《星の家族:シャルダンによるΩ點―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困する外科醫の愉快な日々ー》blutschwert Ⅴ
ガスパリ大司教が帰り、俺は一息ついていた。
「タカさん、お晝はどうしましょうか?」
「あー、予定はなんだっけ?」
「今日はステーキ蕎麥ですけど」
「もうそれでいいよ」
「そうですね!」
予定が狂うと亜紀ちゃんが大変だ。
マクシミリアンが來るかどうかもわからない。
まあ、一般常識があれば、食事は済ませてから來るだろう。
と思っていると、マクシミリアンが來た。
しかも、真っ赤なドゥカティ「パニガーレV4R」にっていた。
當然大使館ナンバーだ。
「かっけぇー!」
俺がぶと、笑顔でヘルメットをいだ。
「お前は「スーパーレッジェーラ」だったな」
「よく知ってんな!」
俺はマクシミリアンを中へれ、一緒に晝食を勧めた。
「蕎麥か」
「おお!」
「これはステーキか?」
「そうだぁ!」
「ふーん」
フォークがいいかと聞くと、箸でいいと言った。
日本語が出來て助かる。
日本の文化にも通じているらしい。
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「ステーキが乗った蕎麥は初めてだ」
「そうか!」
ステーキはカットしてある。
マクシミリアンは蕎麥を啜って食べ始めた。
「おお、慣れてるな」
「蕎麥は好きだ。パスタには敵わないがな」
「へぇ」
まあ、自分の國の文化をするのはいいことだ。
俺たちが喰い始めると、早乙から電話が來た。
俺は食事を中斷されることが大嫌いだ。
特に、口にれようとしたのを邪魔されて許したことは無い。
「なんだぁ!」
「今「アドヴェロス」から連絡が來て、急襲されているらしい!」
「あんだと?」
「俺はすぐに向かう。話を聞くと、どうやら石神が言っていた外國人たちらしいぞ」
「すぐに行くぜぇ! ガハハハハハハハ!」
俺は「ブルーシュヴァルト」の二人に「アドヴェロス」が襲撃されていると言った。
子どもたちがステーキを掻き込んで準備する。
「皇紀は殘れ!」
「はい!」
「マクシミリアンはどうする?」
「一緒に行く」
「飛行」をマクシミリアンに見せるわけにはいかないので、全員でハマーに乗り込み、出発した。
10分で現著し、早乙もほぼ同時に著いた。
「敵は二人だ。刀で暴れている」
「あいつらだな」
「どうする?」
「俺たちが行く。ハンターは出さないでくれ」
「分かった」
ステンレススチールの玄関は破壊され、強化ガラスが飛び散っていた。
奧の廊下で警備隊員たちが転がっている。
殺されてはいない。
俺たちは2階へ続く階段を上がった。
シャッターが落ちる音がした。
階段の上で嘲っている聲が聞こえる。
ドイツ語で、文句を言っている。
「よぉー!」
俺は手を挙げて言った。
「イシガミ!」
「てめぇら! 覚悟しろ!」
「エリアス! 逃げるぞ!」
また周囲が暗黒で満たされた。
俺は右手でストレートをぶち込み、左足で蹴りをぶっ込んだ。
闇が消え、二人の男が驚いた顔で俺を見ていた。
「バカか? 俺たちは闇の中でも戦えるんだぜ!」
「そんな! 昨日は!」
「お前らを泳がせたんだよ! それであそこでぶちのめしても、お前らは大したことはしてねぇからなぁ」
「なんだ?」
「よくも俺の店で無銭飲食をしてくれたなぁ? きっちりと詫びはれさせるからな!」
「おい、待て!」
マクシミリアンが寄って來た。
「イシガミ、こいつらを運ぶのか?」
「おう!」
「手足を斬っておいたほうがいい」
「そっか!」
「俺がやろうか?」
「頼む!」
マクシミリアンがフランベルジュを抜き、一閃でハインリヒとエリアスの両手両足を切斷した。
「これで逃げられん」
「でもよ」
「なんだ?」
「こいつらの刀とか出すんだろ?」
「ああ、でも手足を斬られると……」
「あ、あっぶねぇ! おし! 俺が頭もちょっと潰しとこう!」
「おい、石神!」
俺はって顔面が変形するほど毆った。
まあ、脳を失くしても戻るらしいから大丈夫だろう。
「……」
「じゃあ帰るか!」
俺は二人の男を擔いではみんなと戻った。
早乙が駆け寄って來た。
「石神!」
「おう、こいつらは連れて行くからな!」
「ああ、こっちは上手く片付けておく」
「頼むぞ!」
「石神!」
「おう!」
「ありがとう」
「何でもねぇよ!」
まあ、本當に禮を言われることはない。
夕べ逃がして泳がせて、襲う場所を特定させたのは俺だ。
早乙、斬、千萬組に連絡し、それを盜聴させた。
都にいることは予想していたので、「アドヴェロス」を襲う可能を最も考えていた。
ここならば防備もいし、戦える奴らもいる。
それに何よりも警備システムが優れている。
侵と同時に発報される。
俺はハインリヒとエリアスが、俺たちの戦力の測定をしているとじた。
外周の拠點であるキャバレーを襲い、次に俺が頼りにしている拠點を襲った。
今逃したならば、恐らく斬か千両たちが狙われただろう。
俺たちの出でこいつらも逃げるが、逃げることに関しては自信もあるのだろう。
俺の考え通りだったので、もう捕えた。
後ろの荷臺に「Ωワイヤー」で縛った二人と斬り落とした手足を乗せた。
雙子に見張らせる。
「黙って見張っててくれ」
「「はい!」」
意味は通じたはずだ。
子どもたちを家の前で降ろし、俺とマクシミリアンで「佐藤家」へ行った。
「ここはなんだ!」
「ああ、セイフハウスっていうかー」
「とんでもない場所だぞ!」
「知ってるよ!」
「ったら終わりだ!」
「分かってるって!」
チャイムを押した。
玄関からすぐにが出て來る。
俺が置いているアンドロイドだ。
俺を見て頭を下げる。
「これからるぞ! いいな!」
俺は大聲でんだ。
クロピョンに言っているのだが、マクシミリアンにはに言っていると思えるだろう。
「雰囲気が変わったぞ! 今度は腐敗しているじだ」
「るぞ!」
俺はハマーからハンリヒたちを降ろした。
マクシミリアンが俺に言われて手足を運ぶ。
玄関に行くと、まみれのがガラス戸にぶち當たる。
マクシミリアンが思わず手足を落とした。
「おい、気を付けろよ!」
「す、すまん」
玄関を開けると、年が廊下の先に立っている。
「來るぞー」
でかい顔が向かって來て、またマクシミリアンが手足を落とした。
「あー、もうそこでいいや! 上がるぞ!」
俺が土足のままで上がるので、マクシミリアンももちろんそうした。
右手の部屋にり、ハインリヒとエリアスを畳みに転がした。
「おい、今誰かいたよな」
「気にするな」
廊下から著を著た、目鼻の無いがって來た。
ちゃぶ臺の上に湯のみを二つ置いて、ニッタリと笑って出て行った。
「おい、飲むなよ?」
「もちろんだ!」
ハインリヒとエリアスは、もう俺が毆った顔が元に戻っていた。
目を閉じてはいるが、もう気が付いているはずだった。
「じゃあ、尋問を始めるぞ」
二人が目を開いて俺を睨んだ。
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