「おい、金を出せ」

銀行の窓口に座る私に向かい、男が低い聲でそうささやく。

手には拳銃らしきものが握られている。

靜かながら、その男が醸し出す異質はすぐに行中に広まった。

行員も利用客も、周囲の人たちは恐怖に震える。

私もおとなしくお金を差し出そうとする。

そこに「やめろ！」と聲を上げた人がいた。

黒ずくめの服を著た青年だ。利用客の中から飛び出してきた。

その青年の手にも拳銃が握られている。

「なんだお前？抵抗するのか？」

「こんなことはやめろ！撃つぞ！」

青年は強盜に立ち向かいそんなやりとりをしていたが、

強盜が引き金を引き、青年はあっさり倒れてしまった。

周囲から悲鳴が上がる。

強盜も慌てた様子でそのまま逃げだしたが、間もなく警察らしき人が何人か銀行にってきた。

「驚かせてすみません、実はこれは強盜がきたときの抜き打ち訓練でしてね」

そう言った男の顔は、倒れた青年を見つけた瞬間にの気を失っていた。

（↓解説はこのまま下にスクロールしてね↓）

――――――――――――――――――――

解説

――――――――――――――――――――

訓練のために強盜役で待機していた警察の青年。

そこに予期せず本の強盜が現れたよ。

青年が持っている拳銃はもちろん訓練用のレプリカだけど、正義が前に出て、一か八か強盜を止めようとしたんだね。

後からってきた警察集団は本の強盜が來たことも、青年警がやられてしまったことも予想だにしていなかったはずだから、倒れた青年を見つけての気が引いていったんだね。

――――――――――――――――――――