《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第66話 歓迎會

私たちはヘリで新居となる高級マンションに到著した。

エントランスにはコンシェルジュにそれに隆さんや暁雄さんに桃華さん昴さんインドさんに蒼太郎さん桜庭さんもいた。

そしてパンと歓迎のクラッカーが鳴った。

「やあ、大福ちゃん!我がケルベロスの拠點にようこそ!!」

と暁雄さんが手にチュッとキスする。

ゲッ!

ブスリと暁雄さんの額にダーツの矢が刺さった。

「鳴島!アルコール消毒を!」

「はい、坊っちゃま!」

と鳴島さんはささっと消毒を出して吉城くんが私の手をゴシゴシ拭いた。

「全く油斷も隙もないよ!このったらしめ!」

「はは、仕方ないだろ?僕は全世界のからされてるから!」

「もっと刺してやろうか?」

と彼は睨んだ。

「あの…拠點ってこのマンションが?皆さんもここに住むの?」

と私が言うと

「まぁそういうことだよ、雪見さん…階とかは違うだろうけど、この中に俺たちの部屋もあるし會議室やトレーニングルームにサウナ…後いろいろ設けたからね、世間にはだよ?」

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と隆さんが説明した。

「騒がしくてごめんね時奈さん…でも部屋は僕と同じだからね…」

と赤くなるから私まで何も言えなくなる。

「まぁ蒼太郎も桜庭さんと住むことになったし、桃華も昴と同じ部屋だしな。インドは妻と子供と住んでる。……俺と暁雄は獨り者だけど…」

と隆さんが沈んだ。

「何?隆…まさかそっち?俺のこと好きなの?悪いけど俺はお前嫌いだからごめん…獨り者同士とかやめてほしい」

と暁雄さんが怠そうな目で見た。

「そう言う意味じゃねーだろ!そして俺がフラれたみたいだろ!!気持ち悪い!ていうかお前このマンションに連れ込むなよ!!」

「え?ダメなの?吉城」

「ダメに決まってんだろバカが!ケルベロスの拠點だぞ?この汚れた大人め!!」

と言うと

「ええっ!?何?そっちは同棲とかするんでしょ?どっちが汚れてんの!!桃華も昴も!んで蒼くんもー!」

と暁雄さんがブーブー言う。

「桃華と昴だって今日から初めて一緒に暮らすし、それに運命の相手同士なんだからいいじゃない!暁雄ちゃんはいつ見ても違うの人取っ替え引っ替えだし、いつここの報がれるか判んないよっ!」

と桃華ちゃんが抗議した。

「そうだ…貴様は脇が甘すぎるんだ!スパイにいつか毒殺されても知らんぞ!」

と蒼太郎さんも警告した。スパイって…映畫みたいなことはないと思うけど。

「そうよ!私も蒼くんとまだ清い関係よ?キスはしてるけど!まぁこれからだけどね?」

と桜庭さんが言い、蒼太郎さんは真っ赤になり、

「みみみみ!巫よ!お前それはっトップシークレットと言っただろ!!」

と慌てた。

「蒼くんは意外とウブだからなぁ」

と暁雄さんが笑う。

「蒼太郎!お前まだ俺と同じだったのか!嬉しいぞ!」

と隆さんが仲間意識を持つと

「魂のない人形に話しかけているお前と一緒にするなっ!」

と返された。インドさんもカタカタとパソコンを打ち

(蒼太郎は彼がいるだけマシだ!お前にはいないがなクソ緑!一人で●●ってろ!)

とぺっと唾を隆さんの顔に吐いた。

「インド…てめえ…!!つか普通に喋れよ!腹立つわ!」

ゴゴッと顔を寄せて睨み合うインドさんと隆さん。隆さん…可哀想…。

「ほらほら!今日は幹部達皆でパーティーだよっ!おいしい料理會議室に運んだんだから!!」

と桃華さんが早く早くと引っ張る。

「あたしも鳴キュンにお酒ついだげるよ!」

と枝利香さんが言うと

「おやおや私お酒はダメなんですよ?飲んだらこのマンション破壊してしまいますからね」

と笑った。

聞かなかったことにしよう…と全員青ざめた。

會議室まで連れられそこに味しそうな高級料理がズラリと並んでいる。うわっ!あ、あれはオマール海老?それに高そうなローストビーフ!キャビアやフォアグラ・トリュフ世界三大珍味も!!

「時奈…これタッパーにれて持って帰りたいな…」

「うん…あたしも思った…」

と貧乏人二人は思った。

「ねえ、皆で寫真を撮ろうよ!ケルベロスの創立記念だよ!!」

と昴くんが一眼レフの高いカメラを持ってきた。

「あ、昴は高校で寫真部の部長なんだよ!ユッキー」

と桃華さんが説明した。あんまり話したことないけど、桃華さんと昴さんは私より一つ上の學年で高3で一応は先輩なんだよね。めちゃくちゃ顔だから若く見えるんだけど。

むしろ吉城くんのが年上に見えるんだけど!これで一つ下とか思えないイケメンだし。

そして私たちは寫真を撮った。吉城くんと私は手を繋ぎ合い笑った。

味しい料理もたくさん食べてこれは確実に太る!やばい!

「あーあ…ここにの子がいれば最高なのに…」

と暁雄さんがまだブツブツ言っていた。

「大福ちゃん?吉城に飽きたらいつでも俺の部屋に來てもいいからね?ウェルカムだよ?」

と言うとまた吉城くんはダーツ矢を投げた。

「おい、総帥に何するんだ、下っ端戦闘員Eくん!」

「資金は僕が出してるので黙ってくれませんかね?殺すぞ総帥!」

とまた睨み合った。

そしてふっと暁雄さんが笑うと

「よし…!俺も運命の人を探してみるか!」

との発言に全員が信じられないと言う目で見た。

「ん?俺なんか変なこと言った?」

「いっ…言った…」

と吉城くんは震えた。

「暁雄が!!1人ので満足するとかあり得るのか?」

と隆さんも震えた。

「失禮だな?俺はあのクソ野郎みたいになりたくないんでね…」

と言った。あの後、蔵馬氏の葬儀はひっそりと行われたらしいが結局奧さんと息子は來なかったらしい。

「ダサいよね…いつまでも母さんに未練タラタラだったこと隠してたなんて…生きて償うことすら逃げて…」

「そうそう、あのクソ野郎に似るのだけは嫌だ!だから俺も全世界のに嫉妬されようともたった1人を見つけ出すよ!隆より先に」

「はあああ?言ったな!てめえっ!おおお。俺だって!俺だってお前なんかに負けて溜まるか!」

「隆さんはなんかもういろいろ殘念だからさ…」

ウンウンと全員うなづいた。

「てっ…てめえらっ!ち、畜生見てろよ?見てろよーーー!!」

と泣いてやけ食いを始めた。

その隆さんに見合い話が持ち込むことはもうし先のことだった。

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