《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第45話 ただ會いたい

季節は夏も過ぎ、秋になっている頃だろう。

あまりにも地下生活が長くて覚おかしくなる。

地下は広くトレーニングルームやサウナにバス、カラオケルームに生活に困ることはない。

ただり口は監視付きに自分の部屋は毎回るとロックがかかる。外からじゃないと開けられない。鳴島も同じような狀態。何回かカラオケルームで鳴島と會って走計畫を練るも人手も足りないし難しそう。

新しい悪の組織作りは著々と進んでいる。

小高達はヒーローとして今では街をパトロールして暴力団を捕まえたり、もはやアイドル活みたいなこともしている。テレビでウインクしまくってる小高を見るとアホかと思うけど、これは全部フェイク活で叔父さんに従っているフリをして水面化では悪の組織作りをしているんだからな。

「で?君はどういう位置にしよっかな?俺の側近とか?」

久しぶりに地下に顔を出した小高と若竹がいた。小高はとイチャイチャしながら話してくるからイラッとした。まぁここに來るまでにと夜の街に消える小細工してるくらいだしがいつも付いてくるのは仕方ない。の記憶は事が済むと催眠で忘れさせてるみたいだし。

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「おい、暁雄!いい加減にしろ!は引っ込めろ!す、すまんな吉くん」

と若竹が謝った。

「いえ、若竹さん…お気遣いありがとうございます…その…過去はいろいろアパート破したりしてすみませんでした…今では一番まともでこの汚れた大人よりよっぽどいい人だと思います。人形の趣味は人それぞれですしね」

と言うと

「あ…ああ、いいんだよ吉くん…。過去の事は水に流そう…そりゃ嫁何回か燃やされた時は犯人ぶっ殺して海に沈めてやろうかって思ったけど俺は常識的な大人だからそんなことはせんし安心しな?」

「…」

若竹はいつの間にか僕のことを吉くんとか呼び出した。栗生院だと叔父さんと同じになるし下の名全部は時奈さんにしか呼んでしくないと言ったら小さな聲で

「じゃあ何呼びすりゃいいんだよ?よっちゃん?吉くん?」

「よっちゃんは親しみ過ぎて逆に嫌だから後者の方で」

と言うと

「わかったよ!吉くん!!」

と言われたのが始まり。

を引っ込ませると小高は

「じゃあ側近で決まり?どうしよ?裝作ろう!楽しいなぁ!君も総帥時代こんな楽しいことしてたのかあ!あ、そうだ…表で俺たちCD出したんだけど聞く?めっちゃ売れててさ、今!オリコン1位!來週歌番組出るから見て!」

僕は渡されたCDを叩き割った。

「あ、酷い…まぁ、隆の聲はあんまり上手くないけどさ」

「うるせえよ!!ほっとけよ!!つか何で歌番組出なきゃなんないんだよ!しかもインドの方が聲だけいいなんてイカれてる!!蒼太郎も微妙にファンいるし!桃華と昴なんて逆に溫かい目で見られてるし!!俺は?ねぇ?俺なんて前に脅迫狀きたけど?グループから抜けろって!!アイドルじゃねーから!本業アイドルじゃねーから!!」

「あ、ちょっとだけ聞いてみたくなったなぁ…」

なんて哀れなグリーン…。

「まぁ腐るほどあるけどね?」

とまた渡される。

「小高さん…僕は側近にはならない。僕は…戦闘員Eでお願いします」

「…戦闘員E…か…なるほどね…。わかった」

「ええええええー!おい待てよ!戦闘員て!吉くんくらいの実力ならもっと上の…」

「隆…いいじゃないか彼はそっちのがいいんだからそれで」

「…わかったよ…吉くん…この後トレーニングに付き合う?それともサウナで隆兄ちゃんと語り合おうか?」

と聞かれて

「嫌です!」

と即座に応えるとめっちゃ落膽した。

「なぁ俺って必要なの?誰かに必要とされてるの?」

「隆、いい醫者紹介しようか?」

「いいよ!!」

そんなやり取りが続く日々。

ただ彼に會えない日だけが過ぎていく。

夏が過ぎて秋…あの電話から何にも連絡が途絶えているけど、生きてるってことはわかったし、信じて待つより他ない。

それでも寂しいものは寂しいけど。

夏中毎日晝と夜しバイトをれてお金を貯めた。そして舞川家から出た私はまたオンボロアパートに暮らし始めた。

前とは違う趣きのボロさだけど居者は一応も多いしゲイの人もいたからまぁちょっと特殊な人いるけど家賃も安いし大丈夫かな。

でもこれから寒くなるし暖房も揃えなきゃいけないな。

枝利香さんはたまに料理を持ってやってきて泊まったりもする。布団は一つしかなくて申し訳ないけど。

私が寂しがらないよう學校でもアパートでも気晴らしにゲーセンにも連れてってくれる。

枝利香さんがいなかったら私はどうなってただろう。

置いてあるロバのぬいぐるみを抱きしめた。

「ううっ悩んでても仕方ないし…日課行きますか!」

と私は外出した。向かう先はいつも同じだ。

私の前のアパートやマンションでもない。

ただ、初めて彼と會ったあの公園だ。

毎日毎日そこに散歩がてら水を持って出かける。

そりゃもちろんいない。

今日もやっぱり彼はいないけど、彼が座ってた場所に腰掛けて過ごして帰る。

他の人に見られると変なだ。

「はぁ…私がおばさんになる前に迎えにくるかな?ど、どうしよう…お婆ちゃんになってから來たら…」

でお爺さんお婆さんになった二人が再會を喜ぶシーンが再生された。

「待たせたの…時奈さんや」

「吉城くん…あんた待たせ過ぎよ…腰が痛くて仕方ないよ…」

「すまん…一緒に健康ランドでも行こうかの」

するとその時走り寄ってくる若りし頃の彼に似た青年。

「初めまして、あなたが雪見時奈さんですね?僕は孫の栗生院…」

「まっ…まままま孫おおおおお!!!私だけって言ったのにいいいいい!!」

ぎゃっ!腰があああ!足があああ!全の骨が骨しょう癥でボロボロになり私は地面に倒れそのまま墓になった。

「時奈さんんんん!!!」

墓の前でくず折れるイケお爺さんの栗生院くんが泣いている。

そんなバカな妄想までしてしてしまう。

「早く會いたいよ…ただ會いたいよ…」

とポカリと浮かぶ月を見上げた。

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