《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》聖騎士団の逃げ集団形

一斉には構えられる杖。

しかし、參加者の全員が魔法使いではない。

無論、2人1組という規則上、攻防専門を魔法使いを後ろに乗せているチームが多い。

しかし、魔法使いをパートナーとして得られなかったチームのために、特殊な杖が配られている。

特殊な杖は、1日10回の重力魔法の使用可能。 同數の魔法障壁の使用可能。

「一、いくらしたんだか?」とベルトの呟きに

「あら? 一本であなたの年収よりもない値段よ」

そう言うのは、競技の主催者であり、ベルトの雇い主なので正しい金額なのだろう。

それほどの高価な魔法の杖が先頭を走る聖騎士団たちに向かって――――放たれた。

しかし――――

「あっ! 馬鹿野郎、味方に當ててるんじゃねぇ!」

「やべぇ! 誤した奴のスピードが急に落ちて――――」

が相次ぐ。 本職ではない魔法使いでは者たちによる魔法行使ではよくある事だ。 加えて、慣れないワイバーンの騎乗狀態での魔法撃では普段よりもは失われて當然だろう。

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「ぜ、前方は大混です。 あっ! それでも聖騎士団の方々に魔法が――――ダメです。障壁で防されました。全員が無傷です」

メイルが前線の様子を伝える。

「これは、聖騎士団との差が広がるな。 ほら、どうしてフォスル団長たちが先頭にいるのか、理由がすぐにわかるぞ」

「ちょっとベルト! もったいぶってないで教えなさいよ!」

怒るマリア。一方、観察を続けていたメイルは――――

「あっ!」とそれに気づいた。

「団長さんたち、先頭の5匹だけが速度を上げて……仲間の5匹を殘して、急激に速度を上げて離れていきます」

「あぁ逃げ集団の形……あの5匹で、負荷の強い先頭を代しながら、今日のゴールまで逃げ切るつもりだ」

「なによ! 逃げるなんて卑怯よ……シルフィドいける?」とマリアは追撃を指示しようとする。しかし――――

「待てよ、マリア。厄介なのは、殘された5匹だ」

ベルトの言う通り、殘された聖騎士団のチームから5匹から攻撃手が杖を振り、牽制を始める。

「ちょっと、どうするのよ。これじゃ競技として立しないじゃない。どうにかしなさいよベルト!」

「無茶を言うなよ」とベルトは肩をすくめた。それから、

「メイル、これからどうなると思う?」

「えっと……たぶん、ですけど……いつまでもこの狀態が膠著するとは思えません」

メイルの予想にマリアは「?」と、よくわからずにいた。

「メイル、もうしわかりやすく」

「私にもうまく説明できませんが、殘された5匹だって、いつまでも集団を牽制してコントロールする事はできません。この競技で重要なのは、空気抵抗や風だとしたら、いずれ失速を免れません」

メイルの言う通り、時間と共に徐々に集団との差がまり、やがて聖騎士団たちは集団に飲み込まれた。

「こいつら、卑怯な手を使いやがって!」

「何が卑怯なものか、全て規則て認められた戦略だ」

「じゃかましいわ! 食らえ!」

集団の先頭付近では、聖騎士団たちと他の參加者たちとの罵り合いが激しく聞こえてくる。

ついには、重力魔法をけて聖騎士団たちは、集団の中でも後方まで下がって行った。

「……さて」とベルト。

「メイル、マリア……速度を上げるぞ。そろそろ、加速地點だぞ」

「加速地點? あっ! わかりました!」

「な、なによ? 加速地點って? シルフィドはわかる?」

「いいえ、お嬢さま。しかし、確かな事が1つだけ」

「なにかしら?」

「ベルトさまに従ってついていけば、勝ち馬に乗れるのは確かですよ」

「あははは……シルフィド、あなたをベルトの弟子にした甲斐があったわ。ちゃっかりしてきたわね――――行きなさい。フランチャイズ家の栄を見せつけるのです」

意に!」

ベルトについて、高度をさげていく。

2匹のワイバーンの目前には巖山。 左右には切り立った崖。

その間にベルト&メイル組とマリア&シルフィド組はっていった

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