《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第93話 閉じ込められた暁雄
「四宮先生!あれ!塔の上から煙が!それになんか揺れてる!!」
遠くから生徒達が報告した。
先程まで小高先生に付き纏われていたけどトイレに行くと言ってそのまま戻ってこずだったので私はこれ幸いと逃げ出したのだが…。
「あれは…崩れるかもしれないわ…皆とにかく近寄っちゃダメよ!他の生徒にも連絡して!」
と指示を出す。
集まってきた三年子の中にはやはり雪見時奈、舞川枝利香、田淵玲子がいない!それにあの小高先生も。
チラリと塔を見上げて他の先生に
「生徒達をお願いします!私探してきます!」
と頼んで走る。
*
「おおっ崩れるな!急げ吉城!」
と田淵さんを抱えて走る暁雄さんに私をおんぶして走る黒ちゃん。枝利香さんを俵擔ぎで走る鳴島さん。
塔は揺れながら崩壊を始めている!
このままでは瓦礫と共に死ぬううう!
「厄介な階段だよ!全く!」
落ちてくる大きな瓦礫を特殊グローブをはめて片手で砕する黒ちゃん。カッコいい!
田淵さんは
「ああっ小高先生流石カッコいい!」
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とスマホを片手にこんな時でも撮影しているので凄い!後で編集して稼ごうとしてるな!!
ようやく1階のホールに辿り著いて出口を目指すが瓦礫が邪魔して塞いでいた!
「鳴島!地下のり口は?」
「はっ!坊っちゃま!」
と床の一點めがけ鳴島さんが破壊すると下へと続く階段が現れる。
「急いで出だ!」
と皆黒ちゃんに続いた。地下もそんなに持ちそうに無いのか壁にひび割れが走り始める!
「急げ!迷宮の方まで行けば何とかなる!」
走り続けようやく分厚い扉が見えた!
「鳴島!破壊しろ!」
天井のヒビが今にも崩れそうだ!
鳴島さんが蹴り破り一斉に飛び込んだ。崩れる天井と埃が凄い!
「全員無事か!?」
黒ちゃんが私を抱えてぶと鳴島さんに枝利香さん、田淵さんが聲を上げる。
「あ…小高先生が!!」
田淵さんが聲を上げて潰れた天井の瓦礫で塞がった迷宮との境界のり口を見た。
黒ちゃんが駆け寄り
「おい!魔!生きてるか!?」
と聞いた!
するとくぐもった聲で
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「おい吉城そりゃ酷いね…何とか瓦礫の隙間に挾まっちゃいるけどけないな…」
と返ってくる。
「下手にかすと潰れるな…」
黒ちゃんが言う。
「何とかならないの?」
私はこのまま潰れて暁雄さんが死んでしまう想像をして青くなる!
だってこの人がいなくなったらケルベロスどうなんの??
*
私は崩れていく塔を見上げた!まさかあの中に?迷路は立ちり止になっているのか近づかないようにスタッフが何人か集まっていた。
どうしよう!生徒が中にいるかもしれない!?
でもいなかったら取り越し苦労!どうにか中に近づけないものかと一旦周りを調べていると…。
あら?
あれって!
見知った顔だちの人達がこそこそ移していた。ケルベロスの…人達だわ!
私はそれを見て後をつけた。
しかし
「ん?誰だ!?」
あっさり翡翠とか言うのに見つかった!
「あ…あの…中に生徒がいるかもしれなくて…」
「どうやら子校の先生だな…」
どこからか機械音聲がした。
「なら先生ちゃんも一緒にいこっ!」
と可らしい牡丹に手を引かれる。
私は地下への通路にった。
*
暁雄は瓦礫に潰されないよう持っていた剣で何とか隙間を作っていた。その剣もギシギシ言う。
「まずいな…これは…」
こんな所で潰れたくないぞおい!
外では
「暁雄さんしっかり!」
と大福ちゃんの聲がする。いい子だね。
まぁ俺が死んでも吉城がいるから大丈夫。
「おい!魔!死んだら許さないぞ!お前が死ぬとお前のファンが僕に大量に流れてくるだろうが!迷だから生きてろ!」
ええー?凄い勵まし方!!
とそこで
「いたいた!!えっ?お化け!!?」
「いや、栗生院のガキだろ」
と機械音聲のツッコミ。インド!!來たかあ!
