異世界転生3日目。

俺は今、鶏と戦ったポイントからさらに北東へ移。

そこでシェルターを再展開し、1泊した。

盜賊にポイントを押おさえられている、かつ鶏のの匂いを嗅ぎつけて魔が、その2つの理由があったからだ。

そして、早朝。

朝日が登ってきたのと同時に起床。

俺はすぐにシェルターの外に出た。

今日こそ。

「オープン・カフェ！」

シェルターを部に含む狀態で、建が出現。

木造の、『ロッジ』のような佇たたずまい。

シェルターの無骨さに反して、お灑落な外観。

建の床はし高い位置にあり、3段の木製ステップを踏んで、り口前へ。

引き扉に付けられたベルを鳴らし。

期待に踴らせ。

俺は喫茶店部に進んだ。

「なーーーーーーんも、ねぇ」

本當に、何もなかった。

シェルター以外、何もなかった。

無骨なコンクリートの床と壁。

カーテンも付いてない窓。

吹き抜けの天井。

それだけの言葉で表現できてしまう。

そう、つまり。

「家も、自前でクメンしろ、ということなのですね」

『喫茶店がしい』という願いに対し、『喫茶店（外面）』をプレゼントしてくれたサンタさん。

これ。

どうやって営業すればいいんだよ。

問題過多、前途多難。

いったい、何から取り掛かればいいのやら。

とりあえず、喫茶店の中心、い灰の床の上で寢転んでみた。

そして気づく。

空調がきいている、なぜかしらんが。

これなら、冬季凍死問題は頭から外すことができそうだ。

＊＊＊＊＊

二度寢していた。

不覚にも、この危険な異世界で。

そして覚醒は、喫茶店の扉のベルが鳴る音によってもたらされたのである。

「邪魔するぞー」

盜賊！

という咄嗟とっさの危険予知も、気のせいで終わってくれた。

黒い鎧と斧を裝備した長の男。

同じく黒い兜をゆっくりぎつつ。

こちらに近づいてくる。

盜賊の出で立ちではない、よかった。

これは。

強盜！

「お前に危害を加えるつもりはねぇよ。

俺は客だ」

「客？」

「いや、ここ喫茶店だろ」

「どうして、ここが喫茶店だと思ったんですか？」

「いや、だって。

看板、出てたろ。

カップとナイフフォークの。

カップは喫茶店であること、ナイフフォークは食事ができることに対応する。

この世界の常識だろうが」

「そうなのかー」

「それに、なんだよ、ここ。

なんもねぇじゃねぇか！」

「いやー、実は、現在開店へ向けて準備しているところでして」

「じゃあ、まだ看板を表に掲げるんじゃねぇよ」

「すみません」

看板、気づかなかった。

あとで、外してこよう。

「じゃあ、邪魔したな。

俺、帰るわ」

「いやーーーーー！

ちょっと待って！！」

この人、いい人そうだ。

引き出さねば！

報、ありったけ、引き出さねば！

「実は、今、試作品を検討してまして。

お代いりませんので、食べて想とかもらえないかなー、って」

「毒とかってねぇだろうな」

「ないです、ないです。

10分ほどお時間ください。

すぐ出來上がりますので」

＊＊＊＊＊

黒い鎧の男に提供するのは、昨日の俺の晩飯、『照り焼きチキン』である。

香ばしい匂いが食を掻かき立てる。

「おお！

うまそうじゃねぇか！」

「うまいですよ。

ただ、1つ謝らないといけない點があります」

「なんだ？」

「手づかみで食べてください。

実は、まだ、ナイフとフォークも用意できていませんでして」

「ナイフとフォーク、用意できてない狀態で、ナイフとフォークの看板掲げてたのかよ」

さらに言えば、お皿もないのである。

故に、フライパンに乗ったまま提供している狀態。

「あははー。

でも、味には自信があるので」

黒い鎧の男は、男らしく1枚をペロっと舐めるように胃の中に収めた。

もっと味わって食べて！

「なんだこれ、甘辛くて、クッソウメェ！」

「全部、食べてもらって結構です」

よしよし。

喜んでもらっているぞ！

これは、店のメニューに加えたいところだ。

ただ、可能ならば、『照り焼きチキンサンド』にまで昇華したい。

このため、『パン』『レタス』『マヨネーズ』が必要だ。

ああ、早く街で買いがしたい。

「もう、いらねぇよ」

「なんで！？」

「タダメシほど恐ろしいものはねぇってこった。

そもそも、こんな場所に喫茶店があることが異常なんだ。

お前が求めているものはなんだ。

正直に話せ」

これは、ラッキーな展開かもしれない。

「しいのは、報です。

自分はこの土地にやってきて、まだ日が淺いです。

食材の備蓄を手するため、近くの町か村を訪れたいと思っています。

簡易的なテーブルとイスや、そして食類も」

そこまで説明すると、男は殘りのチキンを高速で胃の中に放り込んで行った。

そして、何かを手渡してくれる。

これは・・・。

コンパスだ！！

「西へ行け。

ここからまっすぐ西へ向かえば、森にたどり著くが、そこに小さな村がある。

このポイントからなら、そこが最も近い。

農村だから、食材も富だ。

村人もいい奴が多い」

「無限の謝を」

「じゃあな、久々に驚くほど旨いメシだったぞ。

俺は急ぎなので、これ以上の話は村人に聞くんだな」

そう言って、鎧さんは去っていった。

初めてのお客様、報酬はコンパスと方角報。

ついに始まるんだ。

俺の、喫茶店繁盛日記が！