《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第52話 暁雄の決意
俺の母親は俗に言う水商売のだった。
小さい頃から俺は酒を飲みベロベロになって帰ってくる母親にその友達らに囲まれて育っていた。
「暁雄ちゃんは可いなー!マジ可い!!」
「當たり前じゃん!あたしの子よ?」
俺は母親や友達から良く可がられたっけ?
父親が誰かは教えてくれなかった。
でも自分は遊ばれただけで認知もしてくれないし人の立場だしね…。
と母親は言っていた。だが、母親はある日から何かに怯えて帰ってくるようになった。
「どうしたの?ママ…」
と聞いたら疲れたように笑い、
「なんでもない!あのねママが仕事中はピンポン來ても絶対出ちゃだめだよ?」
「うん…」
そして次の日…
「じゃ、行ってくるね?ママとの約束守ってね?あ、もしちーちゃんだったら開けてもいいけどそれ以外はダメ」
「うん!いってらっしゃい!」
靜かにドアは閉まりその後母親は帰って來なかった。
職場の飲みを飲み突然倒れたのだそうだ。
そして、ちーちゃんと恐ろしく綺麗な顔をした男がやってきて俺は施設にれられた。
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そこで隆や蒼太郎、インド、桃華、昴に出會った。
俺たちはしばらくしてそれぞれの新しい親ができた。
俺の親は小高夫妻。とても優しくていい親だ。俺はしばらく夫妻に大切に育てられた。
またしばらくして…ちーちゃんがやってきた。
だらけだった。その顔は怯えていて母親の顔を思い出した。
「暁雄ちゃん……聞いて…ママね?ママは君の本當のお父さんに…栗生院蔵馬に…殺された…の…ゴミだから捨てないとって…」
それだけ言うとちーちゃんはパタリと倒れた。
「ちーちゃん?…起きて?病院行こ?ねぇ…ちーちゃんちーちゃん…」
ちーちゃんは揺すってもさすっても起きなかった。
それからし大きくなって俺は中學生になった。
母親の働いていた店を訪ねたが既に焼失していた。
次に養護施設を訪ねた。焼失していた。
まるで俺の思い出を消すように…。
俺は隆達に連絡を取って集まった。
彼らは無事だったことに安堵した。
たぶんやったのは父親だとじた。
同時に脳裏に浮かんだいつかのあの恐ろしくもしい男…あいつが父親なんじゃないかって思った。
俺の勘は當たった。
正義の組織が設立され世の中を良くしていきましょうといろんな會社をバックアップする最初はただのボランティア団だったが裏では相當な悪どい金がいていることは當時ハッカーみたいなことをしていたインドが突き止めた。インドはほとんど喋らないが天才だった。
そして正義の組織セントユニバースを支援しているバックの男が昔見たあの綺麗な男と気付いた。あの男の家族の居所もこっそり調べて行った。笑い合うあの男に妻、それに息子。息子は栗生院霧斗。障害児だった。脳に問題があり言語は上手く喋れないし、手足も脳の命令と逆にしかかない。そいつをしそうに抱きしめて笑っている。
俺の母親をゴミだと言って捨てた男。ちーちゃんや他にもたくさん殺した男が。
時同じくしてしばらくすると悪の組織ができた。これも奴の仕業か?と思っていたらインドが調べてこれは蔵馬の兄夫婦の息子が立ち上げたらしいと1週間もかかって調べ上げた。
兄夫婦は不審な事故死でその産は全て息子の栗生院吉城のものであり、彼は小學生ながら聡明で會社を何個もかしていた。大人の助けもあっただろうが、基本優秀な人間を集めて自分はあまり表に出ず普通のちょっとイケメンな小學生を演じていたことに驚いた。
ま、悪の組織なんか立ち上げるくらいだから普通じゃないよな。だが、彼も両親をあの男に殺されたのだ。命も狙われているらしい。
そして蔵馬は正義のヒーローを募集した。街に怪人が現れたからね、表向きヒーローは必要だ。そして俺たちの前に蔵馬は現れた。
新しい親たちを人質に取り、俺たちに正義のヒーローをやれとね。
もちろん俺のことにはれなかった。ゴミを見るような目で見られた。ゴミでも使えるものは使ってやるってか?
だから俺たちは蔵馬のピエロになりヒーロー活をした。
いつか…あいつをこの手で殺すと。
それが俺たちのヒーローとしての始まりだ。
しばらくして栗生院吉城が暇つぶしに戦闘員Eをしていることに気付いた。
きっかけは隆がゼリー怪人をやっつけようとして結局なんの役にも立たずノコノコ帰ってきて一役イケメン高校生がテレビで話題になって気付いたからだけど。
彼は高校生になり彼もできたようだ。羨ましいよ。俺は復讐することしか頭になかったからな。それにとは気軽に付き合った。たった一人のなんて作ったら蔵馬にどんな目に合わされるか。ちーちゃんの二の舞にはさせない。
吉城の彼がどんな子か見舞いに行ってみたら凄いダサいメガネのの子で心笑いが止まらなかったが俺は大人だから我慢したよ。凄い目で吉城に睨まれたけど。
まっ、向こうもしは俺たちのことは調べてんだろうけど。
吉城…お前は俺とは違って大事な者を作った。リスクを考えなかったわけじゃないだろう。実の叔父が命を狙ってんだからな。
吉城の元婚約者を押しかけ大福ちゃんを拐われ激昂した吉城はゴリラ相手に本気で闘い結構重癥をけたわけだけど、下手したら死んでたな。
それでも守りたかった大福ちゃんは不思議な子だよなぁ。
退院後海外に旅行に行った時も…ラウンジでからかった後、俺はトルコには行かず日本で悪の組織を潰すように蔵馬に言われた。隆は足手纏いだから適當に秋葉で買ったオタTを送っておいたけど。
ま、従わないと小高夫妻や仲間の家族も同様に殺されるから仕方ないけどね。
吉城が帰國後はタイミングを見計らい替え玉まで用意して吉城と執事の死亡を裝った。替え玉の彼等には死にたがっていたとは言え酷いことをしてしまった。
だが、犠牲にしてでもあの男を殺さなくてはと思った。いや、殺すのはギリギリ辭めといてやる。生きて罪を償わせる、それが死んだ母やちーちゃん、たくさんの人、吉城の両親…そしてこれから守るべき者への俺の決心だ。
「ずいぶんと…長くかかってしまったよ…母さん…ちーちゃん…」
俺は墓の前にそっと花を置いた。
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