《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第30話 何故お前がここに!

翌朝早く栗生院くんは迎えに來て、マンションの下で待っていた。

「おおい、時奈!起きろ!!車で寢てろおおお!」

と起こしにかかる枝利香さんは黒いスーツを著ていた。

「へ?何でそんなスーツ著てるの?」

「そりゃお前らが主役みたいなもんだからな、あたしはバイトみたいなもんだし…流石に竹刀の持ち込みはできなかったけどよ…」

と悔しそうに言う。うん、それは普通。

ともかく急いで著替えて用意して下に降りるとマンション前で朝日を浴びたイケメンがキラキラと輝きながら待っていた。

うぐっ!朝からなんてだ。目が醒めるわ!

「おはよう時奈さん、舞川さん」

と挨拶した。

うーん、生でおはようの挨拶が凄い。

彼はカッコいいモデルみたいなシュッとした薄いグレーの上著と黒いシャツに首からちょっとしたアクセサリーを付けていた。

このまま雑誌に載っていてもおかしくない。

それに比べて私は高そうな服が歩いてるようだわ。

ボタンのついた紺のスカートと薄い水元にリボンのついたストライプシャツに白い薄地の上著を羽織っている。

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一応帽子も持ってきた。暑いらしいから。優が著たら似合いそうなのにな!!

「私服も可いね!」

と頰にキスをける。

いやこの服もお前が買ってきた奴なんだけど!!

毎日病院通いだった私には買いに行く時間などない。

帰ったら管理人さんがダンボールの山をまとめて持ってくるのだ。

食材なんかも全てそうだった。

この3ヶ月スーパーに行ってないけど冷蔵庫には常に高級で新鮮なものが揃っていた。

朝食に高い鶏の卵でハムエッグを作っている時なんか意識が飛びそうになったもんだ。

とりあえず車に乗り込み私たちは空港へと出発した。

ちなみにこの旅行はちょうど連休を利用している。

朝が早かったのでし空港に著くまでウトウトし始めた私に栗生院くんは

「眠いんだね?著いたら起こしてあげるから寢てていいよ?僕の肩に頭を置いてもいいから」

とグイと引き寄せられた。

これじゃドキドキして眠れんだろ!!

…でもしばらくして眠気に勝てず寢た。

心地良さに眠っていると額などにキスされながら優しく起こされた。

「ふふふ、2度目のおはようだね空港に著いたよ時奈さん」

うわあ!もう!何もかもが恥ずかしい失態を曬している気がするぞ?

変な顔で寢てたらどうしよ。ヨダレ出てないよね?いびきとかかいてたらまじアウトだ。

空港…私は産まれてから一度も飛行機に乗ったことなどない。

ドラマでチラリと見た知識しか無い。枝利香さんもだ。

しかしこれが一般的でないのは分かる。

「栗生院様!お待ちしておりました!チェックインと出國審査・保安検査もお任せください。皆さまとラウンジでお待ちください」

と知らない人が出てきた。かなりヘコヘコしている。

「コンシェルジュでございますよ雪見様、雪見様のマンションにもいるでしょう?」

と鳴島さんが説明した。

「え?…こんしぇ??」

な、何それ?私のあの高級マンションにそんな人いたっけ?管理人さんならいたけど……

え?管理人さんじゃなくて…あの人…コンシェルジュとか言うのなの??

確かにやたらピシリとしたできるだと思っていたけど!!

とりあえず後でグークル先生ググッとくか。

あれ?海外でスマホ使えんだっけ?説明書をろくに読んでないとこうなるよね。

「あんなのどうでもいいからラウンジで待っていよう、朝食もそこで取ればいいよ」

あんなの呼ばわりされとる!!

でもちょっとお腹が減っているし朝食が食べれる所があるならいいや。

安いうどんでも頼もうかな…ラウンジに食堂みたいなのがあるのかな?

なんて考えていた私が大馬鹿であった。

ここは…どこ?私は…誰?

ファーストクラスのラウンジに足を踏みれた私は仰天した。

まだ飛行機乗ってないよね??

そこにはなんということでしょう?

ゆったりしたくつろぎの空間に加えシャワールームや高級なバーやステーキをその場で焼くシェフやその場で握る壽司職人の姿がある。

なんだそうか、異世界か。

流行りの異世界だな?いつの間にか異世界だな?

こんなのが待合室なわけないよ。

しかしどうやらクソVIPな金持ちが使うような高級待合室だろうということはなんとなく判った。

「時奈さん?お壽司でも食べる?」

「………あ…う、うん…かかかカッパ巻き一つ」

ブハっと吹き出す栗生院くん。

酷い。庶民にいきなりこんなとこに連れてきて!!

しかしそこで聞いてはいけない聲が聞こえた。

「あれー?大福ちゃんとイケメンくんじゃない?」

なっ!なんだと?なな何故お前がここに!?

栗生院くんの目が鋭くなった。

そこにいたのは眩いのオーラを纏ったもう1人のイケメン…レッドこと小高暁雄さんだ。

両脇にを攜えていた。

「人違いですね、向こうに行こう時奈さん」

「いやいや君みたいなイケメンは早々いないよね?しかもこんな所で」

「人違いですね、僕はあなたなんか知らないし見たこともないのでたぶん別人と勘違いしてるんでしょう」

「いやいや俺國民的ヒーローのレッドだから知らないはずないだろう?あ、ちょっと待って、ストラップ達、向こうで待っててくれる?」

に言う。

ストラップって言ったよ!!をストラップって言いやがったよこいつ!!

「で?君たちもファーストクラスだよね?どこの國にいくの?俺、トルコ行くつもりだったけど君たちについてこうかな?面白そうだし」

「誰かいませんか?ストーカーです!警備員さん!!航空警察さん!!」

と栗生院くんはんだ。

「酷いよストーカーだなんて、俺はストーカーされども自分がストーカーしたことなんてないよ」

「ならついて來ないでくれませんか気持ち悪いんで!」

「聞いた?大福ちゃん、君の彼氏酷いよね?俺の方が優しくしてあげるよ?」

といつの間にか私はレッドさんに肩を抱かれていた。

えええええ!速過ぎてきが見えなかったあああ!!

しかし栗生院くんはさらに私の肩を抱いているレッドさんの手にガッといつの間にかダーツの矢を握りしめぶっ刺していた。

「離してくれませんか?レッドとか言う気持ち悪い人…」

こ、怖い!!二人は再びバチバチ火花が舞っている!

た、助けて!枝利香さん!と見渡したら高級ステーキにがっついていて鳴島さんに

「鳴キュン!おいちいよぉ!おいち過ぎて枝利香太っちゃう!!」

とか言いながらアホになってた。

姉貴いいいいいい!!!

「やれやれ痛いなぁ…わかったよ、大福ちゃん…イケメンくんに飽きたら俺のとこにおいでね?」

と手を離しての待つ席に向かった。

「行くか!あの野郎!…時奈さん…あいつと同じ飛行機じゃなくて本當に良かったよ!!レッドの乗った飛行機破してやりたいわ!!」

「お、落ち著いてよ…」

「あ、その上著捨てよう!似合ってたけどあいつの菌がついちゃったからね!!」

「えええええ!」

と私の上著はビニール袋にれられ早くも捨てられ代わりの上著が用意されたのだった。

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