《斷罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪を目指す(第三章完結)【書籍化、コミカライズ決定】》05.悪役令嬢は驚きに見舞われる
シャーロットに限らず、パルテ王國に関する知識は座學で習う程度しかないのが普通だった。それが想像に拍車をかけるのか広間は賑やかになるばかりだ。
いつまでも続くかと思われたが、ファンファーレが終止符を打つ。
使節団の場に、その場にいる全員が口を閉じた。
最初に姿を見せたのは使節団の代表だった。
噂に違わぬ筋を曬し、れのない歩調は一般人にはない規則がある。
(まだ初秋とはいえ、薄著なのは変わらないのね)
服裝は知っているものと寸分の違いもない。
上著にはボタンを使わず、服の前で重ねた布を腰紐で留めているのが特徴的だった。著心地はゆったりしてそうだけれど、半袖から覗く鍛え上げられた腕にどうしても窮屈さをじてしまう。
続く使節団員も男共に印象は変わらなかった。
やはりみんな格が良い。
使節団自が広告を兼ねているのもあるだろうが、令嬢も山のように盛り上がった筋と切り離すのは難しいように思われた。
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もしかしたら使節団員に紛れて既にいるかもしれないと參加者たちが視線を錯させたところで、鮮やかな赤に意識を奪われる。
夕日を溶かしたようなスカートレットの髪が、一歩、令嬢が歩みを進める度に宙へ広がった。
濃紺の瞳と合わさると時間と共に移りゆく空が一つになったかのようだ。
使節団を後ろから照らすが如くニアミリア・ベンディンその人が場する。
悠然と姿を現した彼に誰もが予想を裏切られて見惚れた。
苛烈なを持ちつつも整った顔立ちは和で穏やかだ。
緩くクセのある長髪に、凜と背筋をばした姿はどことなくクラウディアに通じるものがあった。
けれど、目元の印象は大きく違う。
(レステーアの言っていた通りね)
國民全員が戦士と言えども、使節団員と令嬢は別だった。
服裝もドレス姿にパルテ王國の特徴はなく、使節団から離れれば今にもクラウディアたちに溶け込めそうだ。
もっと奇異な姿を想像していた下世話な者たちは落膽の溜息をつくが、政治制の違いこそあれ隣國である。教義も同じで文化流もあるとなれば、意識に大きな差が生まれることはなかった。
続いて王族専用のドアからシルヴェスターが姿を見せる。
王族専用のドアは広間から一階分ほど上に設置され、バルコニーが設けられていた。
広間に集まった面々を見下ろす形で、シルヴェスターは穏やかな笑みを浮かべる。
「遠路はるばる來訪してくれたパルテ王國使節団、並びに同行者であるニアミリア・ベンディン嬢に労いの拍手を。今回集まった者の中にはニアミリア嬢と同年代の者も多いだろう。ぜひこのパーティーを機會に流を深めてもらいたい」
乾杯がわされたあとは、シルヴェスターもバルコニーから続く階段から広間へ下りてくる。
禮儀的な挨拶を一通り終えたところで、クラウディアたちと改めて合流した。
件のニアミリアの周りには子息令嬢が集まり、人だかりができている。
「みな興味が盡きないようだ」
「仮裝舞踏會の主催者でもありますもの。今までとは違った趣向の持ち主がどんな方か気になるのは、わたくしもわかりますわ」
「ディアは加わらなくていいのか?」
「後日、ニアミリア様との流を目的としたお茶會もありますから、本日は挨拶だけで十分だと思っております」
クラウディアやルイーゼといった上級貴族が場を陣取ってしまえば、他の貴族たちの妨げになる。
顔見せができればいいと、挨拶だけでクラウディアたちはニアミリアの元を去っていた。
ニアミリアの存在を除けば、これといって何の変哲もないパーティー。
しかしそこへ年上の婚約者候補、ウェンディ・ロイド侯爵令嬢が姿を見せたことで空気が変わった。
「殿下っ、騙されないでください!」
深窓の令嬢と評されるウェンディに似つかわしくない聲だった。
いつになく張り上げられた聲に周囲がざわめく。
ウェンディからキッと睨み付けられたクラウディアは驚くばかりだ。
未だかつてこれほどをわにした彼を知らない。
加えて、悪を向けられるのもはじめてで疑問が浮かぶ。
(一どうなさったというの?)
驚いているのはウェンディを知っているルイーゼたちも一緒だ。
貴族派であるウェンディとは家の都合で距離を置いていても、個人間で反発し合うことはなかった。いつだって彼は落ち著いた淑だったのである。
それが。
今や目を走らせる勢いだった。
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