《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第65話 約束の場所
それから私が退院して一か月とし経った頃。
世間ではすっかりバレンタインモードで街にはカップルがたくさんデートしてハートを飛ばしていた。くっ!発しろ!!
「あらあら!雪見さんじゃない!安くしとくよ!」
とスーパーのおばさんがおまけしてくれた。
私は元の生活に戻ったけど、ネットではあのイケメン戦闘員Eの彼であることはバレバレだし、ボロアパートにもマスコミは押し寄せ何度かテレビにも出てしまった。
もちろん批判も多かった。
(何あのブス!あれがイケメンの彼?)
(ていうかあんなブスよりイケメン映せよ!)
(紅様もどこにいるのかしら?大丈夫よね?)
(ていうかブスのアパートクソボロ!ワロタ!)
みたいな。
もう慣れたけど。
私はまた地味にレンタルDVD屋でひっそりとバイトを始めた。
ヤラシイ奴を借りてく男の人もいたが私が人でないのに安心し堂々としているのもどうかと思うが。
でもたまに子供が來た時は目をキラキラさせてサインくださいとねだられた時はギョッとした。
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「お疲れ!雪見ちゃん!うちの店君のおかげで前より売り上げ上がったよ!時の人効果だな!」
と前のコンビニの店長みたいなことを言われて私はバイトを上がった。
帰りに水を買ってまたいつものあの公園に足をばした。まぁいるわけないけどね。
私は何とか新しいメガネを買った。メガネないと何もできないし。仕方ない。あのダサメガネは亡くなったおじいちゃんが買ってくれたものだからずっとつけてたけどもう海に沈んだし諦めた。
新しいメガネはまぁ、普通のフレームで普通のレンズでどこにでもあるメガネだ。あんまりオシャレなのは全然似合わないからもはや普通のしか選択肢はなかった。
もっと人ならオシャレメガネでもいけたんだけどね。
(お前にはオシャレメガネは一生無理だぜ時奈…)
(メガネのことはもう忘れなさい!ダサイがつかなくなっただけマシよ?)
(新しいメガネモブとして生きていけばいいの!)
と心の中の私が騒ぐ中、公園に著く。
そこには…全黒いスーツを著て手に青い薔薇を持ったクソイケメンが私を見て微笑んでいた。
「………」
ゴシゴシとメガネを外し目をってまたかける。
あれ?幻じゃない…はっきり見える!
ウソ!本か!
「……會いにきたよ…時奈さん…」
と彼はなんか照れくさそうに薔薇を渡す。
「…吉城くん!無事だったんだね?」
と私は泣きそうになって駆け寄る。
「うん、怪我が治るのといろいろとケルベロスの組織の運営とか手伝ったり、僕の資産とかの管理とかとにかく慌ただしくて遅れちゃったんだ…待たせてごめんね?」
と彼はすまないと謝罪した。
「うん…元気でいてくれたなら良かったんだ!」
「いろいろ騒がしくなってるね…時奈さんがテレビに出てたのは録畫しといたよ!」
「そ!そこは恥ずかしいから!!」
「メガネ…似合ってるよ?」
「いや、あの…こんなの普通だよ…」
と言うと彼は箱を取り出した。
中を開けると何と!あのダサいメガネがっていた!
「亡くなったおじいさんから貰ったんでしょ?これ?同じのを職人に注文したんだよ」
「ええっ!!」
別にそこまでしなくとも!!いや別におじいちゃんのメガネが嫌だとかじゃないけど!!ごめんおじいちゃん!!
「あ、ありがとう…」
私が苦笑いすると
「でもそれも似合ってるから好きな方をつけていいよ…僕はどのメガネの時奈さんでも好きだ」
グハッ!久しぶりに吐案件がきたーーーー!
「それからこれも…」
とまた新しいスマホを渡される。
結局前のスマホ…壊れちゃったのよね…。でももう一つの旅行用の寫真がったのは前のボロアパートに置いてきたから助かっていた。壊れた方には待ちけにクリスマスの時に撮ったイケメンの吉城くんと私が寫ってたからな…くっそう!あのイケメンサンタが消えてしまったのはとても悔しい!來年のクリスマスまでまだ先だし。
「それにマンションも手配したよ」
「えっえええ?まっ…また??」
「栗生院の資産は全て僕のものに戻ったからね。まだ資産狙いの親戚はいるだろうけど…一応カードキーを渡しておくね」
ま、またあのハードモードな金持ち生活が始まるのか!!?
と思ってると彼は照れて
「時奈さんが嫌ならいいんだよ?あの…僕と一緒の部屋だとやっぱり嫌かな…一応別の部屋もあるけど」
の言葉にぽかんとした。
「え?あの…まさか一緒に住むの?これから?」
「うん?そうだよ?だってもう世間にバレバレだし」
「……考える時間とか…」
「うん、ないよ?」
とサイコのクソ金持ちリターンがニコリと笑った。やっぱり照れながら
「嫌ならいいんだ…もちろん、時奈さんがってもいい時しからないよ…そこは信じて?」
ええ…やっぱり変なとこはきっちりしてるのね!
いやいや、でもでも!
「ままままだ高校生だし…ああの…」
「うん?それがどうしたの?」
だめだーー!!こいつにはもう世間一般の常識が全く通じないよ!!
「………よろしくお願いします…また斷ったらどこか発されそうだし…」
「やだな…しないよもう…」
と引き寄せられてを奪われる。
「!!」
「キスはするけど…」
とニコリとするイケメンに完全に私は発された。何でいつまでもこのイケメンに慣れないのか!一回あんなこともあったと言うのに!!
真っ赤になっているとバラバラと音がした。
「え?ヘリ?」
すると彼は私をひょいと抱き抱えると降りてきたヘリに向かった。
「行こうか!新居へ!」
新婚かーーーー!!!と脳で突っ込んでしまった。まだ結婚してないのに!
そこにひょこりと枝利香さんと鳴島さんがヘリから顔を出した。
「枝利香さん!鳴島さんも!!」
「おお!時奈!相変わらずラブラブだなぁ!」
と笑った彼も鳴島さんに腕を組んでおる!いつの間に!!
そして鳴島さんの足は…
「義足ですよ…」
とチラリと見せてくれた。私もネットで見たけど
「鳴島さん…ほんとにお辛いですよね…」
と私が言うと吉城くんはうんざりした顔になり
「何言ってんのこれのおかげでめちゃくちゃパワーアップしたよ!例のセントユニバースにいた科學者に作らせた代でね…反則級に強さが増した。鳴島の一蹴りでビルの一つは倒壊するね」
うえええええ!何それ!鳴島さんどんだけ強くなってるの??サイボーグ爺じゃん!!
「強い鳴キュン好きっ!」
と枝利香さんがアホになった。
「ほほ…私もそろそろ妻の許しを得ますかな?」
と枝利香さんに微笑んだ。
ええええええ!!何があったんだ!!
「あんまり考えない方がいいよあれは…」
と吉城くんがげっそりした。
note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
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8 170好きだよ
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8 90メイドの鈴木さんは僕に戀をした
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