。
「あーもう!  なんなの!  そんなこと言われたら私たちが帰るしかないじゃない。やりにくいわねっ」
「演技?  演技なの……!?」
「え……?」
ふたりは顔を見合せた後、私をじっと覗き込んでくる。
「だから莉は悪い子じゃないって。今日だって俺がったんだよ。邪魔すんな」
「清ちゃんのバカ。貞のくせにっ」
凜花さんが瞳をウルウルさせながらそうつぶやくと、清澄くんはもう反論せずにうつ向き、プルプルと震えている。
それ。
やっぱり本當なの?
……なんて言ったらいいのかわからないけど、意外すぎて未だに信じられない。
どう反応したらいいかわからず聞こえなかったフリを続けていると、お姉さんたちは大人っぽいブーツを履いて帰り支度を整える。
「じゃあ、清澄。私たち行くから。……あと、彼。次はちゃんと挨拶してよね」
「は、はいっ」
「清ちゃんのこと傷つけたら許さないからね!」
「は、い」
「おい。いい加減にしろ。はやく帰れ」
清澄くんにシッシッと追い返すジェスチャーをされたお姉さんたちは、アッカンベーをしてドアの向こうへと去っていく。
私たちは閉まったドアを見つめてそれを見送り、彼たちの足音が聞こえなくなってから顔を見合せた。
……清澄くん、気まずそうな顔だ。
私はしの汗をかきながら笑顔を保とうとするが、嵐のように去っていったこの數分の出來事に驚きすぎて強張っていく。
「……いろいろごめん」
「う、ううん!  綺麗なお姉さんたちだったね」
清澄くんと三人で並ぶとしすぎる三姉弟だった。
清澄くんの普段のは対する余裕は、なるほど、人がそばにいすぎると慣れてしまうのだろうかとふと思った。
それが、貞だという事実と辻褄が合わなくなって混するんだけど。
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