《7 Start》
思考
佐藤真城ましろ
日曜日16時20分
お疲れ様會が催される予定の焼屋に向かっている途中
知り合いに遭遇した
彼の名前は柳田やなぎだ武
僕と同じ高校生である
髪をワックスでバキバキに固めた
目つきの鋭いコワモテ男子
彼は隣に彼らしき人を連れてUFOゆーふぉーキャッチャーの臺で遊んでいる最中であった
僕は邪魔しちゃ悪いと思い
脇を通りすぎたが
柳田はこっちに気づいて話しかけてきた
「佐藤くんじゃん!マジ良いところに來た!」
嫌な予がした
彼はこちらに歩み寄り
小聲で話しかけてくる
「今ちょっとお金が足りなくてさ…あとしであのぬいぐるみが取れそうなんだけど、手持ちが100円なんだわ…」
「だから金貸してくんね?」
嫌な予的中
現在の所持金が4000円
お疲れ様會の會費が3500円なので
僕には500円の余裕がある
現金は4000円だがチャージ式カードには家に帰るだけの殘高が殘っている
「彼に良いところ見せたいんだよ〜」
「頼むよ!」
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そんな事を言われたら協力しない訳にはいかない
両替機の方に向かって歩きだした僕を見て
柳田やなぎだは謝の言葉を述べた
「ありがとう!この恩は必ず返す!」
僕は柳田やなぎだに一言
「500円で取ってくれよ〜」
と告げた
両替機が故障中になっていたので近くの販売機に行く
1000円をれたが全く反応がない
何事だろうと眺めていると店の店員らしき人に聲をかけられた
「この販売機今壊れてるんだよ、業者に問い合わせした方が良いよ」
「そうなんですか…」
店員の親切な発言を聞き僕は攜帯電話を取り出した
トルルルルゥ
10回以上コールを鳴らすが相手が出る気配はない
柳田やなぎだが心配そうにこちらを見ている
僕も真剣な顔で柳田やなぎだを見る
見つめ合う事數分
殘念ながら電話が繋がる事は無かった
「日曜日だから業者さんも休みなんじゃないか?」
柳田やなぎだの言う事にしっくりきた僕は
1000円回収を斷念する
今の所持金が3000円…僕はもう焼屋に足を運ぶ事が出來ないと判斷して柳田やなぎだに1000円を渡し
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その場を後にした
17時00分
僕は攜帯電話で剣道部の部長に電話をかける
トルルルルゥ
「もしもし」
「佐藤どうした?」
「ちょっと々あったので今日の打ち上げは參加できそうにありません」
「そうなのか?うーむ、分かった!ゆっくり過ごせよ!」
「はい、ありがとうございます」
そう言って僕は電話を切った
お腹がすいた…
焼の為に晝飯を抜いていたせいだろう
僕は行くあてもなく歩き出す
せっかく普段來ない街まで來てるのだし
この辺りで味しいでも食べたい
し歩くとチキン専門店の「極悪チキン」と言う移屋臺が目にった
僕はお腹が空いていたので店員の顔を見るやすぐに注文をした
「極悪チキン丼一つ」
「極悪チキン丼ね〜」
店員さんは元気よく返事をすると煙を上げながら調理をする
屋臺の中は全然見えないが
漂ってくる煙はとても香ばしい匂いを撒き散らしていた
待つこと數分
「お待ちどーさん!極悪チキン丼!700円ね!」
僕は1000円札を渡してお釣りと丼をけ取った
「ありがとうございます」
店員さんにお禮を言い近くのベンチに腰掛ける
プラスチックの蓋を開けると香ばしい香りが鼻腔をくすぐった
発泡スチロールの容に盛られた白米に
テラテラとるチキン
マカロニと紅しょうがが彩りをかにし
中央には刻みネギが散らしてあった
「いただきます」と一言口ひとことくちにしてから
割り箸で頂く
ホカホカのチキンに濃ゆいタレが絡みついていて
絶品である
濃い味なのに上品に主張してくるタレ…このタレはきっと長きに渡り試行錯誤したスペシャルなタレに違いない!
マカロニや紅しょうがもメインを引き立てる為に頑張っていてコレぞまさに友!
空腹と言うスパイスも相まって最高に味しい!
こんなに味しい移屋臺に出會えたであえたのだから今日は幸運こううんな日かもしれない
そう思いながらチキン丼をたいらげた
17時45分
たこ焼き屋さんを見つけた僕は迷いのない足取りで注文臺へ向かう
「スタンダードたこ焼き16個り一つ」
「スタンダード16個りですね〜
店でお召し上がりですか?」
「店でいただきます」
「かしこまりました〜1065円になります!」 
僕がお金を払うと
店員さんは微笑んで
17番と書かれた札ふだを渡してきた
「ありがとうございます!々お待ちください!」
僕は注文臺からし離れて調理場が見える場所に移する
暇なので、たこ焼きがひっくり返されるのを観察していた
いつ見ても良い景である
調理をしている店員さんの顔を見る
店員さんは楽しいような、そうでもないような
よく分からない表を浮かべていた
立ちながらしばらく待つと
「17番のお客様〜!」
店員に呼ばれたので僕はたこ焼きを取りに向かった
「スタンダードたこ焼き16個りですね〜」
出されたたこ焼きを見て僕は店員に一言ひとこと
「すみませんがディスペンサーでお願いしても良いですか?」
「その場合小分けこわけのマヨネーズは付かなくなりますが、よろしいですか?」
「大丈夫です!」
「かしこまりました!」
店員さんが豪快にマヨネーズをかけてこちらにたこ焼きを渡してきた
「お待たせしました!」
僕は店員さんの目を見て
「ありがとうございます」
とお禮を伝え、たこ焼きをけ取る
一番隅っこのテーブルが空いていたので、そこに腰掛けた
大きい木製の舟皿にたこ焼きが16個並べられていた
「いただきます」と一言口ひとことくちにして
割り箸で頂く
味い!外はカリカリ中なかはふわふわ!そしてタコがプリプリしている!
絶妙な焼き加減で生み出された最高の球!
サクサクを楽しませてくれた後に優しさで包みこんでくるこのじ
カリふわだけでは飽きが來ると見越してなのか
中に仕込んであるタコが後から主張してくるのも素敵だ
楽しそうに躍る鰹節…青のりもノリノリである
絡みついた特ダレは甘いのに何処か健康的な味わい
そしてなんと言ってもマヨネーズ
ディスペンサーによって綺麗な線を描くえがくマヨネーズは
豪快かつ繊細と言う言葉がピッタリ合う程
しい網目を作り出していた
マヨネーズがる事でタコ焼き全の方向に迷いがなくなる!
迷わねーぜ!と言う強い意志をじる
やはりディスペンサーでやってもらって正解だった!小分けにされたマヨネーズだとどうしても上手くかけられず微妙になってしまう
「ごちそうさまでした」
そう呟いて店を出た
所持金がないので家に帰る事にした
18時40分
コンビニにり160円のチキンを購
コンビニの外でチキンを食べながら柳田やなぎだは上手くいっただろうかと考える
月曜が始まったら直接聞いてみようなどと思考を巡らせていると足元に貓が居た
どうやらチキンが食べたいらしい
チキンをちぎり足元に落とす
すると貓はチキンに夢中になっていた
僕は調子に乗ってチキンの皮を地面に沢山撒き散らした
良い事をした気分になり優越に浸っていると
コンビニの店員に聲をかけられた
「ちょっと!あなた張り紙見えないの!?駄目だよ!ここで餌あげちゃ!」
店員は凄く怒っていて、かなりの危険人にじた
「すみません、お腹を空かせてそうだったので」
「お腹を空かせてても、今後の為にならないんだからダメよ!貴方あなたが責任持てるの?」
「責任は持てないですけど、綺麗に食べてくれてるし問題はないんじゃ?」
「あのね〜!貓に餌をあげると繁が凄いのよ!」
「それは良い事では?」
「単純な話だけど、數が増えると街の人が面倒を見れる數を超えちゃう訳よ!面倒見てもらえなかった貓は飢え死によ」
「餌を與えられなかったら結局はこいつも死ぬんじゃないの?」
「それはそうよ…でも悲しみが待ってる事が分かってて、それでも貓を増やそうって思う?苦しみを無くしたくて餌をまいてるのに、そこから悲しみが咲くのは嫌じゃない?」
「君の言ってる事は一理ある」
「99理ぐらいあるわよ、ただ貴方あなたの言い分も理解は出來るわ…だけど!ここはコンビニエンス!言わば所有者の土地な訳!ここのルールはここの所有者が決めるわ!」
「仰るおっしゃる通りです」
「分かったら悔い改めて、今後はバレない所でしなさい!」
「すみませんでした」
説教から解放された僕は家に帰る事にした
帰りの電車に乗りながら貓の事を考える
貓達はなにを生き甲斐にしているのだろう
食糧を食べて、散歩して、日向ぼっこをして
時には喧嘩もするだろう
貓の気持ち…
考える程に分からなくなる
ミステリアスな存在
貓と意思疎通が取れる程技が発展したら
貓達はこの問題に対してなんと答えてくれるだろうか
そもそも人間の作った技で行けるのだろうか?
同じ言語を使う者同士ですら噛み合わないし分かり合えないのに
僕は考えるのが馬鹿馬鹿しくなり思考を止めた
するとスマホが鳴る
SNSのグループメッセージに剣道部の楽しそうな寫真が表示された
それをぼんやりと眺めながら「焼が食べたかったな…」と獨り言を呟くのだった
もしも変わってしまうなら
第二の詩集です。
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