《星の家族:シャルダンによるΩ點―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困する外科醫の愉快な日々ー》シベリア大

別荘から戻り、早乙達と六花、響子が帰った後、俺たちはリヴィングに集合して作戦會議を開いた。

半年前から計畫は始まった。

ロシア國にジャングル・マスターがネットワークを張り、同時にシベリアの東端にかに「収容所」を設置した。

表向きは思想犯の収容施設であり、実際は科學者や技者、それに「業」の浸食に気付いて國外へ逃げたいという亡命希者の出用の一時的な保護施設だった。

まだ建設中で稼働は來春の予定だったが、既に建設は終わっている。

亡命希者はどんどんこの施設に集まっていた。

アラスカから大規模の輸送機がここに降り立ち、出させる作戦が立てられていた。

それが察知されたようだ。

ロシア軍二個師団が來るようなので、単純な施設の破壊などではないのだろう。

こちらの反攻も織り込んでの規模だ。

「輸送機は米軍が揃えるが、現地の走路が乏しい。C17輸送機で一度に300名を運ぶにしても、収容所の人數は8000人を超えている。一回の離著陸を30分で納めたとしても、13時間以上の長丁場になる」

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「チヌークなどは出撃出來ますか?」

「なるべくな。それでも10時間は切らないだろう」

「ジェヴォーダンも來ますよね?」

「多分な。今は表の軍隊だけのきだが、恐らく先行して來るだろう。亜紀ちゃん、ルー、ハー! お前たちはすぐに飛んでくれ」

「「「はい!」」」

「俺も明日中にアラスカをまとめて合流する。皇紀とロボはここだ。日本を守れ」

「はい!」

「にゃ!」

「柳と羽、紅も連れて行く。もうすぐ到著するはずだ」

一旦休止だと言って、子どもたちが晝食の準備を始めた。

後から來る柳と羽の分も作る。

柳と羽たちが到著し、みんなで食事にした。

食事をしながら、羽と紅に狀況を説明する。

食後にコーヒーが配られ、再び作戦會議となった。

皇紀が大きな畫面のディスプレイを持って來て、作戦の容を説明する。

「現場には防衛システムは一切ありません。出後に敵に鹵獲されることを考えてのことです。ですから、全て戦力はこれから送り込むことになります」

的にはお前たちだ。米軍も戦闘は行わない。國家間の戦爭にするわけには行かないからな」

「ですので、「虎」の軍と見做される第三勢力によるロシア國でのテロ活、ということになります。まあ、僕らならロシアと戦しても構いませんので」

全員が笑う。

「破壊許容範囲は、あくまでも敵勢力だ。なるべくシベリアの森林も破壊するな」

「えー! じゃあ、大技は使えないってことですかー!」

「そうだ。特に亜紀ちゃんは注意しろ」

「えー!」

「お姉ちゃん、これは「業」にこちらの戦力を知られないためでもあるんだよ」

「分かってるよ!」

「羽、紅、どんどん質問してもいいんだぞ?」

俺は遠慮がちに聞いている羽たちに言った。

「あの、じゃあ。的に敵戦力って、どの程度なんですかね?」

「未知だ。ロシア軍二個師団は分かっているが、恐らくその到著前に襲われる可能が高い。ジェヴォーダンが100、バイオノイドと呼ばれる改造兵士が5000。それと妖魔だ。妖魔がどれほど來るのかはまるで分からん」

「自分と紅は、妖魔相手と考えてよろしいんで?」

「そうではない。あらゆる敵戦力と戦してもらうことになるぞ。何しろ數での拠點防衛になる。敵の出方に合わせて戦うしかねぇ」

「分かりました」

「紅もいいか?」

「もちろんです」

「紅には最新鋭の拠點防衛裝備「バハムート」の武裝をしてもらう。羽にはカサンドラ100本を與える」

「スゴイですね」

「ロングソードで3分間。クールタイムは2時間。連続して使えるようにだ」

「分かりました」

俺たちはその後も作戦を話し合い、解散した。

亜紀ちゃんと雙子はそのままシベリアへ飛び、柳と羽、紅は迎えに來た「タイガー・ファング」に乗り込んでアラスカへった。

翌朝、俺は一度病院へ顔を出した。

第一外科部へ行くと、俺の部屋に誰か座っている。

見ると、一江だった。

「遅いぞ! 石神!」

「はい!」

俺は笑って自分の部屋へった。

ふんぞりかえって俺の椅子に座っている一江の頭をでてやる。

「悪いな、また數日留守にする」

「大丈夫ですよ。気を付けていらして下さい」

「頼むぞ」

一江には事を話している。

響子の部屋へ行くと、鷹も來ていた。

「お気を付けて」

「ああ、大丈夫だよ」

鷹が抱き著いて來て泣いた。

「何かあれば、すぐに呼んで下さい。飛んで行きますから」

「その時は宜しくな」

六花とも抱き合う。

「早く戻って下さいね」

「ああ、分かった」

響子はベッドで待っていた。

新しく作った虎のパジャマを著ている。

「じゃあ、行ってくるな、響子」

「うん!」

「レイ! 響子を頼むな!」

見えない空間にんだ。

「任せろ、だって」

「そうか」

響子の額にキスをして部屋を出た。

院長室にも行った。

院長には、俺の裏の活も既に話している。

「院長、申し訳ありません。數日また出掛けます」

「おう、無事で帰って來いよな」

「はい。もしかしたら「シベリア日報」のサイトに出るかもしれません」

「ほう、そういうのがあるのか!」

「さあ、あればいいですね」

「石神ぃ!」

怒鳴ったが、院長は笑っていた。

詳細は話さないが、俺がシベリアへ行くことは伝わった。

帰り際、院長の書二人が出て來て俺に聞いて來た。

「あの、院長先生が若返ったように見えるんですけど」

「そうだな、元気そうだよな」

「髪のまで増えてますよ!」

「アハハハハハハ!」

前に俺の家に泊ってもらった時。

院長に全てを話し、「Ω」と「オロチ」の末を食べてもらった。

靜子さんには翌朝、かに朝食に混ぜた。

俺は自宅へ戻り、蓮花に電話した。

「これから直接シベリアへ飛ぶ」

「はい、いってらっしゃいませ」

「敵の規模によってはブランたちにも応援を頼むからな」

「はい、いつでも呼び下さい」

皇紀が、斬と桜が到著したと知らせに來た。

「Ωコンバット・スーツ」に著替えさせる。

「花見の家」に移し、皇紀とロボが見送りに來た。

「じゃあ、家を頼むな」

「はい!」

「よし、行くぞ!」

三人で「飛行」した。

10分後。

俺たちはシベリアの収容所に著いた。

俺たちの到著を察知し、亜紀ちゃんと雙子が地上で手を振っている。

ここは、もうすぐ戦場になる。

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