《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第61話 居場所の特定

僕は隆さんとヘリに乗り込むとそこにはインドさんがいた。

「インドさん?」

そういやいなかったけど乗ってたのか。

「インドには雪見さんの居場所の特定を調べてもらっていたんだ。彼がスマホを落としていなければね」

「で…見つかったんですか?」

するとインドさんはノートパソコンをこちらに向けてある一箇所を赤い點が示した。

「吉くん、まだ行ってみないと判らないぞ。ここは海の一畫だが、スマホが沈んでいたりもするかも。雪見さんを捕らえたと蔵馬氏は言ってたから彼の生存は高いだろうけど」

と隆さんがインドさんの代わりに応える。

「時奈さん…」

また危険な目に合わせてしまったのか。こうなると予想くらいできたのに。

「吉くん…大丈夫だよ…きっと雪見さんは生きてるよ。それに俺たちの育ての親たちも多分そこにいるのかもしれない…」

「海の上なら船に乗っている可能は高いですね」

そしてヘリがポイントに向かうと上から何隻もの白い船が見えた。

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「うっそ!どれだろ!!?あんなにあると判んない!!」

するとインドさんはカチカチとパソコンをかしてさらに拡大を始めた。そしてようやくその中の1隻に赤い點が示された。

「「ここだ!!」」

そして僕等はその船に向けて乗船の準備を始めた。

「うっ……」

私は薄ら目を開ける。

どうやら気絶していたみたい。

しかしよく見えない。…そっか…ダサメガネを海の中に落としてしまったのだ。

ここどこだろう?

「時奈!目が覚めたか!?」

近くから枝利香さんの聲がした。

私は両手を後ろに縛られているが、ポケットにスマホがっているのを何とか確認できてホッとした。あ、でも壊れてないかな?防水機能大丈夫かな?

周りを見ると枝利香さんにブルーさんの彼さんに數人の人影がぼんやり見えた。

それに足元を見ると何か明な床で水?が下に見える。どこだよ?

「時奈!」

と枝利香さんが近寄ってきた。

「枝利香さん、ここどこ?よく見えない」

「ああ、そうか落としちまったもんなメガネ。あのな、ここは確かに船の中なんだが…んー、船の中にデカいプールみたいな?もんがあってよ、そん中に明な部屋があってあたし等はそこに閉じ込められてる」

「ここにいるのは私達含めて人質にされた蒼くん達の育ての親だわ、さっきご挨拶させていただいたの!貴方の息子さんの運命の巫ですって…」

うわっ!こんな時にご両親に痛い挨拶してたの?桜庭さん!

「気にすんな時奈!こいつ見た目は可憐だけどバカだから」

「失禮ね、きっと蒼くん…いいえ蒼い稲妻が助けに來てくれるはずだわ!彼と私は心で結ばれているもの!じるの!彼はもうすぐそこまで來てる!」

とその時部屋がドンっと揺れた。何人かが

「ひいっ!!」

と怯える聲を出した。そして橫切る何かの影。

「枝利香さん、何か通った?」

「怖がらせないように言わなかったがよ…この明な部屋…つまり周りはプールみたいになってんだろ?天井には四角い蓋が付いてるしそっからあたし等は放り込まれたみてえだ。上の方は水はないしな。床の淵みたいなのも見えるから

船の中にでもいるんだろってこと」

「問題はさっき通った黒い影だがよ…鮫だな」

「は?」

え?鮫?さささ…鮫ええええええ!?

「待って?何で船に鮫?そりゃ鮫映畫とかでは出てきそうだけど何で鮫??」

「知らねぇよ!とにかく鮫が周りにいるんだよ!だから迂闊にこの部屋を壊したりできねぇし天井の蓋には屆かねえ!」

「上から助けが來ないと無理ね!それにさっきから鮫が當たりしているからこの部屋がいつまで保つか判らないわ!鮫の餌になるか、助けが來るのが先か…」

と桜庭さんが言う。

「おいお前運命の巫なんだからこんな時こそ皆を助けろよ」

「運命の巫の力は一度しか使えないの!それも蒼くんがいないとダメ!」

と桜庭さんが言うと

「使えないバカだな」

と枝利香さんもため息をつく。

私は枝利香さんに縄を外してもらった。桜庭さんが隠していたナイフでなんとか人質の縄を切ることはしていたみたい。全員の縄を私が目を覚ますまで切っていたから私のは遅れたのだ。

「大丈夫よ!きっと蒼くんが…ゴホン、蒼い稲妻が助けに來てくれるから!」

別に蒼くんでもいいよねもう。

また部屋がドンッと揺れた。鮫何匹いるんだろ…怖いっ!

ていうかプールじゃなくて鮫がいるなら海水?もしかして生簀みたいになってるのかな?

船の上に降り立つと一斉に白服が遅いかかってきた。すぐに戦闘が始まる。隆さんがベルトから線を放ち一回転して周りの白服を倒していく。正義の組織からパクってきた科學兵の一つだな。地味だけど。

僕は白服の1人を捕まえて

「おい!人質はどこだ!5秒で応えないと殺す!」

とそいつの顔の真橫にナイフを突き立てる。

「ひっ!!し…下だよ!船の1番下だ!…でも早く行かないと鮫の餌になってるかもな!下にはまだ仲間や博士の作った強力なロボット兵がお前たちを阻むぞ!」

ひひひと笑う白服をぶん毆って気絶させた。

「ちっ…厄介だな。強力な兵か…」

と僕が言うと

「んでは吉くん!二手に分かれようか!俺が人質の救出に1番下まで行こう!吉くんとインドは敵を倒してくれ!」

「隆さん…逃げましたね?僕たちに敵を押し付けようと…」

ジトリと半目で見ると隆さんは

「バカな!何言ってるんだ!急がないと鮫の餌になるだろ?人質の中には俺の育ての親もいるだろうし救出にも時間がかかるだろ。高速裝置を持った俺が行くのが自然だ!はっはっはっー!」

うわっっ…なんて都合の良い奴なんだろ。

ため息を一つつくと

「判りましたよ…時奈さんを真っ先に助けてくださいよ!インドさんとにかく行きましょう!」

とインドさんは隆さんに向けてぺっと唾を吐きノートパソコンに

(このビビリが!10秒で覚えろクソが!)

と書きその後に船の地図を見せた。赤い點が下の位置でっていてそこへ向かうルートも示されていた。

「ビビリじゃねーよ!ふざけんな!インド覚えとけよ!!」

んだ。

僕もインドさんに続く。

「えっと、俺はあっちからか!」

と隆さんも走り出した。

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