《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第67話 泣き場所

歓迎會が終わりそれぞれ解散して部屋に戻る。

暁雄さんはそのまま夜の街に消えていったけど。

私は吉城くんとエレベーターで最上階を目指した。

エレベーターには當然二人でドキドキしてきた。

「屋上にもすぐ近いからもし下の階が燃えても僕等は助かる確率高いよ」

「いや、一応皆も助けようよ!」

「あはは…そうだね、夏とか皆でバーベキューとかもできそうだよ?花火とかも見えるかもね」

「わぁ…凄い」

何というリア充シュチュエーション!ドラマかよっっ!!

最上階に著きエレベーターの扉が開いた。部屋はすぐそこに一部屋ある。

カードキーでガチャリとロックが外れて開いたら

「ニャアー」

と白い貓が出迎えてくれた。

「キナコちゃん?」

「うんそうだよ、ちょっとだけ大きくなったね」

扉を閉めるとキナコちゃんはスリスリと吉城くんにまとわりついた。

かっ可い!!

しかし私がろうとすると知らない匂いだからついっと逃げてしまった。

「こらキナコー…」

キナコちゃんはどこかに潛ってしまった。

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「ごめんね?だんだん慣れるよ」

「う、うん…それにしてもまた凄い部屋…」

キッチンも高級で広いし、冷蔵庫もクソデカいし食類も揃ってる。また、一応私の部屋と彼の部屋まであった。シングルベッドもある。プライベート空間が必要な時とかあるしね。

そして一応広い寢室まであった。ダブルベッドで流石に恥ずかしくなったけど。他にもトイレも広けりゃ風呂もジャグジーってやつだ。ひいいいっ!札束風呂がまた頭に浮かんできた。

もういくらするのか思考を停止することにした。

これからここで吉城くんとキナコと生活していくなんて…。

ど、どうしよう!毎日こんなイケメンと一緒に暮らして私は死ぬんじゃないかな?

ちょっと心臓を鍛える方法がないか後でググろう!

「時奈さん…何かしいものとかあったら遠慮なく言うんだよ?」

「ええっ?こ、こんな凄いのにまだしいものなんてないよっ!贅沢すぎだよ!私には!」

と言うと

「まぁ僕はやっぱり時奈さんさえいれば他は要らないくらいだ…父さんもきっと母さんにこんな気持ちだったのかな…」

と彼は寂しそうに言った。

「そう言えば…私を助けてくれた時…怪我してた。何か辛い戦いだったのかな?」

と言うとまた驚いて

「何で時奈さんはそんなに勘がいいんだろう?…うん、まぁ話そうか…あの日のことを…」

とソファーに座り話し始めた。

全部聞き終わる頃には私は

「うううっ!そんなことが!!」

と泣いた。

だってネットの中継では吉城くんのことは映って無かったし…これまで會えなかったから知らなかった。

「何で時奈さんが泣くの?」

と涙を拭う。

「ごめん!吉城くんの方がずっとずっと辛いのに!」

「僕は大丈夫…時奈さんがいるから…キナコもいるしね…」

いつの間にか膝にキナコちゃんが乗ってきて私の主人よと睨まれた気がした。

おおう、流石イケメン…貓まで虜に!

「でもやっぱり驚いたな…あんな巧に造れるもんだなって…。だから山博士には鳴島の足を造らせてケルベロスでも雇うことにしたんだ…」

「もう悪いことしないの?その科學者は?」

「大丈夫何かしようものならゴリラが見張ってるからね」

ああ、そう言えばゴリラさんも凄い闘いしてた。ネットで見た。

「あの人って…もしかして吉城くんに気があるの?」

すると吉城くんの目が死んだ。

「さ…さあ?」

これはあるわ。思い切り好かれてるわ!私ゴリラなんかと闘ったら一瞬で死ぬわ。無理。

「でも…吉城くん…もう…泣いてもいいんじゃないかな?」

「……え?」

「だってずっとご両親が亡くなってから泣いてないんでしょ?泣き場所が無かったんでしょ?」

と言うと彼はし震えて

「…參ったな…今頃になって…遅すぎだよね?…でも見つかったよ…ありがとう時奈さん…」

と彼は靜かに涙を流して私ので泣いた。

頭をよしよしとでる。ようやく年上らしいことができたぞ、うん。

しばらく泣いて赤い目で顔を上げた彼は

「敵わない…僕は一生時奈さんには敵わないよ…」

と額をくっけた。

翌朝、そのままソファーで眠ってしまった私はハッと目を覚ました。吉城くんがもたれかかって寢ていた。ぎゃあ!イケメンの寢顔が!

