《斷罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪を目指す(第三章完結)【書籍化、コミカライズ決定】》17.悪役令嬢は侍と心を通わせる
シルヴェスターの公務先である王家直轄領に著いたのは、星が瞬く夜だった。
近年、貴族から返還される形で王家が治めることになったこの領地は、クラウディアの目的地であるサスリール辺境伯領と隣接していた。
爵位と共に領地を返還した貴族の名前は、ホスキンス伯爵。ヘレンの生家である。
クラウディアはここでシルヴェスターと別行になる予定だが、サスリール辺境伯領へ行く前に休息のため寄ることとなった。
滯在先は元ホスキンス伯爵の屋敷だ。
クラウディアのために部屋を整えながらヘレンがぽつりと零す。
「殿下の公務は、新たな王家直轄領の視察だったんですね」
「ええ、だけど実際はパルテ王國から送られてくる報をいち早くけ取り、現地でいている者たちに指示を出すのが目的よ」
王都にいては、報が屆くまでにどうしても時間がかかってしまう。
シルヴェスターとしては最前線であるサスリール辺境伯領に留まりたいところだが、貴族制度が邪魔をした。
Advertisement
貴族は領地での王家の介を嫌う。
どんな理由であれ自分の働きが信用されていないとじ、不信を抱くのだ。
信頼関係を重視すれば、王家といえども強くは出られない。
そのため目眩まし用の公務が必要だった。といっても公務に変わりはなく、こちらも正式におこなわれる。
一応公務の最後には、シルヴェスターもサスリール辺境伯に挨拶する予定だ。
「こうしてまた領地を訪れられるとは思いませんでした。いえ、元領地ですね」
ベッドメーキングを終えたヘレンが窓へ顔を向ける。
真っ暗な外は、どれだけ目を凝らしても何も映さない。
でもヘレンにはありし日の景が見えているようだった。
クラウディアは、そんな彼の橫顔を靜かに見守る。
屋敷では、元ホスキンス伯爵の使用人たちがそのまま起用されていた。
彼らはヘレンのことを覚えていて、思いがけない再會に涙を流して喜んだ。
「もう忘れられていると思っていたので驚きました」
「みんなヘレンのことが好きだったのね」
ヘレンの格を考えれば納得だ。きっと領地でも使用人に優しかったのだろう。
そしてそれはヘレンだけじゃなく。
元ホスキンス伯爵家の人々が爵位を失っても幸せに暮らしていると知った使用人たちは、心から安堵していた。
「元ホスキンス伯爵の統治は、領民にとてもされていたのね」
「そう思っていただけますか?」
「でなければ、ヘレンの姿に目を潤ませたりしないわ」
元ホスキンス伯爵は資金繰りに困り、爵位を返上するに至った。
実りのない領地運営に詰まったからだが、だからといって領民に過度な稅を課すこともなかったのである。
切り盛りする才がなかっただけで、悪政をおこなっていたわけではない。
領地返上時の聞き取りでも、領主に対する評価は悪くなかったとシルヴェスターは言っていた。
「っ……父も、聞いたら喜ぶと思います」
「ええ、帰ったらたくさん話してあげて」
言葉を詰まらせるヘレンを抱き締める。震える背中をでると嗚咽が聞こえた。
――最初は滯在するか悩んだ。
移手段である馬のために休息は必要だとしてもヘレンが嫌がると思ったからだ。クラウディアが消極的に提案すると、むしろヘレンは行きたがった。
王家を信用していないわけではないけれど、領民たちが不自由なく暮らせている様子を自分の目で確かめたいと言われればクラウディアに否はない。
明日、朝の時間だけではあるもののヘレンと近場を見て回る予定だ。
「案は任せるわね」
「はい、クラウディア様にご覧にれたい景があるんです」
「まぁ、それは楽しみだわ」
「特別なものではないので、あまり期待しないでください」
「でもヘレンにとっては思いれのある景なのでしょう? だったらわたくしにとっても特別だわ」
娯楽を求めて滯在しているのではないのだ。
ヘレンと気持ちを共有できるほうが、クラウディアにとっては何より大事だった。
【書籍化】萬能スキルの劣等聖女 〜器用すぎるので貧乏にはなりませんでした
※第3回集英社WEB小説大賞にて、銀賞を獲得しました。書籍化します。 剣も魔法も一流だけど飛び抜けて優秀な面がない聖女ソアラは、「器用貧乏」だと罵られ、「才能なしの劣等聖女」だと勇者のパーティーを追い出される。 その後、ソアラはフリーの冒険者業に転身し、パーティーの助っ人として大活躍。 そう、ソアラは厳しい修行の結果、複數スキルを同時に使うという技術《アンサンブル》を人間で唯一マスターしており、その強さは超有能スキル持ちを遙かに凌駕していたのだ。 一方、勇者のパーティーはソアラを失って何度も壊滅寸前に追い込まれていく。 ※アルファポリス様にも投稿しています