「待ってろ!クソ魔!直ぐに助けてやるからその後は存分にカレーパーティーだからな!」
と音聲がして何かの音がした。いろいろと準備してるな。とそこであり得ない聲がした。
「な、何ですかこれ!!中に小高先生が??それに貴方…ほ、ほんとに栗生院くん!?何故ここに!?」
「うっ…わ、私は黒です先生…」
と吉城が誤魔化すが聲でバレバレだよな。
それにしてもこんなとこに彼を來させるなんて誰だ全く!
剣がビシっと言う。
くっ!もう無理か!
「吉城!!小高夫妻にありがとうと!!それにお前も!ちゃんと幸せになれ!!……後、凜子さん好きだーー!!」
とぶと同時に剣が折れ潰れる直前に間一髪で化學無重力裝置作により俺の周りの瓦礫がし浮いた。何とかはって出口までいけそうだ!
もそもそとき土だらけになりながら俺はようやく仲間の元にたどり著いた。
吉城が隙間から引っ張り上げ出する。
「なんて無様な殘念イケメンだ…あんたに幸せになれと言われる筋合いはないよ」
「全くだ…暁雄…柄にもなく死ぬ気だったのか」
と隆が呆れたが俺は隆を締め上げ
「おい!何でこんなとこに四宮先生を連れてきたんだ!怪我したらどうすんだ!殺すぞ!」
とギリギリ締め上げた。
「ぎえええっ!俺じゃねえ!桃華だし!」
と言われて桃華を睨むと
「ぴいっ!何言ってんの!隆ちゃんだもん!一緒に行こうって言ったの!」
「桃華!!!おまっ!」
「やっぱりお前じゃねぇか!!」
とギリギリ締める。
「ぐええ!死ぬっ!」
しかしそこでスッとタオルが差し出された。
「……一応ご無事で良かったですけど…変なこと言うのやめてください!小高先生!私は栗生院くんファンですからねっ!」
とか言って俺を見て赤く恥じらっている!
ああ、生きてて良かった!ちょっとは心配してくれたんだな。
*
目の前で顔を泥だらけにしたデレデレの男を見て僕は顔をしかめた。本當に死んでてもおかしくなかったけど、運がいいと言うか。塔に異変があったら幹部達も突する予定だったし。
四宮先生が
「栗生院くん?貴方そんな格好でどうしてここに?2年生は水上バス観でしょ!?」
「うっ…わ、私は黒ですって…」
「そんな生徒はいません!」
とカツラを取られてしまうが
「うぐっ!や、やはりっ!!」
とを押さえて震える先生。
「おい、吉城!四宮先生の心をわすな!」
「いや、知らないから!」
僕には時奈さんがいるし!
「四宮先生!黙っててもらえませんか?これはその…調査だったんです!ケルベロスと敵対する、新組織の謀を阻止する為の!だから栗生院くんは心配で…」
と彼は僕を庇う。
「…ファンタジーランドがそれに関わっていると言うの?でも貴方は…例え栗生院くんの彼としても関係ないことでしょう?」
「まぁそうでもないよ四宮先生…狙われてるのは雪見さんみたいだったから」
「え?」
と先生は時奈さんをしげしげ見る。
「詳しくは話せないけど…今回は仕方なかった。黙っててもらえませんか」
僕が言うと四宮先生は考えた後言った。
「はあ…判りました…。このことはにしておきます!ただし!」
「ただし?」
「栗生院くん!2學年の郊外學習をサボったことは事実ですからね!ご、後日先生と二人で水上バスに乗ってもらいますよ!!」
と言われ
「は??」
と返すと
「ですから校外學習のやり直しです!!」
「いやいや四宮先生?吉城には俺が後で一緒に水上バスでもなんでも」
と暁雄さんが割ってる。
「バラしますよ!!」
いや…おい暁雄さんがギリギリ噛み締めてるから!
「ししし…仕方ないからいいい行ってあげたら?吉城くん…」
凄い我慢しながら時奈さんがそう言う。
「嫌ですよ!!時奈さんが一緒ならともかく!!それならバラされた方がマシです!」
「うわぁ…吉くん凄え男らしいわ」
と隆さんが言う。
くっ!と苦い顔をして四宮先生は時奈さんを見ると
「判りました!雪見さん!貴方も後日栗生院くんと私との水上バスの同行を許します!」
「ええ…」
何とか先生と二人きりは避けれたしまぁいいか…。暁雄さんはまだ渋い顔をしていたが。
もしも変わってしまうなら
第二の詩集です。
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