《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第54話 打倒!正義の組織!

「雪姉!邪魔!!見えねえよ!」

グイグイ高志くんが引っ張るが、枝利香さんが

「止めるな高志!彼氏がテレビに出てんだからよ」

「は?彼氏?雪姉の?」

そうだよ…私の…とってもカッコいい彼氏くんだ!

「ま、ネットでも見れんだろう?」

枝利香さんがそう言うと高志くんはスマホを取り出し、

「あ、そっか……って凄え!書き込みも凄えけど再生數異常!!回線重ー!!」

とスマホを取り出した高志くんがビビる。

詩織ちゃんも自分のスマホを取り出して持ってない誠也くんと二人で見ている。

「どれが雪見お姉さんの彼氏なの?まさか怪人の中?」

「さあ、どれだろうな?」

と枝利香さんは笑った。

モニターの中の戦闘員Eはマイクを持ちゴホンと咳払いし喋った。

「明けましておめでとうございます。牛丼さん。そして全世界の皆様。これより派手に新年のお祝いと稱して目の前のセントユニバースをぶっ壊して黒幕の栗生院蔵馬をぶん毆って捕まえようと思います!」

と彼は私を牛丼と呼んだ。

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それだけでちょっとうるっときた。本名を呼ばれたわけじゃない。

でも私に向けられたたった一つの呼び名。忘れてなんかない。

「おいなんだ?牛丼って?」

もはや世間やネットでは大騒ぎでマスコミも騒がしくなった。

「はいはいーい!戦闘員Eくーん!じゃ派手に頑張ってねー!失敗したら牛丼ちゃんは僕がもらっちゃおうかなっ?」

「殺すぞ総帥?」

と戦闘員は殺気をもらした。

ますます牛丼は誰かと話題になった。ひいいい。

その後牛丼屋が繁盛したのは言うまでもない。

「おお、怖い…というわけで戦闘員Eくんの活躍もだけど僕の紹介もさせてね?僕は新しい悪の組織ケルベロスの総帥ブラッディ紅だよ!紅様って呼んでね?子貓ちゃん達♡」

とテレビ畫面では小高さんのイケメンアップが寫り、SNSでは大量のいいながつきまくった。

(きゃあああ♡もうレッドでも紅様でもどっちでもいいいいい♡)

(ブラックな紅様も素敵♡)

