《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第91話 発見Ⅰ①

※無事第1部完結までPC力しました。書き溜めが80話(11/21時點)になってしまったので、投稿頻度上げます。

僕は発見した。

8月27日。演習を終えた日の夜、自室で夢をみた。懐かしい夢だった。

僕が11歳、小5の春休みに、ドローンレースがみなと市、いや絋國中で流行った。

近所の年上の人と遊ぶ事も多かったんだけど、みんな手間暇やお金をかけて改造したりしてた。

*****

「ぬっくん」

「あ、姫ちゃん。おはよ」

「けろけろ! もけーれむべんべ!」

「あははははは。姫ちゃんおもしろい」

當時、あるお笑い蕓人が、こんな一発ギャグを流行らせていた。それがツボだった僕は笑い転げて。――それを見ていた姫ちゃんは、朝の挨拶がわりにその蕓人のギャグを必ずやってくれてた。

「あの。まきっちに聞いたんだけど、ぬっくん今度の日曜日大會に出るの?」

「あっはっは‥‥ん? ドローンレース? 出るよ。市民育館」

「‥‥‥‥あの。私見に行ってもいい? ‥‥ど、どうせ‥‥日曜ヒマだし」

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「え? 來なくていいよぉ。だって僕のドローンノーマルだし。どうせすぐ負けるから」

「こら! 會場行くのはひめっちの自由だろが!」

僕らの會話に割ってってきた麻妃(マッキ)に、後頭部を小突かれた。この頃から、赤い野球帽にショーパンがマストのスタイルだった。

「痛って。大會1度出てみたかっただけだから。どうせビリだから見られたくないんだよ。だから來ないでね!」

痛む所をさすりながらそう言うと、ひめちゃんは下を向いて固まってしまった。

「ひめっちはさ。ドローンのエアレースってあんま見た事ないんだよ。せっかくみなと市で大會やるんだから、生で見たいんだよ」

「あっ、そう? じゃあ來てもいいよ。會場案する?」

僕のその言葉に、一気に表が明るくなるひめちゃん。

「うん。‥‥‥‥あ‥‥じゃあ‥‥お、お、お、お弁當作ってくね‥‥‥‥」

「‥‥‥‥え? 何? ‥‥‥‥お弁當? それはいいよ。作るなら伊央里(いおり)さんが作るし、小學生の部は午後からだし。‥‥うぐ」

僕のわき腹に、鉤爪拳フックを放ったヤツがいる。「いいから黙って食えやぁ!」と小聲で言いながら。

「いやね。ぬっくん。午前の大人の部も見たらいいんじゃない? ひめっち案しながら。で、ひめっちのお弁當食べれば。ちょうどいいじゃん」

大人の部ってあんまり參考にならないんだよなあ。お金スゴイかけてる勢ばっかだし。みんな殺気立っててコワイし。――でもまあいっか。

僕は麻妃(マッキ)からの更なる暴力をけないようジト目で牽制しつつ、ひめちゃんと當日の待ち合わせを相談した。

*****

當日の會場はなかなかの盛況だった。裏門で待ち合わせた僕らは、會場を一周する。‥‥‥‥會場案って言っても、育館と外の運営本部、ドローンや強化部品の即売所くらいだからね。

ひめちゃんはずっとニコニコしてた。この頃の彼はもう僕より頭一つ背が高い。その、小學生にしてはすらっとした容姿で、會場をきょろきょろ見回していた。長、今はもう追いついたと思うけどね。たぶん。

すぐ見終わっってしまった。そのまま隣りにある公園の木にレジャーシートを敷いて、ひめちゃん特製のお弁當を広げた。

「‥‥‥‥味、どうかな。おかしくない?」

「うん」

じゃが。し焦げてない?」

「うん」

「大丈夫? ニンジン固くないかなあ?」

「うん」

「良かった~。実はほとんどお母さんに手伝ってもらったんだよ。私は焼いたり盛りつけたりはしたけど」

「そうなんだ」

僕は心の中で謝っていたよ。こんな風に子とふたりきりで、作ってもらったお弁當食べるの初めてだったし、まあまあテンパってたよ。學校の男子にも見られたくなかった。

會話をする余裕なんて無かったんだ。ちゃんとお禮を言いたかったのに。

「うわあ。こんなじに塗るんだね~」

まだ時間もあって會話が途切れるので、僕のドローンを見る事になった。

んな機種があって、みんな派手に塗裝するよ。僕は全種類言えるよ」

「へえ。ぬっくんすごい」

この時の僕は饒舌で、ドヤ顔で話してたと思うけど、今振り返ると正直恥ずかしいな。母親に集めた石を自慢する稚園児みたいじゃんか。

「う~ん。私には全部同じに見えちゃう。あ、あの赤いのカワイイ。ピュアプリの絵が付いてる?」

「好きなアニメとかプリントする人いるね。プロのドローンレーサーだと會社の名前とかがってるよ」

「ぬっくんのには何もってないね?」

よかった。ドローン見せたら會話が続く。

「うん。僕は本買ったらお小遣いが盡きたから。エンジンもドノーマルで」

「エンジンって、あの重力子エンジン?」

「そだよ。この頃こういうオモチャにも使うようになって、電池じゃないから凄く軽いんだ。へへ~。値段が落ちつくのを待ってたのさ~」

「うっふふ。ぬっくん楽しそう」

*****

午後。小學生の部が始まった。予選1組。

僕は、「すぐ負けるから」と散々予防線を張っておいて、本當にすぐ負けた。しかも大差のビリで。

「うぅ‥‥‥‥」

ちょっと、いや、かなり凹んだ。

勝てないとわかってても、予想外の大負け。全員ゴールした後に、ひとりコースをふらふら飛ぶのは公開処刑だった。ひめちゃんがずっと応援してくれてたけど、人目を引く彼の澄んだ聲に申し訳なかったよ。

「大丈夫? ぬっくん。えっと、ドンマイだよ」

うう。今められると追加ダメージが。思わず言い訳めいた事を言ってしまう。

「‥‥‥‥出場タイムギリギリだから‥‥だけど‥‥家で測ったタイムに全然行かなくて‥‥‥‥」

「ちょ、調子が悪かったんだよ。ぬっくんのドローン今日お腹が痛かったんだよ」

ドローンの方かよ! といつもならツッコむけど、今はそんな気力も無し。そうなんだ。家で測った時は、もっと直線でスピード出たんだ。本番だったから? 実力が出せなかったのがものすごく悔しかった。

そんな僕らの後ろから、男子の聲がした。

「お前さあ。ドローンのせいにしてんじゃね~よ!」

※「ドローンレース? ミニ四駆みたいなもんか」と思ったそこのアナタ!! 正解です!

ここまで、この作品を読んでいただき、本當にありがとうございます!!

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