すやすや子供みたいに寢ている彼に布を取ってきてかけた。

くっ!この布…なんてなめらかでりがいいんだろう!タグを見るとアンゴラと書いてある。なんだアンゴラって?

私は顔を洗い著替えて朝食を作ろうと冷蔵庫を開けるとやはりギッシリ食材がっていた。

ううむ、凄い!高級な食いが出てくる出てくる!

やばいわー!貧乏なものしか最近食べて無かったからー!卵かけご飯とかで凌いでたからー!

キラキラの冷蔵庫からようやく卵とハムを二つ取り出してハムエッグを作る。もうちょっと上手いご飯を作ろうと私は料理本を買おうと決めた。

一応お味噌も作ってみた。お米はどこかわかんなかったからクロワッサンを発見しそれにした。チーズもあった!しかも高そうなやつだ!こんなチーズスーパーでも素通りするだけのやつだったよ!!

料理を作っていると吉城くんが起きてきた。

「おはよう吉城くん」

「……………ん……」

ぼうっとしてる…。そして私に抱きついて頰にキスされる。

「はっ!……ほ、本だった!」

と彼は覚醒して真っ赤になった私を見て慌てた。

「おはよう時奈さん…ごめんよ…」

「ううん…だ、大丈夫…」

ちょっと死にかけただけだよ!

久しぶりだったからね!!

味しそうだね、作ってくれたんだね!ありがとう!」

と言い顔を洗いに行った間にテーブルに並べた。

何これ…。ヤバイ。

いつも朝食は一人で食べてたことが多かったけど…今日からは二人で食べるんだ…。今更ながら始まったのかとじた。

キナコが自餌やり機で自分で餌を出して食べていた。

キナコお前!お前もハイスペックなのか!?

支度を整えて久しぶりに制服を著たイケメン高校生が現れた。そしてとても味しそうに朝食を食べた。

味しい!ほんと料理が上手いね!」

と褒められるが

「ここ、こんなの誰でも作れるやつだよ!簡単なの!そんな褒めないで!」

「何言ってんの?僕は料理なんていつも適當にしかしないし…サプリとかゼリーとかで済ませちゃう時もあったからなあ…」

とうーんと唸った。

「ええ?」

「まぁ鳴島がたまに作ってくるけど時間ない時はそういうのだった」

「そっか…ならちゃんと朝食は食べないとね!」

と言うと彼は照れて

「うん、時奈さんの作るもの毎日食べれるなんて贅沢過ぎる…」

と幸せそうに喜んだ。

出掛ける前に玄関の前で抱きしめられてキスされた。

「はあっ……何で僕は時奈さんと同じ學校じゃないんだろう…ううっ」

「それは仕方ないようち子校だしね…」

めてエレベーターに乗ると下の階から桃華さんと昴さんが乗り込んだ。

「おっはよー!」

「おはようございます」

と挨拶して二人と別れる。

私は高級車でまた學校まで送られる。

おおう!また注目される!!

「名殘惜しいけどまた夕方ね?」

とまたキスされて車から降りて手を振った。

これが!幸せの絶頂期!!

高級車を見送りくるりと校舎へろうとして私は子の群れに囲まれた。

えっっ!!?何っ?

スッと一人の先輩が現れた。

「雪見時奈さん?」

「はっはい!!」

ギロリと睨まれ私は怯える。

「初めまして…私、この學校で戦闘員E様のファンクラブ會長をしている西園寺綺羅里よ!あなたにE様…栗生院吉城様は相応しくない!別れなさい!」

と指を指された。

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