《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第18話 朝から発したわ

1週間経ち、私は退院し、このよく解らない病院から直接登校することになった。

制服は綺麗にクリーニングされお代も持ってくれて鳴島さんがさらに送り迎えしてくれるらしい。

マスコミや防犯対策とどうせ帰りに栗生院くんの病院に毎日寄るので。

「なんだか至れり盡くせりだわ…あ…私のバイト先のコンビニどうなったんだろ…」

「あそこは悪いけど辭めさせてもらったよ」

としらっと栗生院くんが言うので

「えええっ?なっ何でっ?」

「だってあのバイト先はもう有名だし君がいなくても大繁盛で今やっても忙しいだけだよ…それに僕に毎日會えなくなるし」

と口をとんがらすがおい待てや!アパートの生活費とかあるんだからね?

「君のアパートも解約してマンションに移しておいたよ?大丈夫セキュリティはばっちりだし限定だしお金は気にしないでね、もちろん僕が出すからバイトしなくていいよ」

「いやいやいや!気にするし、院代やクリーニング代もあれなのに何でそこまで!」

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すると信じられないことを口にした。

「え?だって…時奈さんを守る為だよ?それにいずれ結婚したらお金は僕が払うのは當然じゃない?」

ぶっ…ぶっ飛んでやがる!!けけけけけけっ結婚!!!!???もう私は石化し始める。

「そろそろ行かないとね、ああ寂しいなぁ」

「夕方にまた來るよ…」

と私は病室を出ようとしたがベッドから起き上がる栗生院くんを見て

「何してんの?寢ててよ!起き上がれるようになったとは言えまだあんまりいちゃダメなんだよ!?」

「見送りしないと…」

「いいよ!ここでいい!傷口が開く!!」

私は必死で止めるが

「ならハグして?」

「えっ!!」

何言ってんの?ハグなんて!傷口が開いたらどうすんの?

「軽くなら大丈夫だよ…ね?してくれないならよしっ…頑張って歩くか!」

と言い出す。ダメだ。私は負けて

「解ったからかないで!」

ととりあえず私は軽く彼にハグするとめっちゃぎゅーっとされた。

「ひいっ!バカっ!傷口が開いちゃう!!」

「いてて…ほんとだ」

ひいいいっ!また私のせいで!!

「噓だよ大丈夫だよ…いってらっしゃい…」

とようやくを離されたと思ったらほっぺに軽くキスされ微笑まれる。

ズドドドドとまた私はイケメンによるミサイルを撃ち込まれる。

ヤバイ。これもう一歩歩くごとにイケメンの地雷がある。踏んだら最後だ。

赤くなりスゴスゴ病室を出て投げしたい気持ちを抑えながら私は廊下で待っていた老執事と共に學校へと向かった。

久々の學校だが…

そこにはマスコミが待ちけ高級車で私が降りるのを待ち構えていた。

ひいいいっ!私はどこの蕓能人だ?

「雪見時奈さん!怪人に襲われて助かった想を一言!」

「雪見さん!彼氏に守ってもらった想を!」

カメラのフラッシュがバシャバシャ叩かれるが

ボディガードらしき人や先生達が壁になり

「困ります!學校関係者じゃない方はお帰りください!他の生徒達もいますので!」

「雪見さん!雪見さん一言!!」

ひいいいっ怖いっ!!

私はそそくさと校舎にりやっとホッとしたのも束の間…生徒たちがザワザワと私に注目している。

予想はしてたけど全生徒から見られる視線というのは凄い。

大半はそりゃ好奇心だけど中には何故あんなクソダサがあんなイケメンの彼なの?

という妬み嫉みもじられる。私もそう思うんだから仕方ない。

ようやく2階の教室まで辿り著くがやはりクラスメイトは私を見ていて

「雪見さん、退院おめでとう!大変だったわね!」

と普段私なんか無視している子がいきなり話かけてきたのをきっかけにドワッと子が群がった。

どうやってイケメンゲットしたのかとか怪人に殺されそうになったこととかしつこく聞いてくる。

とそこで…

ガアンと竹刀が床に響いた。

「やめろよお前ら…こいつ一応被害者だろ?事件前はお前らの中の一人でもこいつに絡んだことねぇだろ?テレビで有名になっただけでこれかよ!」

とギロリと睨んだのは子校の次期番長とも言われる不良子舞川枝利香まいかわえりかさんだ。

もちろんこっちも絡んだことはない。

髪は金髪で黒いマスクに豹柄のネクタイを堂々とつけている、一目で不良ですが何か?が判る。

そして皆は

「ごっごめんね!騒いで!落ち著いたらまた教えてね!」

と皆は蜘蛛の子を散らすように離れていつも通りの教室に戻った。

おお!舞川さんのおかげだ!

していると

「ちっ!お前の為じゃねーよ!勘違いしてんじゃねぇぞ?五月蝿えからだよ!」

と舞川さんは鞄を枕に寢だした。

それからもヒソヒソコソコソと休み時間ごとに私を見に來る他の子や先輩や一年生までいた。

これいつまで続くのか?

ようやく放課後になり、鳴島さんが待ってる高級車に乗り込むとはあっと溜息が出てしまう。

「ふふふ、お疲れ様です、雪見様。坊っちゃまにもねそんな時期がありましたよ。あちらは見慣れたものですが」

「……噂って怖いね…」

私はクソダサメガネだからレベルは違うだろうけど栗生院くんはこんなの屁でも無さそう。

そう言えばもうすぐ病院だ。

學校の騒ぎで忘れていたけど私今朝頬にキスされたんだ!

どっどんな顔して會えばいいの?

しかし無にも病院についてしまう。

私は薄っすら扉を開けて中の様子を伺っていると

「何してんの?時奈さん…」

モロバレで仕方なく開けてる。

「お帰り!大変だったでしょ?」

もう帰りを待つ旦那様みたい!!

私を見て楽しそうに笑おうとするが

「いて…あんまり笑っちゃダメなんだった」

「そうだよ…失禮だよ…」

そして私は學校で起きたことを話して面會時間いっぱいまでいた。

夕ご飯も病室で一緒に食べてしまった。

名殘惜しそうに手にキスされて私は病院を後にして新しいマンションに向かった。

もちろん鳴島さんに送られた。

そして著いたマンションが…でででで…でけーええええええ!!!ひいっ!

そしてまさかの顔認証システム!

鍵をもらい部屋に向かうと卒倒しそうなほど広い部屋があった。

デカイ冷蔵庫にデジタルテレビにベッドに何もかもが揃っていた!

私のアパートの荷も一応あったけどクローゼットを、開けて仰天した。

い服やら清楚な服、シンプルな服、ワンピースに結婚式に著ていけそうな服にスーツにありとあらゆる服があった。

ウケを狙ってか悪の組織と書かれた黒いTシャツまであったよ!!とにかくヤバイぞ!!

「はわわわわ…とんでもねぇ…とんでもない男に惚れてしまった!!!」

ちなみにひっそりとサイズがピッタリの下著まできちんとあったことはもう無視しよう。

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