「明日の夜には出発するからな」

父さんが仕事に失敗し、方々に借りていたお金を返せなくなった。

その都合で、僕たち家族は夜逃げをすることになったんだ。

小學校の友達に會えなくなるのは悲しいけど、夜逃げの意味がなくなるからとくぎを刺されているので、誰かに言うこともできない。

せめてもと思い、夜逃げ當日の夕方、友達みんなをって遊ぶことにした。

流行りのカードゲームを手に持って公園に向かい歩く。

皆もう集まってる。

公園のベンチの上でしばらくカードで遊び、

最後に僕が鬼をするからとかくれんぼを提案する。

皆は賛してくれて、ササーッと隠れにいく。

皆の「もういいよ！」という聲が聞こえてくるなか、

僕は「皆ごめん、ありがとう」と心の中でつぶやく。

その後、僕は荷をかごにれ、自転車に飛び乗って涙をこらえながら家に帰った。

このカードと自転車は、今でも寶だ。

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解説

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この子は歩いて公園に行ったはずだけど、帰りは自転車に乗っている。

つまり友達の誰かの自転車を奪って逃走しているんだね。

かくれんぼの鬼を名乗り出たのは、友達を自転車や荷から引き離すため。

みんなのカードをサッと取って自転車で逃走。

その日の夜には夜逃げをするわけだから、何かを言われる心配もない。

父親も借金で夜逃げをするくらいだし、この親あってこの子ありってじだね。

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