《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》【閑話】翡翠とコミケ
「しゃらうらああああ!!!」
朝から気合充分で俺はぶ!
俺はケルベロス幹部の翡翠!
本名は若竹隆!普段はアニメイタ店員のバイトをしているよ!!
それはさておき、何で今日こんなに気合れてるのかと言うと連休のコミケ1日目だからだ!!
別に出店してるわけじゃない!完全に買う側だけど!朝の始まりの列に並ぶためだ!早くしないと目當てのものが売り切れてしまうからな!
最近は転売屋がネットで高額出品して儲けようとしてる奴もいるけど俺はそんな卑怯なことはしない!そんで憧れの先生から薄い本を買うのだ!午前中で勝負が決まると言っていいだろう!狙うは壁サークル!!
俺はコミケ會場へ向かう混雑した車で絶対にゲットしてやると決めた!もしかしたら掘り出しのまだ見ぬ嫁達も見つかるかもしれない!
楽しみだ!ああ、楽しみだ!!
しかし敵は俺の周りに沢山いる!
ギラついた猛者共が駅に著くと一斉に走り出す!これはもう関ヶ原の合戦だな!戦場をかける兵士がそこにはいた。
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早速キャラコスをした大膽なを曬したレイヤーさんの前にはカメラ小僧たちがこぞって群がっているが目的は壁サーの列!最後尾に素早く並び前の人から最後尾プレートをけ取る。どうか!俺の分も殘っててくれよ?
過去俺の番がくると在庫切れって言われて泣いた記憶がある。後ろに人が並び俺はプレートを後ろの人に渡す。段々と前にズレようやく後3人が終わったら買える!
小銭を用意して待つ。よし!新刊の在庫はまだある!買える!!
と思っていると前の人は10冊も購した!貴様転売屋か!?俺は友達に頼まれて~と言う白々しい噓をつく男を許せない。
ともかく俺は新刊を購でき、後は適當に好みのを探す旅に出た。
しばらく何冊かいい嫁達をゲットし気分良く回っているとBLジャンルに何か見覚えのある人が…。
俺はマスクをつけているその人にこっそりと近寄った。
「何してんの?」
バイト先の綾瀬瑠夏だ。一応俺の見合い相手だった奴。普段はギャル。
オタ活する時はこっちなんだな。
「何だよお前かよ…ビビっただろ!どっか行けよどーてー!」
「うるさいなっ!こんなとこで…出店ってお前そんな絵心…」
と一冊見本を手に取ると
「あっお前!見るなよクソ!」
な、何だこれ容は確かにBLなのに…
「う…うめえ…なんだこれ?プロ?」
とても素人とは思えん…。
「返せバカ!買うなら帰って読め!変態!」
えええ?
折角褒めたのにこれ…?仕方ない知り合いだし買ってやるか。
「じゃあ1冊…」
と言うと綾瀬が嫌な顔をした。
「うわっ!そっちのもいける奴なんだ!」
「知り合いだから買ってやってんだろ!!ならただでよこせや!!」
「嫌だよ!さっさとどっか行けよ!お前!」
そして俺は1冊買ってさっさと退散した。
しかし綾瀬がBLを描くやつだったとはな!これはこれからからかうネタになる!いつも俺を変態変態言いやがって!お前だってクソオタじゃん!じっくり見てないけどこれだっていやらしい男同士のあれこれが描かれてるに決まってる!
「綾瀬め!休み明けにバカにしてやる!」
と俺は戦利品と共にマンションに帰る。
途中でデートを終えた桃華と昴が手を組んで歩いていて聲をかける。
「あ、隆さん…またオタク會?そのTシャツで行ったの?」
「そうだけど何か?」
昴は嫌な顔をした。
「何?またエロいの買ったの?見せて?」
「見せるかバカ!18だから!ってお前らは汚れてるなぁ」
「キモっ!桃華あんまり見ない方がいい」
とそこで持ってた紙袋が破けてエレベーターに散らばる。
「あっ!!」
もはや言い逃れ出來ないぞ!
「やっぱり!やらしいの多いなぁ!僕たちでまだ良かったけど栗生院くんや雪見さんには見られないようにしなよ?ど変態!」
「あっ!昴見てこれ!BLだ!!」
桃華がよりによってそれを見つけた!
「……何これ1冊だけ混じってるって…本じゃん!そっちに目覚めてるじゃん!どうしよう桃華!隆さんが僕のこと狙ってるかも!」
「最低!!このど変態が!!」
バシンっと投げつけて桃華と昴は部屋へとった。
「ふ…もういいさ。変態でもなんでも」
俺は部屋にり何か喪失をじてしばらくゴロリとした。このBL本…飛んだ災難だわ。
一応パラパラ読み始めてみる。
數分後…俺は號泣していた。絵も上手いが話も悪くないしエロいシーンがなかった!!
何これ!漫畫の純粋過ぎる男版!!
てっきりめっちゃエロのやつだと思ってたのに!!
いやでも男同士だけど!
俺はチラッと書いてる綾瀬のHPにアクセスしてみるとwebで描かれたBL漫畫が読めた。こっちのもいいな!男同士だけど!
と、ふいに何か違和。
あれこのキャラ…。
めっちゃ吉くんと暁雄に似てね?
てかそうだよ!絶対!うわっ!あいつらモデルにされとる!!やべーわ!ウケる!
おまけに蒼太郎やインドも結構化されて出てきて…最後に…俺みたいなのがモブでチラッと登場しているのに気付いた。
え?なにこの扱い!そのモブな俺はエッチな雑誌を嫌がる主人公に見せようとしていた。
何だこれ?俺ってそういう風に見えんの?ええっ!!
さっき桃華達も俺見て嫌そうな顔してたしな…。
俺ってやっぱり嫌われてるよな。
………。
次の日俺はバイトに出た。この店では同人誌の販売もしている。その中に綾瀬のが何と混じっていた!
げえっ!マジかよ!あいつ!
しかも俺の知らないやつ…どんな容だ?
俺はこっそりそれを買い置きした。
バイト仲間が
「若竹さん…BLに目覚めたんスか?」
と聞かれ、
「い、いやその!絵だけ綺麗だから!!」
ダラダラと嫌な汗が流れる。
そいつは噂好きのバイトでもう次の日には俺は男が好きな奴になっていた。
綾瀬は必死で笑いを堪えていた!
誰のせいだと思ってんだ!!
その綾瀬が原稿手伝ってと言い出すのはもうし先のことだった。
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