《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第89話 桃山詩Ⅰ①

※無事第1部完結までPC力しました。書き溜めが80話(11/21時點)になってしまったので、投稿頻度上げます。

「で、紅葉ヶ丘さんは今どこに?」

朝を迎えて、醫務室のさらに奧、「授室」で僕は依にたずねる。

「‥‥‥‥朝早くね。子さんと渚さんが攫(さら)っていったわ。懲罰房へ」

「懲罰房!!」

驚いた。そんな施設あったんだ。でも當たり前か。戦艦なんだから。

「ふたりともすごい形相だったのよ。あ、真剣な表って意味で」

場所を聞いてもっと驚いた。

「1Fの後部B通路の奧。そこだって‥‥」

このラポルトは、全長550mの巨大戦艦だ。デッキへの口や中央エレベーターがあるのはA通路。それ以外にも並行して通る通路がいくつもある。

このB通路というのは、主にアメニティの施設が配置されている通りだ。ラポルトは「長期作戦行」を想定して作られた艦艇だから、映畫館とか遊技場がある、らしい。

まあ、大抵のアソビは各自室やパッドPCでできちゃうから、あんまり気にしてないけど。

Advertisement

ちなみにC通路は森の散歩道みたいな3Dマッピング。実際に土もれて、今は「みなとの丘公園」っていうみなと市の公園を再現してるらしい。

まあ、BとCの通路も「民間人立ち止區域」になっていて、僕ら中學生はれないんだけどね。この戦艦はやっぱり最新鋭だし、軍事機で立ち止! って場所は結構ちょくちょくある。

ちなみに、通路の一番外側の通路が「環狀路」になってて、その先はかなりの空間があって、全部貯蔵スペースになってる。水、CAD/CAMや3Dプリンターの素材、食料、戦艦のエネルギーを貯蔵する全固電池(バタリエス)。

ヒトがいるスペースは本當に中心部のみで、戦艦の分厚い裝甲と居住スペースの間には、これまた分厚い貯蔵スペースがあるわけだ。

「‥‥でもよかった。意識も戻って、後癥もないし‥‥」

紅葉ヶ丘さんの事だ。

「そだね。全部依の活躍のおかげだね!」

僕の目の前にいるのは醫の神。自然とそう思える。

*****

自室に戻った。退院の時にいつもやる運負荷心電図検査、依が「CPX」って呼ぶヤツ。今回はやらなかった。

もう簡易検査でいいんだって。「『治験』で予後が良好、ってデータが積み上がってきたから、艦のホストPCのAIで演算して、大丈夫という結論よ」 と、依が言っていた。

まあ、退院がラクになるのはいいことだ。CPX、酸素マスクみたいの著けるし材多いしルームランナーで走らされるし、やってる時しゃべっちゃうとやり直しになったりして結構めんどくさかった。

「おっと! もう引っかからないゼ☆」

‥‥‥‥しまった。つい麻妃みたいな口調になっちゃった。

僕は今、3Fの風呂、場のドアを開けた所だ。――昨日の夕方に風呂にっておいたんだけど。演習やって汗もかいたし、部屋でくつろぐ前にシャワーぐらい浴びておこうと思った訳だよ。

またもや浴槽の方の照明がついていて、人の気配がする。多賀さん再襲來か? そんなバカな。

お風呂予約アプリを見ても、誰の予約もってないし「(子)浴中」の掛け札も無い。

――――なのにナゼか浴槽の方に人がいる!

まさかこんな短期間で「お風呂でバッタリ」2発とか。

いくらこのラポルトが僕以外全員子(アマリアコンビが來てさらに居場所が狹まった)だからって、安直! 安直だよ!

そしてライドヒさんの件で子はナーバスになってるみたいだし。

ここでトラブルとかはマジで勘弁だ。

あ、ライドヒさんは、4Fの自室、偉い人用の部屋で僕が勧めたゲームにハマってるよ。‥‥‥‥言い方悪いけど、これがお互い正常な距離な気がする。

って來ていいですよ~」

中から聲をかけられた。浴槽から子にこんな事言われたら、普通は慌てるけど、僕は安心した。

その聲で、桃山詩さんとわかったからだ。

って來てください。暖斗くんでしょ?」

用の藤カゴ、それが並ぶ棚から顔を出したのは、やっぱり彼だった。いつもの様に目が無くなる、にっこりとした笑顔。

「‥‥アプリに予約ってなかったし、スキマ時間でやっちゃおう! と、なりまして」

桃山さんのこの艦の「副任務」は「艦環境整備、清掃」。もちろんこんな全長550メートルの巨大艦を、彼ひとりでお掃除できる訳がない。掃除は基本的に艦ドローンや作業用ロボットが自でやる。――まあ、普段學校やお店で見るそういう系のロボットとおんなじだ。

ただ浴室とかまではロボはれず、あとどうしても掃除しきれない箇所とかがあるから、そこで彼の出番となる。

々と広範囲に気を配れる彼。こういう仕事を楽しそうにやってくれる。

「ありがとう。マメによく掃除してくれてるよね? 特にこの頃」

「あ、わかりました~? あの、3Fのお風呂が子と兼用になったじゃないですか。‥‥‥‥前の人の『痕跡』殘ってたらお互いもやもやしますよね? だからマメにお掃除しよっかな~と。暖斗くんそろそろるかなと思って」

「‥‥‥‥」

ちょっと気が利きすぎてる気がするけれど、まあ、それも桃山さんだ。思考が細やかなんだ。

桃山さんはTシャツにショーパン。麻妃みたいな恰好で、浴槽のタイルに手際よくブラシをかける。

すらっとした長い腳が目にった。

いつも彼はさいはて中の制服で、長めの膝下スカートの合服だから、うす著だと印象に殘る。‥‥‥‥そうだ。まほろ市でもそうだった。

「ありがとうございます」

「ん?」

はタイルにブラシをかけながら、言う。僕に視線は向けない。

「いちこの事、下の名前で呼んでくれて」

浴場に、ブラシの音が響いていた。

※「詩ちゃんやっぱりいい娘やん」と思ったそこのアナタ!!

ここまで、この作品を読んでいただき、本當にありがとうございます!!

あなたのブックマーク登録、高評価が、私の創作の唯一のモチベです。

お願い致します!!

評価 ☆☆☆☆☆ を ★★★★★ に!!

↓ ↓ このCMの下です ↓↓

Twitterやってます。いぬうと @babyassault

    人が読んでいる<【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、女醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄光のラポルト16」と呼ばれるまで~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください