《7 Start》

青春

金田裕介

…日曜日11時11分

俺の朝は遅い

夜の4時頃に寢て

朝の11時11分に目が覚めた

いつも起きる時間帯はバラバラで

それを咎める者は誰も居ない

目を覚ます為に

軽くシャワーを浴びる

シャワーはそんなに気持ちよくじない

昔は風呂が好きで

溫泉巡りなんかもしていたが

最近は遠出をする事すらなくなっていた

俺は5分で風呂から出た

風呂上がりの火照った

エナジードリンクを流し込む

朝はカフェインを摂取しないと

落ち著かない

著替えを終えたらまずは攜帯で

SNSをチェックする

すると複數のの子から

個別のメッセージが屆いていた

「ありがとうぼくもあいしているよ!っと」

の子達にパパパッと

メッセージを返していく

その容は

してる」から「死ねば?」まで様々で

喜怒哀楽を使い分けている

俺はSNS上じょうでは

一般的なサラリーマンを演じている為

普段サラリーマンが働いてる時間帯に

SNSを使う事はない

ないのだが今日は日曜日なので

時間帯を気にする必要もないのだ

何故時間帯を気にするのかと言えば

前にSNSで貰ったコメントのせいである

「10時ですけど、仕事してないんですか?」と言うストレートな疑問がぶつけられた

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働き方が多様化している現代で、休む曜日、働く時間、働く場所等が全員揃ってる訳がないのにだ

前時代的価値観だなと思いながら俺はそいつを無視した

しかし一般的な価値観とは強いもので俺は一時期SNS上じょうでニートと言う事にされていたらしい

俺氏ニート説を広めたのはストレートにコメントをして無視された人

無視をするって事はニートって事なんだと

勝手に解釈したらしい

無言を勝手に解釈してしまうのは我々の悪癖だ

無言は無言でありそこには答えなど書いていないのだ

現実ならば表、雰囲気、態度等から

推察できる事もあるかもしれない

だがSNSは文字なので解釈の幅が広がりすぎてしまう

とある聡い男が言っていた「SNSは人類には早すぎる」と言う言葉は

的を得た発言だと俺は思う

まぁ実際問題俺はニートみたいなものではあるのだが

そんなじで俺はSNSを使う時間帯を気にする男になってしまったのだ

しょーもないけどサラリーマンを演じる為には仕方がない

俺はSNSチェックを終えると

パソコンを立ち上げる

HMと書かれているフォルダを開いて

中にっていたMP3ファイルで音楽を流す

「ドリームシネマのトレインオブソード…マジで名曲しかないわ…」

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俺は獨り言を呟いて

エナジードリンクをグビグビ飲んだ

パソコンでピンクの検索エンジンを立ち上げると様々なサイトにアクセスする

自作のアプリケーション「オソマツ」を使って膨大な報を取捨選択していく

オソマツに選ばれた素晴らしきデータ達を

今度は自らの五で厳選して行く

厳選されたデータ達をパソコンに保存

様々なフォルダへと振り分け

俺のテンションは上がりばくあがりしていた

俺は履いていたズボンにエナジードリンクをかける

「フヘヘ」と変な笑いがれた

12時00分

俺は別の作業に移った

HMフォルダを再び開いて

MP3ファイルで音楽を流す

今度はクラシックの名曲メドレーだ

3Dモデリングソフトを立ち上げ

進行中のプロジェクトを開く

プロジェクト名は「kamiかみ」

人間でもロボットでもでもないモノをモデリングしていく

1時間近く作業をしていたが、納得いくものは出來なかった

「あ〜〜やっぱりの伴わないでは〜」

疲れたからか獨り言がれた

俺は再びSNSをチェックする

返信が複數件來ていたので

それぞれのメッセージに丁寧に返信をした

13時10分

次は本職であるトレードを開始する

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本職と言っても俺が儲けを出す事はほとんどない

俺は低コストでトレードをし

上手く行かなければすぐにやめてしまうからだ

何故そのような事をしているかと言うと

裁の為である

俺は現在無職で生活しており

寶くじで當てた大金を使って暮らしている

周りに寶くじの事を言いたくない俺は

トレーダーとして生計を立ててるフリをしているのだ

フリならわざわざ実際にトレーダーの仕事をする必要はないのだが

俺は友達に

「毎日トレードで忙しい」等などと言っているので

毎日の日課にも仕方なく組み込まれているのだ

あわよくば上手くなりたい気持ちはあるが今の所は焼石に水狀態である

ふと

時計を見ると

時刻は13時20分だった

今日は近くにある焼屋で

高校の時の仲良しグループと會う約束をしていたのだ

俺は今日のトレードごっこを終了して

約束の場所に向かう事にした

13時40分

飲み會を予定している焼屋に著いた

14時に予約をしていた為

20分も早く著いた事になる

外出するのが久しぶりすぎて

ちょっと張り切りすぎたかもしれない

皆はまだ來ていないようだ

タバコでも吸いながら時間を潰そうと思い

近くの喫煙所に

喫煙所には三人の若い男

一人のおじさんが居た

俺はポケットからテセウス(1ミリ)を取り出す

かっこいいからと吸い始めたが

あまり得意ではないので

優しめのタバコにしている

肺に吸い込まず

口で弄んでいると

おじさんに聲をかけられた

「すいません…ライター貸してくれませんか?」

「はい」

俺はおじさんにライターを貸した

するとおじさんは手をらせて

持っていたタバコを灰皿スタンドの中に落としてしまう

おじさんが悲しみの表でこちらを見てくる

どうやら最後の一本だったらしい

気まずいのでタバコを一本譲る事にした

「吸います?」

俺がタバコを差し出すと

おじさんは微笑み

それをけ取った

「すいません…ありがとうございます」

すいませんと言いながらタバコを吸うおじさんの矛盾に俺はし笑いそうになっていた

おじさんが「ほっそいのー…」

と呟く

俺は急に殺意が湧いてきた

13時50分

知り合いが一人喫煙所にってきた

「お!金田かねだ久しぶりだなー」

「お、久しぶりー」

俺は軽く返事をする

會うのは7年ぶりだから

本當に久しぶりだ

名前は海道正樹かいどうまさき

質なスポーツマンで

昔は運部で大活躍していた

今は大工の仕事をしているって風の噂で聞いた

高校生時代の友人だ

「元気にしていたか?」

「まぁまぁかな…正樹は?」

「俺は元気すぎて子供が二人出來たぞ!」

「マジ!?いつの間に…」

「まぁ忙しくてあまり周りに報告してなかったからな」

「そうなんだ、おめでとう」

「おう!」

正樹は昔から変わらずに元気そうだった

まさか子供が居るとは思わなかったが

まぁでもこの年齢だと割と普通ではある

最近は周りの結婚や出産などを

SNSでよく目にするしな

正樹と雑談をしていると

もう一人の知り合いが喫煙所にってくる

「ういーす」

彼の名前は宮代圭太みやしろけいた

長はし小さいが

メガネが似合う可い男だ

今は弁護士をやっていると聞いた

こいつも同じ高校だ

「圭太けいた!久しぶりだな〜」

正樹が圭太けいたの頭をで回しながら再會を喜んでいた

二人は心底しんそこ仲が良さそうで

斷の関係を連想させた

14時00分

俺達は予約の時間になったので店にった

店員さんの導で

4人用のテーブル席に案される

「14時スタートなので16時30分までは注文ができます!ドリンクは如何いたしますか?」

店員さんに尋ねられて俺達三人おれたちさんにんはとりあえず生なまで一致した

「かしこまりました〜」

店員さんが去っていく

テーブルには豚バラ、豚トロとんとろ、豚肩ロースぶたかたろーすが既に置かれていた

最初は豚から食えと言う事だろうか?

俺達は注文していない豚を焼き始める

が網の上でジュウジュウ鳴っていた

ビールが運ばれてきたので、とりあえず三人で乾杯をした

「寛太かんたの奴遅いな?」

正樹がもう一人のメンバーを心配している

「いつもだよなー」

圭太けいたが適當に返事をする

俺は無言でに集中していた

焼いたを皆に配る

「いただきます」と一言口ひとことくちにして

お箸で頂く

「うまい…」

久しぶりのはやはり味しいとじる

ビールとの相は最高だ

、酒、タバコをループする事で無限の幸福を得られるかもしれない

俺達がを焼いていると

もう一人の友人がやってきた

「もう食べてる!?ずる!」

來るなりぼやきだす

こいつの名前は安田寛太やすだかんた

俺達のムードメーカー的存在で

長は小さいが筋質で運が得意だ

同じ高校に通っていたかよっていた

今はIT系の仕事をしているらしい

「お前が遅いからだろ〜」

圭太けいたが寛太かんたを責め立てる

俺達は久しぶりに集まって雑談をしていたが

久しぶりすぎて會話にぎこちなさをじる

それを察した寛太かんたが

小さい四角形のプラケースをテーブルの上に置いた

「みんなでこれやろうぜ?今日は久しぶりすぎて話題に困るかもと思ったから持ってきたんだ」

プラケースには20代トークと書かれていた

寛太かんたが簡単に説明してくれる

「このケースには丸まった紙がっていて、その紙にはお題が書いてある、そのお題に沿った話をするだけの簡単なゲームだが、これを使えば話題に困る事はない」

皆がルールを理解したので早速ゲームを始める事にした

じゃんけんで順番を決めた

正樹が最初だ

正樹が取った紙には

20代の験と書いてあった

正樹は1分程思案してから話を始める

「20代の験は々あるが、一番嬉しかったのは子供が生まれた時かな」

「ほほう」

「うちの嫁さんは華奢だから出産の時ちょっと心配だったんだよ…それでも俺の嫁さんは「大丈夫!」って強がっててさ、絶対産もうなってお互い勵まし合って、それでも不安を抱えながらしっかり向き合って、無事生まれてうまれてきてさ…嫁も無事で…あの時は本當に嬉しかったな」

「すげえ良いいい話だ…」

圭太けいたは涙を流しながら聞いていた

俺もし泣きそうになっていた

しんみりした空気を寛太かんたが変える

「まさに験ですな、じゃあ今度は俺なー!」

寛太かんたのドヤ顔で俺には言いたい事が伝わった

そう言えば、こいつも下ネタ好きだったなと懐かしい気持ちになる

場の空気を変えた寛太かんたが紙を取る

次のお題は20代の大失敗と言うテーマだった

寛太かんたは3分ぐらい思案してから

喋りだす

「20代の大失敗と言ったらアレだな…仕事で100萬近い損失を出した事かな…」

「100萬!?」

俺達は驚愕の表を浮かべる

「その時は食品系のメーカーに勤めてたんだけど、発注した資材のデータが古いままで改版されてない資材が來てしまったんだよ…擔當者に問い合わせたりしたけど結局は俺の責任になってしまった…稟議りんぎもあげてたのにさ」

「やばすぎるな…そう言う時こそ上が責任を取るべきなのにな」

正樹が正論を口にすると

寛太かんたは珍しく大人びた事を口にする

「まぁ下に責任を押し付ける事で上も事態の収拾はしやすくなるし、合理的には良いんだろうけど、責任を取らされた奴は出世の道から遠ざかるし、貧乏くじですわ」

場はし暗い雰囲気になっていた

どんよりした空気を変える為に今度は俺が紙を取った

テーマは20代に頑張った事だった

俺はし考えて喋り始める

「俺は畫像処理や畫像認識、機械學習を學んでいたから、その技で自作アプリケーションを作った事かな、時間は結構かかったけど、今の度にはそこそこ満足を得ている」

「すげー、的にはどんな事に使われてるんだ?」寛太かんたが興味深そうぶかそうに質問してくる

IT関連で働いてるから気になるのだろう

ただ正直な話をするとドン引きどんびきされるので言えない

「まだ詳しい話はオープンにできないんだ」

俺が噓をつくと寛太かんたはあっさり引き下がってくれた

「最後は俺っすねー」と圭太けいたが紙を取る

テーマは20代楽しかった思い出だった

圭太けいたは大學時代の思い出を熱く語っていた

俺以外の三人は同じ大學に通っていたかよっていたので

「あの時の話か」と昔話に花を咲かせていた

その話題からどんどんと話は広がっていく

皆みんな學生時代の話題は楽しいらしく

今日焼屋に來て一番の盛り上がりだと俺はじた

昔話が終わると

「皆みんな変わったよな〜」と

今度は今の仕事の話が中心となる

俺は噓のトレード話をして、その場をやり過ごした

17時12分

屋から出た

俺達は喫煙所で

タバコを吸いながら雑談をしていたが

家庭の事やら明日の仕事の準備やらで

17時半頃には解散となった

3時間ぐらいしか話をしてないはずなのに

異様な疲れをじていた

昔は平気で一日中喋れたのに

今は全てが違うようだった

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