《星の家族:シャルダンによるΩ點―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困する外科醫の愉快な日々ー》blutschwert Ⅵ
俺は畳に転がしたハインヒリの右目を抉った。
「おい、いきなりだな」
マクシミリアンが別に驚いた風もなく言う。
こいつも拷問に慣れている。
「だって、どうせ再生すんだろ?」
「まあな」
「痛覚はどうなっている?」
「あるようだ。見れば分かるだろう」
ハインリヒがいている。
「持って來た手足は、宛がうとくっつくのか?」
「そうだ」
「不公平だな!」
「まったくだ」
俺は虎徹でエリアスの腹を刺した。
エリアスが絶する。
「おい、お前らの目的を話せ」
二人とも答えない。
全にして、虎徹をハインリヒの間に充てる。
「話せ」
「待て! 敵対するつもりはないのだ!」
マクシミリアンも當然ドイツ語は分かる。
「じゃあ、なんで襲った」
「お前に接するためだ! その前に俺たちの力を見せるつもりだった!」
「何いってんだ?」
「本當だ! 俺たちの力を示せば、渉もスムーズに行くと思った!」
「バカなのか?」
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俺はハインリヒの間を切り離した。
絶し、真っ赤な目で俺を睨んでいる。
「おい、お前はどうなんだ?」
エリアスの間に宛がう。
「同じだ! お前! 俺たちが何もしてないのにこんな真似を!」
「おお、元気だな」
同様に切り離す。
出はするが、すぐに止まる。
どういう仕組みか分からんが、任意の管を収させるようだ。
「おい、こいつらの首を刎ねたらどうなるんだ?」
「死なない。頭を潰せば別だがな」
「あとは心臓だっけ?」
「そうだ。完全に破壊すれば、こいつらも死ぬ」
「へぇー」
エリアスの腹に「螺旋花」を撃ち込んだ。
腹部が四散し、臓が零れて來る。
「お前、思い切りがいいな」
「オーホホホホホ!」
麗星の真似をするが、マクシミリアンは知らなかった。
エリアスは顔面を蒼白にしている。
流石に効いたようだ。
「何を俺と渉するつもりだったんだ?」
「俺たちにも資源を渡してしい。もちろん見返りは渡す」
「金は余ってんだけど?」
「お前のむものを用意する」
「「業」の首」
「!」
知ってはいるようだ。
「持って來いよ」
「それは無理だ! あれは世界を破壊する男だ!」
「俺のしいものって、それしかねぇんだが」
「分かった! 協力する!」
「あ?」
「我々の組織は巨大だ。報も、必要なものも、なるべく用意する!」
「そんな曖昧なことじゃなぁ」
エリアスがきながら言った。
「ハ、ハインリヒ。無理だ」
「エリアス! 黙っていろ!」
「こいつは我々を生かして帰すつもりはない」
「待て!」
「どうせ化けだと思っているんだ」
「黙れ!」
そんなこと思ってないが。
まあ、示してやるか。
俺は玄関から手足を擔いで戻った。
「おい、どっちのか分かんないぞ」
「知るか」
マクシミリアンは興味が無さそうに言った。
もちろん太さで分かるが。
「くっつけてやるよ」
俺はエリアスにハインリヒの左手をくっつけた。
右側に。
ちゃんとくっついた。
「ギャハハハハハハハ!」
「……」
マクシミリアンは呆れていた。
「おい! こんなこと出來るんだな!」
「イシガミ……」
「これはどうだ?」
右肩に左足をくっつけた。
くっついた。
「ギャハハハハハハハ!」
「お前!」
凄い顔でエリアスが俺を睨んだ。
「マクシミリアン、これってどうなるんだ?」
「知らん。こんなバカげたことをやった奴はいない」
「そうかー」
再生力は旺盛のようだ。
「真面目に答えろ。もっと酷いことをするぞ?」
「イシガミ、お前……」
「まだ逆らうか」
俺はハインリヒの鼻を削ぎ落し、オチンチンをくっつけた。
「ギャハハハハハハハ!」
「「……」」
「イシガミ、もう……」
マクシミリアンはやめてやれとは言わなかった。
振り返ると笑っていた。
出來る奴だ。
「おい、お前らは二人だけで來たのか?」
「そうだ。もうやめてくれ」
「じゃあ、素直に答えろ。お前らが戻らなければどうなる?」
「シュヴァルツェス・ブルート(schwarzes Blut:黒)が來る。俺たちのようなネゴシエーターではない。戦爭屋だ」
「へぇー」
「お前たちがどれほど強くとも、彼らの敵ではない」
「そっか」
「イシガミ、我々はそうはしたくないのだ」
「まだ渉ってか?」
「そうだ。むものを言ってくれ」
「じゃあ、ブルートシュヴェルトは俺の傘下にれ」
「なに?」
「俺の命令に従え。そうすれば「業」の災禍から守ってやる」
「我々は取引に來たのだ。何か條件を言ってくれ」
「お前たちに差し出せるものは、服従だけだ」
「イシガミ!」
「タマ!」
「なんだ、主」
突然現われた著姿のタマに、ハインヒリたちと同じく、マクシミリアンも驚いていた。
「ミディアン騎士団」が召喚するものとは違う。
「こいつらの記憶を探ってくれ。「シュヴァルツェス・ブルート」の居場所だ」
「分かった」
タマがハインリヒとエリアスを見詰めた。
場所を俺に告げ、二人は驚愕していた。
「我々の記憶が読めるのか!」
「そうだったろう?」
戦力も聞いたが、大したものではない。
再生力を利用した、屈強な兵士というだけだ。
規模は一個大隊500名。
一応、裝備は軍相當だ。
他に、「ブルートシュヴェルト」の本部の場所なども聞いた。
俺は手足とチンコを元通りにくっつけてやった。
「これから行くと伝えろ」
「なに?」
「俺たちは妖魔でもノスフェラトゥでも、逆らう奴は容赦しないし、味方ならば大事にする」
「……」
「どうするのかは、お前たちが決めればいい」
俺は二人を解放した。
マクシミリアンは大笑いしていた。
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