《斷罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪を目指す(第三章完結)【書籍化、コミカライズ決定】》28.悪役令嬢は焦る
どうやらクラウディアの存在が耳に屆いたらしく、自ら足を向けてくれたようだ。
そのフットワークの軽さに扇の下で苦笑が浮かぶ。
レステーアも呆れた視線を隠さない。
「下半に忠実な方みたいですね」
「おかげで手間が省けるわ」
ドレスティンは風貌を変えることなく仮面を著けているだけなので、招待客にも分がバレていた。
その証拠にクラウディアへ聲をかけようとしてた男が、ドレスティンに場所を譲る。
「レディー、ボクにあなたの隣へ座る栄譽をいただけますか?」
波打つ緑の髪に茶の瞳。
森を連想させるこの二つは、サスリール辺境伯家を代表するだった。
しかしドレスティンには移り気で派な印象が目立つ。
目鼻立ちが整っているのもあって、學園に在籍中は浮き名を流していたという。
レースの手袋をした左手を差し出せば、すかさず手の甲に口付けが落とされる。
ドレスティンの分は周知の事実だが、あえてクラウディアは強気な態度を崩さない。
この場ではクラウディアは謎のであり、王様なのだ。
分を明かさないことが前提の仮面舞踏會だからこそできるお遊びの一種だった。
趣向を理解しているクラウディアの振る舞いに、ドレスティンも満足げに笑う。
そして彼がクラウディアの手を離そうとしたときだった。
茶の瞳が大きく見開かれる。
「やっと會いに來てくれたんだね! 前と裝いが違うから、全くわからなかったよ!」
ドレスティンの顔に浮かんだのは歓喜だった。目が合い、自分に話しかけられているのはわかるのに容を理解できない。
「香りがだいぶ薄いのは、ボクを試しているのかな? ふふふ、相変わらずクラウディアはボクを試すのが好きだね」
(わたくしだってバレた!?)
名前を呼ばれて背筋が凍り付く。
ドレスティンとは王都のパーティーで踴ったことがあるぐらいで流はない。
公爵令嬢として、シルヴェスターの婚約者候補としてクラウディアが目立つ存在であったとしても、簡単に看破できる変裝ではなかったはずだ。
(どうして? わたくしは何を見落としてしまったの?)
ぐるぐると思考が錯綜する。
レステーアが視線だけで窺ってくるけれど返事をする余裕もなかった。
焦りでこめかみに冷や汗が浮かぶ。
心臓が口から飛び出しそうだった。
極度の張にが縛られるクラウディアに対し、ドレスティンは満面の笑みを崩さない。
何か答えなければと思うものの、正を見破られ頭が真っ白になっていた。
けれどそれがかえって功を奏する。
「驚いた? やっと一矢報いられたかな。キミから貰った香水を毎日嗅いでは、あの夜のことを思いだしているよ。わかってる、今夜も聲は出せないんだろう? でも折角會いに來てくれたんだ、二人っきりで過ごしたいな」
クラウディアは口を噤んだままだが、ドレスティンは気にした様子もなく一人で言葉を重ねた。
(香水? あの夜? 彼は何を言っているの?)
に覚えのないことばかりである。
だがおかげでドレスティンの語るクラウディアが別の人間だとわかった。
問題は、その人間が専用の香水まで著けてクラウディアに扮していたことだ。
(手袋に普段の香りが殘っていたのは迂闊だったわ)
気付かないうちに生活空間や小類から移っていたのだろう。
嗅ぎ慣れているが故に覚が麻痺していた。
人の不一致に気付いたレステーアが橫槍をれる。
「生憎、わたしが彼から離れる予定はありません」
「なんだい? ボクが邪魔だと言っているのがわからないのかい?」
訝しげに片眉を上げられるけれど、レステーアは調子を合わせるのが上手かった。
「今夜は時間がないんです。わたしを通していただけるなら、短時間でも濃な一時をお過ごしいただけるとお約束しましょう」
「ああ、そういうことか! キミが『聲』なんだね! ということは、やっとクラウディアとお喋りできるのか。ボクはそれで構わないよ」
このときほど、レステーアがいて心強いと思ったことはなかった。
ドレスティンに連れられて會場を移する。
來たときとは違う廊下を進むと、クラウディアたちは個室が並ぶエリアに出た。
【電子書籍化決定】わたしの婚約者の瞳に映るのはわたしではないということ
わたしの婚約者を、わたしのものだと思ってはいけない。 だって彼が本當に愛しているのは、彼の血の繋がらない姉だから。 彼は生涯、心の中で彼女を愛し続けると誓ったらしい。 それを知った時、わたしは彼についての全てを諦めた。 どうせ格下の我が家からの婚約解消は出來ないのだ。 だからわたしは、わたし以外の人を見つめ続ける彼から目を逸らす為に、お仕事と推し事に勵むことにした。 だいたい10話前後(曖昧☆)の、ど短編です。 いつも通りのご都合主義、ノーリアリティのお話です。 モヤモヤは免れないお話です。 苦手な方はご注意を。 作者は基本、モトサヤ(?)ハピエン至上主義者でございます。 そこのところもご理解頂けた上で、お楽しみ頂けたら幸いです。 アルファポリスさんでも同時投稿致します。
8 76俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
ハクスラ異世界×ソロ冒険×ハーレム禁止×変態パラダイス×脫線大暴走ストーリー=前代未聞の地味な中毒性。 ⬛前書き⬛ この作品は、以前エブリスタのファンタジーカテゴリーで一年間ベスト10以內をうろちょろしていた完結作品を再投稿した作品です。 當時は一日一話以上を投稿するのが目標だったがために、ストーリーや設定に矛盾點が多かったので、それらを改変や改編して書き直した作品です。 完結した後に読者の方々から編集し直して新しく書き直してくれって聲や、続編を希望される聲が多かったので、もう一度新たに取り組もうと考えたわけです。 また、修整だけでは一度お読みになられた方々には詰まらないだろうからと思いまして、改変的な追加シナリオも入れています。 前作では完結するまで合計約166萬文字で601話ありましたが、今回は切りが良いところで區切り直して、単行本サイズの約10萬文字前後で第1章分と區切って編成しております。 そうなりますと、すべてを書き直しまして第17章分の改変改編となりますね。 まあ、それらの関係でだいぶ追筆が増えると考えられます。 おそらく改変改編が終わるころには166萬文字を遙かに越える更に長い作品になることでしょう。 あと、前作の完結部も改編を考えておりますし、もしかしたら更にアスランの冒険を続行させるかも知れません。 前回だとアスランのレベルが50で物語が終わりましたが、當初の目標であるレベル100まで私も目指して見たいと思っております。 とりあえず何故急に完結したかと言いますと、ご存知の方々も居ると思いますが、私が目を病んでしまったのが原因だったのです。 とりあえずは両目の手術も終わって、一年ぐらいの治療の末にだいぶ落ち著いたので、今回の企畫に取り掛かろうと思った次第です。 まあ、治療している間も、【ゴレてん】とか【箱庭の魔王様】などの作品をスローペースで書いては居たのですがねw なので、まだハクスラ異世界を読まれていない読者から、既に一度お読みになられた読者にも楽しんで頂けるように書き直して行きたいと思っております。 ですので是非にほど、再びハクスラ異世界をよろしくお願いいたします。 by、ヒィッツカラルド。
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