《ロング・ロング・ラブ・ストーリーズ 4度目のさようなら that had occurred during the 172 years》第3章 1983年 プラス20 – 始まりから20年後 〜 6 タイムマシンと者(6)

6 タイムマシンと者(6)

「ただきっと、あの辺には警察がウヨウヨしているから、その格好はちょっとまずいかもしれないな。念のためここで著替えておいて、著いたらすぐに、どこかに隠してしまった方がいいのかもしれないね」

剛志にそう言われ、智子は改めて自分の格好に目を向けた。

「そうね、こんな高級なお洋服著ていたら、きっとお父様だって驚いちゃうわ」

ペロッと舌を出し、彼は手にしていた風呂敷包みをに抱える。

「じゃあ、著替えてきます」

そう言った後、妙に神妙なじで頭を下げた。

なりに、この時代を去ることに思うところがあるのだろう。もちろん剛志にしたって同様だ。この二日間の出來事は、一生忘れることなどできやしない。

さらに木に向かう智子を見つめるうちに、

――このまま智子を帰してしまって、俺は本當に、それでいいのか?

そんな疑問が浮かび上がって、「行くな!」と何度もびそうになった。しかし剛志がどう思おうが、智子の願いは絶対的に他にある。だから無理やり吹っ切って、

――著替えが終わるまで、もう一度、あれをチェックしておくか……。

そう思うまま、マシンのある辺りに手を差し向ける。するといきなり銀の扉が現れて、あっという間に変化しながら階段となった。

今度は不安なしに上がっていけて、さっさと銀の空間にり込む。浮かんでいる椅子に腰を下ろし、ほんの數秒間だけ座り心地を楽しんだ。そうしてから、上半をゆっくり起こし、せり出してくるボードに目を向けるのだ。

00000020……數字に間違いないし、しっかり白いを放っている。

――これで後は、こいつに軽くれればいいのか?

――それとも、力いっぱい押さないとダメなんてことか?

そう思いながら見つめる先に、らかいを放つ小さな盛り上がりがあったのだ。

それは數字の並びからし離れた右手にあって、掌で包み込めるくらい、ちょうどソフトボール半分くらいの膨らみだ。

見たところ、材質は周りの銀と同じようで、しだけより強いを放っている。

さっき、數字がいきなり白に変わった時のことだ。

――これが、過去に切り替わったってことなのか?

そんなことを知るちょっと前、銀だったその膨らみが、知らぬ間にを発していることに気がついた。薄いピンクからクリームになって、それが青みがかったかと思えば淡いグリーンに変わっていく。

數字から離れていたせいで、當初その膨らみにまるで気づいていなかった。

そこから発せられるとりどりのこそ、紛れもなく出発できるというサインだろう。剛志が立ち上がるまでちゃんと続き、座席が元に戻ってしばらくしてから消え去った。

數字を反転させれば、この膨らみがり始める。

そう思った通りに、今、それはほんのりを放ち、あとはっているうちに出発するという意思を示せばいい。さらに今度ばかりは、數字の時のように確かめるわけには絶対にいかない。

だから一切手をれておらず、ここからがまさに一か八かの大勝負なのだ。

二十年前、伊藤もこの膨らみを押すか叩くかして、それでも慌てることなく出ていけた。であればそれが剛志でも、外に出るくらいの余裕はきっとあるはずだ。

著替え終わった智子を座らせ、とにかくあの膨らみをりまくる。そうすれば何か反応があって、そうなったらすぐに智子を殘して退散する。

そこまで思って、剛志が立ち上がろうとした時だ。

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