「ああ。構わん。食料はたくさん買っている」

俺はそう答える。

飛びり參加がいるかもしれないと考え、は多めに購している。

正直に言えば、やや想定以上の人數だが……。

いざとなればまた買い出しに行けばいいし、大した問題ではない。

「やったー！」

「お、お！」

「筋のオッチャン、大好きだぜ！」

「ありがと～。筋おじちゃん～」

孤児たちが喜ぶ。

まったく……。この子たちは本當に可いな。

ネネコとはまた違った可さがある。

「ほ、本當にありがとうございます……。リキヤ様……」

レオナが頬を赤くしながら俺を見つめる。

その目は、まるで神様を崇拝するような輝きを放っていた。

……そこまで謝されると照れくさいぞ。

「さあ、行こうではないか」

「「「「「はいっ！！」」」」」

チンピラたち、ネネコ、レオナ、その他の孤児たちが元気よく返事をする。

（この人數だと、応接室にはり切らんかもなぁ……。仕方ない。庭でバーベキュー形式にするか）

俺はそんなことを考えながら、みんなと共に領主邸に向けて歩き始める。

領主邸のり口に到著した俺たちを待っていたのは、メイドのサキだった。

「よう。戻ったぞ。や酒をたくさん買ってきた」

「り、リキヤ殿……。何だか人數が増えていませんか？」

サキは驚いた表でそう尋ねてきた。

「ん？　まぁそうだな」

俺とチンピラたちは、當初から宴會に參加する予定だった。

街で買い出しをしている時に増えた參加者は、ネネコ、レオナ、そしてその他の孤児たちだ。

「いいじゃないか。人數は多いほうが楽しいだろ？」

「し、しかし……。あの部屋にこれだけの人數は……」

「なに。外でやればいいだろう」

「そ、外！？　外ですか！？」

「おうよ。庭なら広いだろ？」

俺の言葉に、サキが驚きの聲を上げる。

そんなに驚くことかね？

「キッチンでおなどを調理して、庭に運んで……。立ち食い形式ならば何とかなりますか。確かに、この人數ならば庭でやるしか……」

サキが思案顔になる。

宴會が円に進むように、いろいろと考えてくれているようだ。

「大丈夫だ。この庭でを焼けばいい。それに、立ち食いというのも疲れた奴らにはキツイだろ」

「え？　ですが運ぶことができる調理など限られていますし、テーブルや椅子を室から出したら領主様やメイド長から怒られちゃいますよぉ……。ただでさえ説教確実なことをしているのに……」

「俺に任せておけ。いい考えがある」

俺はニヤリと笑みを浮かべる。

その表を見て、サキやレオナたちは首を傾げている。

ネネコだけは、どこかワクワクとした顔をしている。

「ふむ……。これは立派な木だな」

「へ？　あ、はい……。それは領主様が一番大切にされている木ですね」

俺は庭で一番大きな一本の大樹に歩み寄る。

かなり大きいので、枝の上に立つことも出來そうだ。

「これにしよう」

「……えっと、一何をなさるので――」

「ふんっ！」

「え？」

サキが呆けた聲を出した瞬間だった。

ボキッ！　という音を立てて、目の前の大木が倒れて地面に橫になったのだ。

「……は？　は？？？？？？？？？」

メイドのサキは目を丸くさせて口をパクパクとさせている。

他の皆も、同じように驚いている様子だった。

「まだまだぁ！　そりゃぁ！　とうっ！！」

俺は素早いきで大木を加工していく。

機や椅子、皿やフォークだ。

「よし。完だ」

ものの數分で作った即席の食卓が完した。

「さあ、出來たぞお前たちぃい！！！」

「「「うおおおおおっ！！　凄ぇぇえええっ！」」」

俺が作った宴會場を前に、チンピラ、孤児、ネネコは歓聲を上げていた。

「あ、あわわ……。領主様の木を勝手にこんな……。いえ、それよりも素手でこんな加工ができる人がいるなんて……」

サキは目を丸くして驚いていたのだった。