《星の家族:シャルダンによるΩ點―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困する外科醫の愉快な日々ー》早乙家の家庭料理

上で雪野さんに歓迎され、俺たちは禮を言ってテーブルに付いた。

ランたちが料理を運んで來る。

食事が始まり、早乙が「柱」の一発蕓を雪野さんに話した。

雪野さんがどういう顔をして良いか困っている。

「あれって、やっぱり石神が教えたのか?」

「ばかやろう!」

「だってさ」

「お前! 俺をどう思ってるんだ!」

「え、やりそうじゃないか」

「!」

まあ、オチンチン「花岡」とかやってるが。

「お、俺はローマ教皇が挨拶に來るような人間なんだぞ!」

「ああ!」

早乙には話している。

「大変だったよな! 亜紀ちゃん!」

「そうですね」

反応が薄い。

「あー、こいつ。そういえば最初にトイレで締めましょうかとか言ってたな」

「ワハハハハハ!」

「すごいね、亜紀ちゃん」

「いいえー!」

俺は石神本家の話をして、早乙達を笑させた。

「ああ、お前も知らないだろうけどな。熊野の山の中で、毎年大量の「墮我」って妖魔が発生するんだよ」

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「そうなのか!」

「まあ、石神本家の年中行事らしくてな。今年は俺も連れて行かれた」

早乙達にまた話してやる。

「俺が間違って王みたいな奴を殺しちゃってさ。もう來年からは湧かないかもって」

「タカさん、怒られましたよねー」

「そうだよ! 全然説明しないで放り出したくせによ! 俺が「大墮我」を殺したら、みんなでボコボコにしやがって!」

「タカさん、木に縛られて帰って來たよね」

「まあ、気絶してたから知らん」

みんなが大笑いした。

「あの人らは、他にも妖魔とか今でも狩ってそうだけどな」

「今度紹介してくれよ」

「無理」

「え?」

「怖ぇんだよ! 俺が!」

「石神さんが?」

雪野さんまで驚く。

「あのね、あの人らの狂いっぷりを知らないんですよ。奧義を教えてやるって、その奧義を突っ込んで來るんですから。俺、死ぬかと思いましたよ!」

雪野さんが笑った。

「まさか、石神さんが怖がる人がいるなんて」

「いますよ! 石神本家はみんなコワイし。それに、ピアニストの橘彌生! あの人も怖くてしょうがない」

「タカさん! 次のCDを早く出しましょうよ!」

「ね? 俺には味方がいないんですよ」

みんなで笑った。

「うちでもよく聴いているよ。憐花も大好きなんだ」

「お前くらいは俺の味方をしろ!」

「無理だよ! もっと聴きたいよ」

「そうですよね」

「あの、堂総理の大演説會のブルーレイもしょっちゅう観るんだ」

「石神さんの演奏が素敵ですよね!」

「タカさん! 別荘にお呼びしましょうか!」

「俺が今、あの人が苦手だって言ったよな!」

楽しく食事をした。

ナスの揚げ凄く味かった。

「雪野さん! このナスの揚げ味しいですね!」

「そうですか!」

「片栗ですか! シンプルなのに本當に味い!」

「中華料理屋で食べたんですよ。私も大好きで」

「へぇー!」

作り方を教わるまでもない。

ナスの切りに片栗をまぶして揚げただけのものだ。

俺が褒めるので、みんなが取って食べた。

「あ! 味しいよ!」

ルーとハーが驚く。

「俺はナスが好きなんで、いろいろ作るんですけどね。こんな作り方はしたことがない」

「簡単なのに、味しいですよね!」

「亜紀ちゃん! 雪野さんが50年かけて極めた料理なんだ!」

「私まだ30代ですが」

俺が「雪野ナス」と命名すると、雪野さんが大笑いした。

「うちでも「雪野ナス」を作るぞ!」

「「「「はい!」」」」

鮑の酒蒸など高級素材もあったが、ほとんどは普通の家庭料理の範疇だった。

気楽に食べられて、それでいて味しい。

ご飯ももちろんあったが、蕎麥やパスタも出て飽きさせない。

點數が多いことで、本當に一つ一つが楽しみになる食事だった。

串カツなども、久し振りだ。

ロボがいろいろな刺をもらい、雪野さんに「にゃーにゃー」鳴いて禮を言っていた。

「人間って、いつの間にか同じようなものばかり喰うようになっちゃうんですね」

「それは仕方がないでしょう」

「俺の家なんて、蕎麥作っても薬味がステーキですからね」

みんなが笑った。

「ルーちゃん、ハーちゃん、メザシは味しかった?」

「はい! でも、結局タカさんがステーキを食べ始めたら、みんなもそっちで」

早乙たちが笑った。

「でも、メザシも味しかったよね?」

「うん! またやろうよ!」

「石神さんに頂いたこのお米、味しいですよね!」

雪野さんが言った。

「まあ、そうなんですが。亜紀ちゃん、あとどのくらい殘ってる?」

「1トンくらいですかね」

「また新米が出來ちゃうよなぁ」

「ルー! スーの一族にはやってるか?」

「毎日あげてます!」

「みんなきが良くなったよね?」

「そうか」

健康にもいい。

「いよいよとなったらアラスカだな」

「そうですねー」

「こないだ、去年のチロルチョコがまだありましたよね?」

「ワハハハハハ!」

俺がバレンタインデーのものを大量に送った。

「ああ、三人もそのうちにアラスカへ招待するからな」

「本當か!」

「街が結構き出したからな。案するよ」

「楽しみにしている!」

楽しく話して、食事が終わった。

酒を用意すると言われたが、斷った。

「明日は7時に出発するからな」

「ああ、分かった」

「ハマーと六花のグランエースで行くからな」

「うちも車を出そうか?」

「大丈夫だよ。ああ、でも憐花がいるから、お前たちはグランエースの方がいいかな」

「そうなのか?」

「六花が響子を乗せるために、やたらとクッションを良くしたんだ」

「そうか。じゃあそちらに乗せてもらおうかな」

雪野さんが憐花を抱いて、早乙と一緒に見送りに出てくれた。

エレベーターホールで、また「柱」が両手を腰に當てて待っていた。

「……」

《ぱたぱた……スポ》

「「「「ギャハハハハハハハ!!!!」」」」

「お、おう! お邪魔したな!」

「柱」が手を振っった。

雪野さんが真っ赤な顔をしてうつむいていた。

「なんで石神が來るとああいうことをするんだろう」

「俺のせいにするんじゃねぇ!」

「だって、今まであんなこと、したことないぞ?」

「お前がやってるのを見たんじゃねぇの?」

「そ、そんなことない!」

「雪野さん、どうなんです?」

「し、しりません……」

門の前で、俺がポーズをしてやった。

「「「「ギャハハハハハハハ!!!!」」」」

誰だか、今日は上品にしろと言っていたが。

まあ、俺のせいじゃない。

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