《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第89話 真理亜の謝罪
辰巳真理亜は以前吉城くんが院していた専用の病院に運ばれていた。
セキュリティも管理もバッチリで外にれる心配がない。
侵者は徹底的に排除されるよう仕掛けもあり簡単には近づけない、逃げ出せないそうだ。
ひえええ、そんなとこに院してたのか!
と私は事実を知って驚く。
真理亜さんはなんか凄い臭かったので看護婦さんに風呂にれられた。それからはバタリと寢てしまった。余程疲れとショックが酷く2~3日彼は心喪失狀態だった。
「母親が殺され、親友も目の前で撃たれたからね…しばらくそっとしとくか…」
と吉城くんが言う。
「西園寺様のご家族にも伝えなければなりませんな」
と鳴島さんが言う。
とそこで看護婦さんが走ってきた。
「辰巳さんが目を覚まして…雪見さん達を呼んでしいと」
「…解った…行こう時奈さん」
「うん!」
私達は彼の病室に向かう。
部屋にると彼は虛な目をして私達を見た。
元王様はやはり人であるがいつものような高圧的な雰囲気は完全に無かった。
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「真理亜さん…話せる?何があったの?」
彼は私を見てゆっくり喋った。
「お母様と鈴金氏が結婚したら私は幸せに暮らせる筈だった…。鈴金氏は新しい正義の組織を作ろうとしてる。【ホワイトベル】って言うの…」
「ホワイトベル…」
「そこで五人の達に薬を與えて洗脳し彼達を戦士にすることにした。彼達は薬がないと生きられないに改造されているの…。そして配下や新しい怪人を作るため社會的に弱者とされる人々に薬を使った。醜い容姿の者はイケメンへと変貌する薬ね…これも効果が切れたら死ぬわ。そういう怪人なの。見た目は人間のイケメンに見える怪人らしくない怪人っていうやつよ」
「酷い…」
「イケメンになり力も強くなりもう誰にも苛められない生活を手にした者は薬を與える代わりにホワイトベルの配下となり、最終的にケルベロスを世界から消して自分達が頂點に君臨するのが目的よ…でも母は殺されたわ…私のせいだわ…私が早まって捕まったからよ!鈴金氏が犯罪者の娘の母親と結婚なんて汚點を作る訳がない!」
「だから…を知るお母様は殺され、辰巳さんもいずれ殺されるから逃げてきたと言うこと?」
「ええそうよ!あの子年院は鈴金氏の力があればどうとでもなるもの!本當は母がすぐ保釈金で出してくれる予定だった!でも鈴金氏が裏切った!私達は捨てられたんだ!そして綺羅里さんが命を落としてしまった!」
ううっ!と真理亜さんが泣いた。
「吉城くん…彼の柄はしばらく安全な所に置いておくのがいいよね?」
「そうだね…そのホワイトベルとか言うのを潰すまでは隠れてた方がの為だ…にしても…辰巳真理亜!僕はお前を許した訳じゃないぞ!時奈さんを襲って殺そうとしたり罠に嵌めようとした罪は重い!お前を保護しようと時奈さんが言わなければもうとっくに殺されていただろうね西園寺のように」
吉城くんは容赦なく言い放つ。
「うっ…ごめんなさい…ごめんなさい!綺羅里さん!!」
「謝るのはそっちかよ!!」
「吉城くん…落ち著いて?私のことはいいよ…」
泣いている真理亜さんの背中を私はでた。
彼はこれから一人なのだ。
「…うわあああ!!」
彼はそのまま泣いてまた眠った。
私達はそれからも真理亜さんの様子を見に來た。彼は落ち著くと以前吉城くん達が使っていたという養護施設の焼け跡の地下で隠れて生活することにした。そこも監視付きだけど。
私が訪ねて行くと彼は俯いて喋らない。
吉城くんは態度が悪いと怒ってたけど。
クッキーを焼いて持っていくと彼は泣いた。
「どうしたの?大丈夫?」
彼は涙を手で拭いいきなり床に頭をり付けた。
「雪見時奈!!これまでのこと全部謝罪をします!!存分に痛めつけて!!」
「どっ!どうしたの?真理亜さん!?」
あの王様が頭を下げて流石に私はビビる。
「…子年院ではね…クッキーなんて食べれなかったわ。いつも先輩たちから酷い苛めをけたわ…。私は…貴方に同じようなことして笑ってた。最低だわ!自分が苛められて慘めになって初めて解ったのよ!」
「弱者の気持ちが?本當に失禮だけど反省はしてるみたいだね」
「吉城くん!」
私が口に指を當てると彼は焦って黙った。
「…もういいんだよ…過去のことはどうやったって戻らないし変わるなら未來しかないよ…今からやり直せる…だからね、真理亜さん…私と友達になって…」
吉城くんが口を押さえてプルプルし始めた。聖母とか言いそう。
「私はあなたを殺そうとしたのに友達だなんて!そんな資格ないわ!」
「そりゃ…吉城くんは絶対あげないけど…だって真理亜さんを守ってって西園寺さんが最期に言ったしね。一人ぼっちは寂しいよね、真理亜さん…。私枝利香さんや田淵さん…それに吉城くんやケルベロスの人達…気付いたら沢山の人が周りにいたんだ…。最初は一人だったけど。だから真理亜さんも一緒に仲良くしよう!」
「時奈さん…聖母!!」
とイケメンが震えながら言った。
ああー…やっぱり言いやがったわー…。
「雪見時奈!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
と真理亜さんがガンガン床に頭を打ちつけ額が切れ始めた。
「わあああ!辭めて!!流してるから!!」
と私は慌てて止めた。
*
「あんなのの友達になることないのに!また裏切るかもしれないよ?」
僕は帰りの車の中で文句を言うが時奈さんは
「うーん…そうだね…裏切る可能はあるかも…吉城くんも油斷しちゃダメだよ?あの人人だし…その前は人形だったからセーフだったけど…」
裏切るってそっちか!!
くっ!可い!
「大丈夫…僕は時奈さん意外とキスしません!」
と早速彼に口付ける。
「うぐっ!よよよ吉城くん!いきなりはビックリするかららめっ…」
と言う彼が可すぎて僕はダメと言われる前に何度も口付けた。
時奈さんからシューシュー煙が出てくるけど気にしないよ。
マンションに帰り會議室で僕は辰巳真理亜のことを紅に報告した。
「そっか…【ホワイトベル】か…。うん…なんていうか…ダサくね?名前」
「うん…僕もちょっと思っていたよ…ダサい」
珍しく意見が一致した。
「おいそこは置いとけよ!俺たち潰しにこられたらどうすんだよ!新たな怪人が見た目イケメンとか達とかってすげえ戦いにくいよな!?」
翡翠が突っ込んだ。
「やっぱさー、その怪人生み出す変な薬作ってる奴を何とか捕まえたいよね?そいつさえ抑えればそのダサい名前の組織なんて簡単に潰せそうなんだが…」
紅がまともに確信をつく。
辰巳真理亜は結局薬を作ってる奴の名前すら知らなかったし。
そこで雷鳥が
「お前ら…バカだな。怪人のことなら怪人に聞け!記憶を逆催眠にかけて薬を作った奴の正を暴け!」
とパソコンの機械音が響き、全員なるほどー!!
と嘆した。
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