《星の家族:シャルダンによるΩ點―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困する外科醫の愉快な日々ー》石神家の七不思議
8月27日水曜日の夜7時。
アラスカからニューヨークへ寄り、響子を伴って日本へ戻った。
響子と六花・吹雪は俺の家に泊る。
作るのが面倒なので、夕飯は出前を取ることにした。
「た、タカさん」
「おう」
「う、鰻にします?」
亜紀ちゃんが恐る恐る聞いて來た。
先日の事件がまだ尾を引いている。
「いいよ。事前に連絡しておかないと、あの店が大変だからな」
亜紀ちゃんがホッとする。
笑顔を作って明るく言った。
「じゃあ、何にしましょうかねー」
「そうだな。おい、何か喰いたいものはあるか?」
みんなに聞いた。
ピザや壽司など言ってくる。
まあ、どうせ一軒では賄えないので、幾つか頼むことにした。
「じゃー、俺、鰻な」
「!」
響子と六花も鰻がいいと言うので、三人前注文する。
子どもたちは壽司とピザなどを頼んだ。
ロボには解凍したマグロやヒラメの柵を切った。
鰻はやはり味かった。
満足して「虎溫泉」にみんなでり、のんびりした。
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ロボは「ロボボート」で楽しむ。
吹雪はを洗ってから、涼しい座敷に寢かせた。
「響子、疲れてないか?」
「うん、大丈夫!」
雙子がかき氷を作り始めた。
響子にも小さなで食べさせた。
溫泉にっているので大丈夫だろう。
六花が輝く笑顔で俺と同じイチゴ練を頼んだ。
雙子が自分たちのかき氷を抱えて、湯船に來る。
ゆったりと溫めの湯を味わいながら、他ない話をしていた。
「タカさーん」
「なんだ?」
「うちの學校でさー。「七不思議」があるんだって」
「へぇー」
目隠しをされた皇紀も聞いたことがあると言った。
「音楽室で夜中にピアノが鳴るとかさー」
「理科室の人模型がこっちを見てるとかさー」
どこの學校でもある話だ。
「まあ、ありふれてるよなー」
「うん」
丁度季節は真夏だ。
ちょっと涼む話もいいだろう。
「じゃあ、石神家の「七不思議」な!」
みんながノって拍手をする。
雙子はちょっと怖がって俺の両脇に來た。
「1 うちの庭には時々ヘンなものが來る」
「あー、それはそうですねー」
「私たちは慣れちゃったけど。他所の人からすればコワイよねー」
「2 時々亜紀ちゃんが両手をまみれにして帰って來る」
「「「「「ワハハハハハハ!」」」」」
「なによー!」
悪人退治だ。
「お前! あんまり酷いことはすんなよな!」
「あ、亜紀ちゃん、いい子ですよー!」
「3 屋上に上がる梯子の數が違う」
「「「「「エェー!」」」」」
「ハー! お前がこないだふざけてぶら下がって引っこ抜いたんだろう!」
「あー! そうでした!」
みんなが笑った。
「便利屋に連絡したか?」
「ごめんなさい! すぐにします!」
「あとは何かなー」
俺もネタが盡きた。
ルーが言った。
「はい! 4 よく知らないの人が訪ねて來る!」
「なんだ?」
そんなのがあるのか。
「タカさんのファンみたいですよ」
「なんだよ、それ?」
「時々、タカさんをつけてくるみたいなんです」
「どうしてんだよ?」
「亜紀ちゃんと柳さんが、よくお話しして追い返してます」
「おい、暴力は振るってないだろうな!」
「だいじょーぶですよー 亜紀ちゃん、いい子ですよー」
「ほんとかよ。無茶するなよな」
「はーい!」
まったく、何をやっているのだか。
「はい!」
「よし、ハー!」
「時々夜中に、タカさんのお部屋での人の聲が聞こえる!」
「……」
「タカさん?」
亜紀ちゃんに聞かれる。
「お、俺の部屋は防音じゃんか!」
「コンクリートマイクで音を拾ってます」
「お前! 何でそんなもの使ってんだよ!」
「だって! タカさん以外の気配がするから」
ハーが文句を言う。
「あー、ほら。時々タマとかタヌ吉とかイリスとかと話すこともあってよ」
「タカさん! ヤってますね!」
「おい!」
「ちょっとオチンチンを見せて下さい!」
俺は湯船の上に出した。
「ヤってますよね!」
「……」
「あ! 今オチンチンが目をそらしましたよ!」
「お前、こえぇよ!」
「タカさん!」
「ヤってねぇ!」
ヤってる。
響子が俺の腹をつねった。
亜紀ちゃんはまだコワイ顔で見ている。
「もう!」
「そういえば、ロボは時々、何もない空中を見てますね」
六花が言った。
「ああ、見てるよな!」
俺は変わった話題に飛びついた。
「なんでしょう?」
「さー」
雙子がちょっとまた怖がって俺にくっつく。
「ネコって、見えるみたい」
「すぐにうちは消えるけどね」
「タカさんがいるからね」
そう悪いものではないらしい。
悪意があるものは、うちには近づけないそうだ。
「あー、6つ出たか」
「もう無いよね!」
「もういいよね!」
雙子が終わりたがっている。
まあ、下らない話だ。
思わぬ墓もあったが。
「あのー」
目隠しチンコが手を挙げた。
「なんだよ、皇紀?」
「たまになんですけど」
「おう」
「裏の研究棟に、知らないおじいさんがいませんか?」
「「「「「!」」」」」
「僕が一人で夜中にいると、廊下の向こうを歩いてたり」
「おい! マジか!」
「一瞬なんで、見間違いかも」
雙子がブルブル震えている。
「そういえばさ、柳ちゃんも前に言ってたよね?」
「こっちから研究棟を見てたら、誰かが廊下を歩いてたって!」
「うちの誰かかもしれないけどって!」
「でも、みんなこっちで寢てたんだよね!」
「おい……」
「「「「「……」」」」」
「……明日麗星に電話するから……」
「「「「「はい!」」」」」
「にゃー」
その晩はみんな俺と一緒に寢たがった。
雙子の部屋からベッドを運び、ソファをどかしてみんなで寢た。
ロボが楽しくなったか、ずっと飛び回っていた。
俺が冷房の溫度を下げると寒がってすぐに俺の布団に潛り込んだ。
やっとみんなで寢た。
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