《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第87話 演習Ⅰ②

※無事第1部完結までPC力しました。書き溜めが80話(11/21時點)になってしまったので、投稿頻度上げます。

「や~。そのウイルス、ガンジス島には持って來ないでしいなあ」

「そんな事言ったってコーラ。本土と易したり、援軍頼まないとやってけないでしょ?」

「出たよ。優等生キャラ。皆さん、ソーラってね。こういう事言いながら、腹ではイチバン『島にウイルスれんなよ? ボケ!』とか考えてるから」

って來ないに越した事はないわよ! でも皆さん、そういうコーラがイチバン『染対策ガバ』だからね!?」

こんなじで、會議が終わってからもアマリアのふたりはウイルス漫談をずっとしていて、みんなはそれを遠巻きに見ていた。

その新型ウイルスは、政府がやっとその存在を認めたそうで。

まあ、ここまで々外から攻撃されて新型ウイルスの蔓延まで認めたら、敵國の手前ヤバイ、という事なんだろけど。――正直僕らにはもう、話が大きくなりすぎて、よくわからないというのが本音だった。

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取りあえず本土のウイルスが落ちつくまで、學校も始まらないし、本土に戻れるのもそれから、らしい。さすがにみんな家とかしいけど、毎日目まぐるしいし、ウイルスもイヤだし。

ホームシックになる子はいないみたいだ。これ、異常なんだけど。

そして、一応依は知っていた、と。バイト先の小児科で先生方が話してて、病院ではもう新型だという見解が広まっていて。あと、研修してくれた軍の人もそんな事を臭わせてたらしい。

「それだったら、もう言っちゃおうかな。わたしの知る限りでは、軍はもう弱毒化に功してるよ。カウンターで疑似ワクチン変異株を流布させてる頃だと思う。被害ゼロは無理だけど、限りなく『ただの風邪』にしちゃうんじゃないかなあ」

しばらく學校とか社會は「対染癥モード」になるかもだが、あまり心配しなくて大丈夫だそうだ。

*****

「じゃ、はじめよっか?」

KRMからの麻妃のかけ聲。

一斉に複數のエンジン音が高鳴って、し地響きみたいになる。

現在稼働する、ラポルトのDMT、全6機。

プラス、ソーラさんの、UO-008番機。

僕以外帯剣している。

実は、演習で島中央部の荒野に來ているよ。パイロットは全員DMTに搭乗中。

今から、実戦形式でDMT戦の練習にる。

で、このソーラさんの008は予備機なんだって。ラポルトに何機DMTが乗ってるのか、実は僕は知らされてないんだけどね。そういう報は知ってる人はない方がいいらしい。

敵に捕まった時対策なんだ。‥‥依みたいな事があるから。

「じゃ、私とコーラで演舞やります。ほら、コーラ、構えて。『波濤』」

「そら、こうやってすぐ仕切る。皆さんこの仕切り屋はねえ‥‥」

インカムでの會話を止めないコーラを、ソーラ機の上段からの振り下ろしが襲った。

それを難なくけ、返していくコーラ。

バシッ! バシッ! ガギン! ガギン! ドシッ! ドシッ! バギッ! バギッ!

まるで流れるように、剣と盾の攻防が続いていく。

そして僕らは、それを食いるように見る。

「センパイ、DMTがあんなにいてっス。しかも速い」

「だよね。関節の可域全部使って。生の人がやってるみたい」

「あ、あれ。當たっても大丈夫かな?」

「七道さん言ってたね。練習用の樹脂剣(テンポラリ)だから平気だって。でもDMT壊したらめっちゃ怒られそう~~」

そうだね。滅茶苦茶怒るだろうな。

「ふひ~。終わったあ。ひさびさだから疲れたぁ」

「あなたが艦で晝寢してた時も、私は軍で訓練してたんだからね。――――と、じゃあ皆さん。ペアを組んで始めてみて下さい。最初はゆっくりでいいですからね」

ソーラさんの聲を皮切りに、初島、來宮コンビ、浜、桃山コンビが、手に持った剣で演舞を始めた。――うん。初めてにしてはみんな上手いじゃないか。

「あれ? 僕は」

気が付いたら相手がいなかった。

「暖斗くんはこっちだぜ」

麻妃が、僕のDMTに指示をれてきた。

「まずはマジカルカレントでの集中、強化。暖斗くんの『劒(つるぎ)』は厚だからね。演舞はできんのよ。シミュで頑張って」

「ちぇ。わかったよ」

僕は言われた通り、息を大きく吸って、一呼吸。

マジカルカレントを発生させるために「集中力」を高める。現在、このマジカルカレントがどうして、どうやって発生するのかが、解明されていない。

だけど、その能力者(カレンター)の気分や調、脳のコンディションでMKの発生が左右されるのは的にわかってきてる。MKとは、脳波そのものなんだから。

「しっかしソーラ。いきなり絋國のDMT乗って、けてんじゃん?」

一通り、ラポルト子の演舞に指導をしてから、コーラとソーラはひと息つく。

「そりゃそうよ。コーラはいきなり実戦で、しかも咲見君の前衛やって戦果上げてたじゃあない? アンタはそうやって、昔からおいしいトコを!」

「『優等生キャラ』剝がれてんぞ‥‥? ソーラ」

「いいわよ。でも一個気になる。アマリア港解放戦で、アンタどさくさで、ツヌのE-XF(エクシー)の撃破判定取ってたじゃない? この中型で? どうして?」

「や~~。それはこのコーラ様の実力で」

「中型が大型を、だよ。偶然でもありえない」

「じゃ、運で」

「だから運でもありえないって言ってんの。アンタ能天気すぎるのよ。この絋國の中型DMT,ホントに中型なの? なんて名前なの」

「テオブロマ」

「それは各機の固有名稱でしょ? アマリアのX-45とか、形式。そういうの!」

「‥‥そういえば知らないねえ。暖斗くん達はDMT、各機は001とか002、としか言わないし」

「‥‥‥‥ひさびさにアンタと話したら、なんかイライラしてきた」

「さらにキャラ剝がれてっぞ? ソーラ」

大きく息を吸って、――――吐く。

これを繰り返して、エンジン音から、MKの発生をじ取る。

絶好調かどうかはわからない。でも悪いじもしない。

ピピ。また麻妃から指示メールが來ていた。攻撃目標の指示だ。

「暖斗くん。攻撃目標は目の前の山脈だ。なんか道路を通す予定があるから、吹き飛ばしてもオッケーなんだって」

「‥‥‥‥」

僕はジト目のまま、インカムに手を添えて、こう返す。

「山脈は無理でしょ。あそこの大巖でお願いしま~す」

※ この新型ウイルス、「アキシャ」という名稱ですが、「サジタ」と合わせてある事実を提示する伏線だったりします。オマケネタです。考察してみてください。楽しみにお待ちしております。

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