《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第34話 心のマグニチュード8.0
私たちは近くの空港のファーストクラス専用のラウンジで飛行機の點検などが終わるまで過ごすことにした。
ここの國のラウンジもすごいな…。ってどこの國だっけ?あ、アブダ…知らん!読めん!
ともかく、ちょっとしたフリースペースにはまるで高級レストランのようなテーブルがある。
ある意味くつろげるかくつろげないのか庶民には判斷不能。
もちろん料理も一級だろう。
さっき食べたから私は食べなかったけど。飲みだけもらった。
それに見渡せばなんかジム?みたいにランニングマシンやマッサージ機まである。
私はマッサージ機を使ってみることにした。
いつも電気屋とかでおばちゃんに紛れながら座ってたことが知れたらどんだけ恥ずかしいだろうか。
貧乏人にマッサージ機なんて買えないもの。
「じゃあ僕はさっとシャワーを浴びてくるね?さっきので埃っぽくなったし…」
と言い、栗生院くんは普通にシャワー室に消えた。
ちなみに枝利香さんも隣にやってきて私たちは並んでマッサージ機に座った。
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スイッチをれ、心地よい振で
「おおお!凄い!高級マッサージは違うな!」
と枝利香さんもした。
絶妙なみに叩きに足先の疲れまで取れるようだ。
これぞ、人類の楽園!
15分ほど気持ち良さにウトウトし始めた頃に栗生院くんがシャワー室からタオルを羽織って出てきた。
髪がちょっとってるし急いで著替えてきたのかボタンがかけ間違えて見えてる!!
チョロチョロいたたちが栗生院くんを見て頰を染めまくっている。
おいい!気がれてますよ!!
「栗生院くん…ボタンがズレてるよ…」
と教えてあげると
「あ、ほんとだ…時奈さん直してくれる?」
と近づかれ、イケメン酔いしそうだ。
というかそれくらい自分でやりなさいよ!無駄にクラクラさせるなんて酷いわ。
仕方なく私は手早くボタンを直す。
「はい、できたよ…」
と言うと
「ありがと…」
と軽く抱きしめられる。ぎゃっ!人がいますから!!と、パッと離れて赤くなる。
一瞬だけいい匂いしたよ!くそう、油斷した!
誰か酔い止めをください!エチケット袋もあれば!!
たちの視線が突き刺さる。
(何故ここにあんなダサメガネが??)
(どこの貧乏人かしら?)
と言う目をしている!!
不釣り合いですいませんんんん!!!
「時奈さんもシャワーしてくる?」
「えっっ!?わ、私は飛行機に乗ってからでいいよう…」
多分そろそろ點検も終わりそうだし…?
シャワー使ってて飛行機に乗り遅れたらどうしようという心配をしている。
それにさっさとたちがシャワー室にってしまった。
あいつら…イケメンの使用後を堪能する気だわ!!
さすがにここにはマスコミはってこないけど、外から結構ガヤガヤ聲がしている。
言葉は解らないけど、やはりハイジャック犯人達の護送や代わりになったガードマンや他の乗客達に取材が殺到してるんだろうか。
「とりあえずあそこの長椅子にでも座って話そうか、また機では夕食も出るし無理して食べなくてもいいからね、時奈さん食だし」
「う、うん…」
と長椅子に二人して座るけど何話せばいいんだろう?しかも橫から漂ってくるイケメンのいい匂い!
「つ、次乗る飛行機はハイジャック無いといいね!!」
「ふふっ流石に無いでしょ1日に2回も!有ってもまたぶっ倒しておくけど…また予定がズレるのは嫌だよ、早くアテネに著いてしいよ」
「そうだね…栗生院くんがいなければ乗客に被害出たかもしれないし、ほんとは栗生院くんが英雄なのにね…」
「僕は戦闘員Eだしテレビなんか出たくないよ…」
それはそうだ…ただでさえ目立つイケメンなのに…。
もし正がバレたら悪の組織が人助けを?何て見出しが出る。
下っ端の栗生院くんはボスから制裁をけるかも!!
「僕は時奈さんだけのナイトでいいよ?英雄なんてヒーローと同じようなもんだし…ヒーローは皆の憧れだけど僕はする人1人だけ守れればいいや…」
とジッと目を見つめられ心臓がうるさく暴れて心の中のハート型のテーブルがガタガタ揺れ始める。
(地震だ!隠れろ!いや、退避か!?)
(火の元確認!ガス栓よし!風呂に水溜めて!!避難所まで安全に逃げなきゃ!)
「うーん、ほんとならキスしたいけど我慢してるね?代わりに手繋いでいい?飛行機乗ったら個室で暇だし…あ、飛行機でもいいけど」
とし赤くなりつつも結局手は繋がれる。
(ぎゃあああ!揺れが酷い!立ってられない!)
(さっき のは余震でこれが本震??)
(避難袋どこ??)
もはやパニックだ。
それもそのはずで栗生院くんは…こここ、人繋ぎってやつをしてるし!
ドラマで見たわこれ!全部ドラマ基準でできてる私はボロアパートでテレビを見ていた時代によく
「はっ、こんなのよく恥ずかしげもなくできるわ!リア充め!ぜろ!」
とか言ってた自分が今まさに人繋ぎされている!!
そしてその「ぜろ!」が今自分に注がれているのは気配でわかったが、それを搔き消すくらいのイケメン破壊力に私は勝てない。
そのまま栗生院くんは頭を私の肩に乗せ搭乗時間まで幸せそうに目を瞑っていた。
私はいつものように石化していたけどね。
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