などファンがますます増加しているようだ。

私はとりあえず彼の方が気になったのでテレビから離れて自分のスマホを取り出しネットの別中継に繋いだ。

そこでは警備員や警察がわらわら集まってきていた。

「吉城くん!」

それに応えるかのように聞こえてはいないけど彼は一瞬笑ったように見えた。マスクつけてるし判んないのに。

最上階にある特別総司令の部屋では

「何だこのバカ騒ぎは!!おい!今すぐ下にいるバカな奴らを排除しろ!」

と総司令が部下に喚き散らした。

総司令は40代の男だ。

「面白いことをするね…さすがだな。ゴミのくせにまだ歯向かおうとしてくるとはね。それに吉城も鳴島もやはり生きていたか…」

と総司令の橫にいた恐ろしく綺麗なイケオジが窓に近づいて囁く。

「正義こそ無敵だってことを見せつけてやろうね、このセントユニバースを簡単に崩せるとでも思ってるのか?ゴミどもめ…何度でも殺してやる!來い!吉城!」

ズズーンとゴリラがバズーカをぶっ放し正面の扉を破壊した。

「行くよ!ダーリン!戦爭じゃあ!」

「誰がダーリンだ!殺すぞゴリラ!」

「ほっほっほっ、楽しい時間ですな!」

「まっ、待て!悪の組織!止まらないと撃つぞ!」

と警隊が盾を構え銃口を向けた。

しかし怪人達がそれを遮り

「銃口むける相手が違うぜ!お巡りさんよぉ!そんなことより!新年と言えばお餅だろ!モッチモチにしてやるぜーー!!」

とお餅怪人が口から餅を吐き出し拳銃を餅まみれにした。

「ぎゃあ!ベタベタだ!」

「ゴリアン様!ここは俺が餅で塞ぐ!」

「俺も殘るぜ…」

と餅怪人に加え海苔巻き怪人が現れた。

「海苔巻き…お前…」

「ふっ…正月だからな…」

と海苔と餅に任せて殘りは正面からエントランスに侵した。カメラマンも數人きちんとついてきてる。

付嬢の三人の線銃を撃って來た。

全く、変なとこ科學力は凄いよね。

しかし鳴島…タキシード爺が付嬢にカードを投げつける。

カードをけ取る付嬢は目が♡になった。

「いやあああレッド様の寢顔!」

「レッド様の寢起き!」

「レッド様のシャワーシーン!」

そこへドスドス手刀を浴びせあっさりと付嬢は沈んだ。

鳴島…いつ撮っていたんだ!

地下施設でレッドが泊まってた時だろうけど…。

その時、エレベーターの扉から沢山の小型弾積みのドローンが飛び出して來た。

ゴリラがマシンガンをぶっ放し撃ち落としていくが逃れたドローンが近づき発を起こす。それに怪人達が防の壁となり立ちはだかった。

「お前ら!!」

ゴリラがぶ。

「ゴリアン様!進んで下さい!ここは我らが!生きる意味を下さったのはあなただ!我々は死守します!」

その時エレベーターが発して使えなくなる。

くそっ!最上階まで何階あると思ってんだ!

「階段で行くしかないのか?」

「いや!あっちにエスカレーターがあります!まだマシですね!」

「よし!そっちへ!弾付きドローンも追いかけて來てる!狹い階段で発されるよりマシだ!」

エスカレーターで一階ずつ上がると銃を構えた鋭が上から待ち構え撃って來た。逃げ場がないが怪人がまた一人盾になり鋭達に突っ込んだ。

「うおおおおおー!俺たちは負けない!負けないぞ!理不盡な世界に生きる意味があるなら見せかけだけの正義に囚われてたまるかああ!!」

と怪人達は突っ込む!

エスカレーターで上に上に行く度に怪人とそれに応対する鋭達との闘が繰り返されようやく15階くらいまで來た頃には一人の明らかに雰囲気の違う男が立っていた。かなりの筋で覆われている格闘のプロに見えた。

ゴリラは靜かに前へ歩み寄った。

「あいつ…知ってる…軍の人間だ…ここはあたしが行くしかないね…」

「ゴリラ!」

「ゴリラ様!!」

ゴリラはウインクすると行けと促した。

カメラマンの一人が撮影の為殘った。ちゃんとに隠れながら撮影をしている。

「俺は撮る!このゴリラVSキングコングの対決を!」

とカメラマンは燃えた。

SNSではいつの間にか白熱して

(おおお!ゴリラ頑張れ!)

(何かもうどっちが悪いか判んないけどやったれー!)

(怪人もやるじゃん!見直したわ!)

と応援の聲も聞こえた。

「すっげ!もう何の闘いなんか忘れそうだよ!」

高志くんが興して食いるようにゴリラ戦を見ている。

「あ、雪見お姉さん、皆さん明けましておめでとうございます!」

と詩織ちゃんが丁寧に頭を下げた。

皆はハッとしてそう言えば年が明けていたことに気付いた。

同時に高志くんと誠也くんは手を前に出した。

「おい…お前らこんな狀況なんだぞ?」

枝利香さんが呆れたように言うと、チャイムが鳴り響いた。

「お母さんかな?もう0時過ぎたし」

と詩織ちゃんが立ち上がろうとして枝利香さんが止めた。

「待て!あたしが出る!誠也!詩織を離すな!高志!裏に誰かいないか見ろ!」

「何だよ?借金取り?完済したはずなのに?」

「…だといいんだがな…」

枝利香さんはチラリと私を見て竹刀を手に取った。

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