8 105男子が女子生徒として高校に入りハーレムを狙っている件(仮)
表紙は主人公の見た目イメージです。お気に入り設定とコメントして下さった作者様の小説読みに行きます。花間夏樹という男子高生が高校に女子として入り、男の子に告白されたり、女の子と一緒に旅行にいったりする話です。宜しければお気に入り設定と コメントお願いします。
8 198引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
毎日引きこもっていただけでLv.999になっていた―― ちょっと前まで引きこもりだったのに、王女様やら幼女やらが近寄ってきてハーレムも起きてしまう。 成り行きで勇者をぶっ飛ばし、代わりに魔王の娘、ロニンを助けることになった主人公・シュン。 みなが驚く。 引きこもっていたくせにこんなに強いなんてありえないと―― 魔王の娘と関わっていくうち、シュンはすこしずつ変わっていく。 ――平和な國を作るとか、そんなめんどくせえことやりたくねえ。 ――でも誰かがやらないと、またロニンが不幸な目に遭う。だったら、俺が…… いつまでも自分の世界にこもっていられない。 引きこもりによる國づくりである。 皇女セレスティアとの爭い、國王エルノスとの政治的駆け引きなど、さまざまな試練を乗り越えながら、シュンは自分の國を育てていく―― 全力で書いております。 読んで後悔はさせません。 ぜひお立ち寄りくださいませ。 *キャラクター人気投票を実施しております。よりよい作品にするため、ぜひご協力をお願い致します。リンクは目次と各話の一番下にございます。 *アルファポリスにも掲載しております。
8 122最強になって異世界を楽しむ!
現代高校生の近衛渡は、少女を庇って死んでしまった。 その渡の死は女神にとっても想定外だったようで、現実世界へと戻そうとするが、渡は1つの願いを女神へと伝える。 「剣や魔法が使える異世界に行きたい」 その願いを、少女を庇うという勇気ある行動を取った渡への褒美として女神は葉えることにする。 が、チート能力など一切無し、貰ったのは決して壊れないという剣と盾とお金のみ。 さらに渡には、人の輪に入るのが怖いという欠點があり、前途多難な異世界生活が始まる。 基本的に不定期更新です。 失蹤しないように頑張ります。 いいねやコメントを貰えると勵みになります。
8 125職業通りの世界
この世界では、職業が全て。 勇者「俺が魔王を倒す!」 魔法使い「魔法で援護する!」 剣士「剣で切り刻んでやる!」 そんな中、主人公である館山陸人(たてやまりくと)の職業は…… 執事「何なりとお申し付けください」 予想とは裏腹に、萬能な執事という職業で、陸人は強くなっていき、最終的には勇者をも超える存在に!? 投稿ペースは不定期です! 2作目になります。前作と繋がっているところはほとんどありませんので、気にせず読んでもらって結構です。 ですが、後半の展開は前作を読まれるとより楽しめます! 誤字脫字の報告や感想はいつでもお待ちしております! Twitterもやりますので、感想を書くのが恥ずかしいとかある場合はそちらに是非!質問もある程度はお答えします! ヒロ @hi_rosyumi
8 93コンビニの重課金者になってコンビニ無雙する
■ストーリー ・ある日、900億円を手に入れた。世界的規模で寶くじを運営している會社のジャックポットくじに當たったのだ。何に使うか悩んでいたが、家の近くにコンビニが無い事を不便に思い、ひょんな事が切っ掛けでコンビニを始める事にした。 (一番近いのは、二駅隣のホームセンター併設のスーパーマーケット) もっと便利に、もっと、もっと・・と便利を追及して行く內に、世界でも屈指のコンビニ重課金者となっていた。拡張し過ぎて、色々商品も増え、いつの間にかその世界では有名な”最強のコンビニ”になっていた。 そのコンビニに行けば、何でも売っている。 マッチ一本から、原子力潛水艦まで。 いつの間にか、その土地は不可侵となり、國と國との取り持ちまでする様になっていた。『なんで、そんな事に』って?そんなの、こっちが聞きたいよ……ただ単に、便利で安全で快適さを求めていただけなのに。 いつの間にかコンビニ無雙する事になった男の物語。 ---------------------- ■その他 ・少しづつ更新していく予定です。
8 88